お芝居などなど

2009年11月14日 (土)

河合篤子さんのライブ

Pb120027 横浜の日の出町にあるライブハウス、シャノアールで、河合篤子さんのライブがありました。題して、“河合篤子ソングライブ”。出演は、河合篤子さんに岡村佳代子さん。ピアノはアニエス晶子さんでした。岡村佳代子さんは、トロワスールのメンバーの一人ですが、今日は初のソロでの出演でした。

僕は、最初のステージの岡村さんの1曲目から聞きました。3ステージで、最初のステージは、岡村さんの“好きな人”(キロロ)、“パート・オブ・ワールド”(“リトル・マーメイド”より)、“真夏の世の夢”(松任谷由美)、そして河合篤子さんで、“踊り明かそう”(“マイ・フェア・レディ”より)、“芝居猫(ガス-劇場猫)”(“キャッツ”より)、“メモリー”(“キャッツ”より)でした。そして、2回目のステージは、アニエスさんのソロで“サンライズ・サンセット”(“屋根の上のヴァイオリン弾き”より)で始まり、岡村さんの“ステップシスターズ・ラメント”(ミュージカル“シンデレラ”より)、“いつかのメリー・クリスマス”(B’z)、“カルメンのバラード”(ステップス・ミュージカル“boy be”より)、この後は、12月にシャノアールで河合篤子さんとライブをする留守(とめもり)晃さんが“あの鐘を鳴らすのはあなた”(和田アキ子)を特別ゲストで歌って、河合篤子Pb120024 さんにバトンタッチ。河合さんは“あなた”(小坂明子)、“スマイル”(“旅立て女たち”より)、“好きだからこそ(愛した日々に悔いはない)”(“コーラスライン”より)でした。ラストの3回目のステージですが、最初のアニエスさんのピアノソロは、“ラヴァーズ・コンチェルト”(バッハ“メヌエット”より)、岡村さんが“時には昔の話を”(“紅のぶた”より)、“僕の願い”(“ノートルダムの鐘”より)、“バイ・バイ・バラックバード”(“フォッシー”より)、留守さんが“酒と泪と男と女”を、そして河合さんは、ソンドハイムの作品を3曲。“ブロードウェイ・ベィビー”(“フォーリーズ”より)、“悲しみのピエロ”(“ザ・リトル・ナイト・ミュージック”より)、“私は生きている(I’m Still Here)”(“フォーリーズ”より)。最後は河合さんがリクエストに応えて、“ピープル”、でした。

岡村佳代子さんの歌は、以前、トロワスールとして歌っているときに聴いたことがあります。とても素直で、真っ直ぐな歌声を持った人です。今回はソロでの出演となったわけですが、もともとアルトのパートを担当しているだけあって、少し低めの音域の歌は特に素敵でした。例えば、“時には昔の話を”とか“僕の願い”とか…これまでは、アルトのパートで、どちらかと言えば縁の下の力持ち的な存在なのでしょうが、ソロでも十分いける、きれいな歌声でした。

さて、河合篤子さんの歌は、どれも素晴らしかったのです。特に、僕は“踊り明かそう”やファーストライブでも聴いた一人芝居の“芝居猫(ガス-劇場猫)”、“スマイル”等が好きなのですが、今回は、3回目のステージのソンドハイムの歌には聞き入ってしまいました。特に、シャノアールにはピエロが大粒の涙を流している絵が飾ってあるのですが、その絵の前で歌った“悲しみのピエロ”はしみじみとして、とてもとても素敵でした。本当に絵のイメージとピッタリの舞台となりました。

河合篤子さんは歌がとても上手いことはもちろんなのですが、彼女の歌を聴いているとある場面が目の前に繰り広げられているような気がしてくるのです。“歌手”というよりも、やはり、ミュージカル女優さんの歌なんだなぁ、と思ってしまいます。例えば、一人でいくつもの声色を使い分けて聞かせてくれた“芝居猫”は、オリジナルのキャッツとはまた一味違った情景が浮かんできます。一方、“踊り明かそう”や“好きだからこそ(愛した日々に悔いはない)”などを目をつぶって聞くと、本当にオリジナルの舞台の情景が目に浮かんでくるのです。

また、河合さんのライブの魅力の一つは、ライブ全体の雰囲気にあるように思います。よく書くことですが、ライブは歌い手さんの性格が本当に良く出るように思います。ファーストライブの時もそうでしたが、河合さんのライブは、ホワッとした、なんともいえない空気が会場全体に漂います。彼女の歌、トーク、そしてあの間…それら全てに彼女がにじみ出ているように思いました。

いつも書くことですが、相変わらず、アニエス晶子さんのピアノも素敵でした。伴奏の時は歌い手さんを引き立ててその魅力を十分に引き出す演奏だし、ソロになると、ウットリするような演奏になるのです。今回も、“サンライズ・サンセット”は特に素敵でした。

アットホームな空間で、素敵な歌とピアノをお酒を傾けながら聴く。その歌声やメロディはこの世に生まれ出た瞬間に消えていってしまうけれど、それを聴くものの心にはしっかりと刻み込まれていく…そんな贅沢な時間を味わった一晩でした。

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2009年10月31日 (土)

佐渡寧子さんのチャペル・コンサート

先日、佐渡寧子さんのチャペル・コンサートに行ってきました。場所は、さいたま市の鉄道博物館の近くにあるインマヌエル大宮教会のチャペルでした。

メインのヴォーカルは佐渡寧子さん、ピアノ伴奏は林直美さん、そして特別出演は、ビヨン・ホギル(青井緑平)さん、でした。

オープニングは、佐渡さんのソロで韓国の讃美歌“主の栄光を見る、我等とおられる主”。次に、ホギルさんのソロで韓国の讃美歌“おお、主を知りたい”でした。そして、佐渡さんとホギルさんのデュエットで、セリーヌ・ディオンの“Prayer”と“アメージング・グレイス”を聞きました。そして、林さんのピアノソロでデュラン作曲“ワルツ”。次に、佐渡さんの歌唱指導で、来場者全員で、韓国の讃美歌“心痛む者、癒される者”を歌いました。最後は、佐渡さんのソロで“主に栄光、永遠にあれ”。本当はアンコールが1曲あったのですが、曲名がわかりませんでした。

劇団四季を昨年末に退団した佐渡寧子さんの歌を久しぶりに聞きました。佐渡さんの、とても美しい、そして清潔な歌声を再び聞くことができて、とても嬉しかったのです。考えてみると、マイクを通さない彼女の声を聞くのは初めてでしたが、生の声もとても素敵でした。そしてホギルさん。彼も既に劇団四季を退団してしまいましたが、素晴らしい声の持ち主です。ずしりと響く声です。佐渡さんとホギルさんご夫妻のデュエット2曲も、思わず聞き入ってしまいました。林さんの“ワルツ”も、程よい大きさのチャペルの規模にピッタリのサロン風の流麗な曲で、今回のコンサートにぴったりの曲です。

僕はキリスト教の信仰はありませんが、ほとんどの方が信者であろう聴衆の中に入って聞く佐渡さんの讃美歌は、周囲のアットホームな空気と相まって、とても癒されました。それにしても、讃美歌と言うとグレゴリオ聖歌しか思いつかない僕は、とても親しみやすいメロディの数々が新鮮でした。(そういえば、ブラジルの教会で聞いた讃美歌もポップスのようでした。)

それにしても、親しい友人である林さんの伴奏で、ご主人と讃美歌を歌う佐渡寧子さんはとても輝いて見えました。

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2009年10月14日 (水)

大峯麻友さんのライブに行ってきました

Pa140173 赤坂のノーヴェンバー・イレブンスで行われた大峯麻友さんのライブに行ってきました。宝塚・宙組の初代組長の大峯さんのライブは、銀座のボンボンでのライブに続いて2回目。宝塚のナンバーがほとんどだったボンボンでのライブとはガラリと変わった内容の今回のライブ、前回とはまた違った意味で楽しいライブでした。

1回と第2回のライブ、両方を聞いたのですが、同じ曲がほとんどでありながらも全く飽きを感じさせず、楽しい時間を過ごしました。

歌われた歌の名前を全部は覚えているわけではありませんが、1回目、2回目を通して印象に残った歌を順不同で挙げれば、“GLORIOUS”(僕は知りませんでしたが、宝塚のミュージカルの中のナンバーだそうです。)、“もみじ”、“あかとんぼ”(いずれも童謡)、“手紙~親愛なる子供たちへ~”(作者不詳の詞に樋口了一さんが曲をつけた歌です。)、“命をあげよう”(ミュージカル“ミス・サイゴン”より)、“TOMORROW”(ミュージカル“アニー”より)、“サウダージ”(ポルノグラフティ)、“LOVE”(ジャズのスタンダードナンバーです。)、“YOU’RE MY FRIEND”、“伝えたい想い”(大峯麻友作詞、本園太郎作曲)といったところです。

でも、これ、ほとんど全曲のような気がします。涙を流したり、手拍子をしたり、どの曲も会場が一つになって大峯さんの世界を楽しんでいたように思います。もちろん、僕もその一人。まあ、それだけ素敵な時間だったということですね。それに、歌だけではありませんでした。1回目、2回目、それぞれに一人芝居(一人語り、かな?)のコーナーがあり、落語の“寿限無”と“愛宕山”をアレンジしたお話を、バックバンドのツボにはまった伴奏と効果音とともに、大峯さんの軽妙な語り口で聞きました。お話の内容も語り口も伴奏も面白く、笑えました。

ストーリーにしばられる芝居と違い、ライブは俳優さんの人柄がにじみ出てくるように思います。今回のライブも大峯さんの人柄を感じながら楽しんだライブでした。ライブ終了後にハプニングがありましたが、ライブの余韻を楽しみながら帰ることができました。

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2009年7月30日 (木)

銀座で宝塚三昧-シャンソンバー・ボンボンの宝塚の日

今日は、銀座のシャンソンバー・ボンボンに行ってきました。今日は、宝塚の日と称して、宙組の初代組長の大峯麻友さんをゲストに迎えてのライブでした。ピアノは、アニエス晶子さんです。レギュラーの福浦光洋さん、珠木美甫さんの素敵なシャンソンにはいつもうっとりとさせられます。特に、福浦さんの津軽弁のシャンソンは、いつものことながら、しみじみとした味わいがありますし、珠木さんのシャンソンもとても素敵です。そして、シャンソンではありませんが、珠木さんの“帰らんちゃよか”は何度聞いても涙が流れて止まりません。

しかし、今日のお目当ては、何と言っても、大峯さん。宝塚・宙組の大ファンの観劇のお友達、Mさんと一緒に聞きました。宝塚ビギナーの僕は、全ての曲の曲目をここに書くことはできませんが、“ベルサイユのバラ”や“風と共に去りぬ”のナンバー、月組のレパートリーの“Lovers’ Green”や宝塚のニューヨーク公演の際に歌われた“宝塚フォーエヴァー”等など…目をつぶると、あの華麗な宝塚の舞台が浮かんでくるようなライブでした。また、その他にも、ハワイアン、森山良子さんの歌(今日は、飲みながら聞いていたので、曲名を覚えていません。大峯さん、ゴメンナサイ!)もとても素敵でした。また、“手紙”という、やがて記憶や体力を失っていく年老いた親が子供に書いた手紙を歌った歌は、とても感動的で、悲しくて、涙が止まりませんでした。宝塚ビギナーの僕にとっては初めて聞く歌がほとんどでしたが、大峯さんの素敵な歌を聞いていると、また、宝塚を観に行きたいな、と言うような気持ちになってくるから不思議です。

ライブは、その歌い手さんの人間性が強く反映するものだと思いますが、今日のライブも、素敵な大峯さんの人柄が伝わってくるようなライブだったように思います。

また、歌だけでなく、アニエス晶子さんが、リクエストに応えてくれて、“メモリー”と“命をあげよう”を演奏してくれたのですが、これもとてもとても素敵な演奏でした。

今日は、会社でとても不愉快なことがあったのですが、今日のライブでとても大きな元気をもらったように思います。素敵な、素敵なひと時でした。

この間のパーティの主催者の殿下もいらしていたので、ライブ終了後は、殿下、大峯さん、アニエスさん、Mさんと一緒にお話しもできて、とても貴重な楽しい時間でした。

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2009年7月20日 (月)

日比谷で今夏もう一つの異界を訪ねる-“異人たちとの夏”を観る

P7191244 シアタークリエで“異人たちとの夏”を観てきました。僕にとっては久しぶりのストレートプレイです。出演は、主人公原田英雄に椎名桔平さん、藤野桂(ケイ)に内田有紀さん、原田の父に甲本雅裕さん、母に池脇千鶴さん、間宮に羽場裕一さん、原田の元妻、今村綾子とすき焼き屋の仲居に白神直子さん、でした。原作は山田太一さん、演出は鈴木勝秀さんです。

この作品は、以前、大林宣彦さんの監督で、風間杜夫さん、片岡鶴太郎さん、秋吉久美子さんらの出演で映画化されており、その原作の舞台化ということになります。

このお芝居のプログラムに萩尾瞳さんが一文を寄せておられますが、その中で、P7191242 このドラマを「温かくて、ちょっぴり怖くて、とても切ない」と評しています。(「異人たちとの時」より)僕は、温かくて、切なくて、そして、また、切ない、一人の男の再生のドラマなのではないかと思います。この物語は、原田が、離婚によって何もかも失くしてしまったときに、12歳の時に事故で亡くなった彼の両親と出会うという「奇跡」を一つの軸に、彼が住む部屋を突然訪ねる、彼の住むビルのもう一人の住人である藤野桂と原田との関係をもう一つの軸として展開していきます。

12歳の一人息子を残して不慮の事故でこの世を去らざるを得なかった父と母の息子への思いは、残された息子が両親を偲ぶ気持ちよりも、ずっと、ずっと強いものだったに違いありません。だからこそ、その息子が47歳になり離婚して、孤独な投げやりな生活に入りかけたときに奇跡が起こったのではないでしょうか。英雄とその父とのやり取りには、微笑ましい、しかし、どことなくぎこちない父子の愛情を感じ、微笑ましいひと時が過ぎていきます。けれども、異界に住む人たちとの出会いは、奇跡ではあるけれども、これは同時に悲劇でもありました。

このドラマの切なさは、それぞれの愛が自己犠牲を伴うからなのではないかと思います。愛する人の命のために自らの存在を否定しなければならなかった人たちの、いや、喜んで自らの存在を否定していった人たちの、ひたすらで、純粋で、強い愛情が、観る人達の胸を打ち、切ない涙を誘うのではないでしょうか。

日比谷で繰り広げられるもう一つの異界…クロロック城の舞踏会とは、また一味もふた味も違う異界でのお話。人間の愛を感じるドラマだったように思います。

☆ このお芝居をまだ観ぬ人へ…

シナリオライターの原田英雄は47歳。12歳の時に両親を事故で失い、親戚のもとに引き取られ生きてきました。現在は、脚本作家として生計を立てています。彼は、つい最近、離婚をして、慰謝料として元妻に何もかも取られ、現在は、仕事場に寝起きする毎日を送っています。そんな中で、仕事仲間のプロデューサーの間宮が彼の元妻と結婚したいと言いにきます。彼は、やりきれない思いにかられます。そんな時に、同じビルに住むという藤野桂が彼の部屋を訪ねますが、彼は彼女を追い返してしまいます。

そんなやりきれない毎日の中で、自分の故郷である浅草に足を運んだ原田は、12歳の時に死別した父母と出会います。原田は、父母のもとに通い始めるようになります。

一方、後日、藤野桂(ケイ)から原田のもとに電話がきて、一緒に飲んでから、二人は一緒に時間を過ごすことが増えて、やがて互いに愛し合うようになります。

浅草の両親のもとに通う原田は見るからにやつれていき、生気を失っていきます。そんな彼を見たケイは原田に、「もう浅草に行かないでほしい」と懇願します。また、次第に変わり果てた姿になっていく間宮もまた、彼を心配します。

原田の運命は…?そして、原田とケイの愛の行方は…?

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2009年6月28日 (日)

名優の一世一代の演技に酔う-六月大歌舞伎を観る

P6141188 少し前の話になりますが、歌舞伎座さよなら公演、六月大歌舞伎の昼の部を観てきました。普段は、歌舞伎座での観劇は一幕見席と決めているのですが、今回は、仁左衛門丈の女殺油地獄の一世一代の演技ということでしたので、一等席で観ることにしました。仁左衛門丈のファンのMさんにチケットを取っていただいたので、とても良い席で観ることができました。演目と主な配役は…

正札附根元草摺は、曽我五郎時致に尾上松緑丈、小林妹舞鶴に中村魁春丈。双蝶々P6141189 曲輪日記は、濡髪長五郎に松本幸四郎丈、放駒長吉に中村吉衛門丈、山崎屋与五郎に市川染五郎丈、藤屋吾妻に中村芝翫丈。蝶の道行は、助国に中村梅玉丈、小槇に中村福助丈。女殺油地獄は、河内屋与兵衛に片岡仁左衛門丈、豊嶋屋七左衛門に中村梅玉丈、芸者小菊に片岡秀太郎丈、山本森右衛門に坂東彌十郎丈、お吉に片岡孝太郎丈、河内屋徳兵衛に中村歌六丈、おさわに片岡秀太郎丈、おかちに中村梅枝丈、です。

P6141193 どの演目も素晴らしいものでした。特に、双蝶々曲輪日記は、幸四郎丈と吉衛門丈のやり取りは大変面白く見ごたえがありましたし、染五郎丈も美しい、しかし、どこか頼りなげな与五郎を好演でした。また蝶の道行も開幕直後は暗くなった舞台を妖しく光る蝶々が舞うという幻想的な演出とともに福助丈の小槇が美しく、そして、切なく哀しかったのです。しかし、何と言っても、六月の歌舞伎座は、仁左衛門丈の与兵衛に尽きるのではないでしょうか?名優が一世一代と銘打って演ずる、見納めの仁左衛門丈の与兵衛です。

仁左衛門丈による前半の与兵衛は人の良さと頼りなさがよく出ています。これまP6141195 での積み重なる不品行によって遂に与兵衛が勘当されて家から追い出されてしまう、この場面も見せ場の一つではないでしょうか?親の心、子知らずとばかり、自棄を起こして飛び出してしまう与兵衛。しかし、その心は頼りなく、家には戻りたい、されど、潔くこれまでの不孝を詫びて家業に励むというような覚悟もない。家の方向を未練タップリに振り返りながら、花道を引き上げていく与兵衛の表情がとても良かったです。また、その様子を見ながら、徳兵衛が、与兵衛が先代と生き写しであり先代を追い出すようだ、と嘆き悲しむのですが、この姿がまた良かった。また、与兵衛が家を出た後に、母親のおさわと父親の徳兵衛が、お吉にお金を託しに別々に出かけてきて、お吉宅でばったり出会う場面もとても好きな場面です。親の情愛が溢れていながら、それをあまりに表に出さずにしようという二人の気持ちが伝わってくる場面で、涙を誘います。そして、いよいよ殺しの場面。借金をお吉に断られた与兵衛の表情にやがて邪悪が支配していきます。殺すか殺さざるかの葛藤、苦しみ…しかし、やがて表情が切羽詰っていきます。このあたりの表情の変化が素晴らしい。そして、お吉殺害。油まみれになって、すべり転びながらお吉を追い回してその体を刀で何度も差していく与兵衛の姿は、時に滑稽ではありますが、しかしその場を支配するのは凄惨な空気です。ようやくの思いでお吉を殺して花道を引き上げていく与兵衛の姿もとても印象に残る演技でした。まさに“一世一代”の舞台にふさわしい仁左衛門丈の演技でありました。

一幕見席で観ていたときは気がつきませんでしたが、やはり歌舞伎座の場内は華やかです。和服姿の女性も多いし、玄人筋だな、と思われる人もぽつぽつと見かけたりして、豪華な雰囲気を楽しみました。

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2009年6月27日 (土)

目黒にて楽しい宵が更けていく-ライブ“私たちの同窓会”

目黒のライブハウス“音の箱”で開かれた、吉岡小鼓音さん、naomiさん、広瀬真弓さんのライブ“私たちの同窓会”に行ってきました。3人は劇団四季の同期生。入団して今年で20周年の記念のライブです。ピアノ伴奏は、いつも素敵な演奏を聞かせてくれるアニエス晶子さん。3部構成で、第一ステージは「再会」、第二ステージは「追憶」、第三ステージは「未来」というテーマです。僕は、少し遅刻して第一ステージの途中から聞きました。

プログラムは、第一ステージは、“さんぽ~となりのトトロ”(吉岡小鼓音、広瀬真弓、naomi

)、“それぞれのテーブル”(naomi)、“Goody-Goody”(naomi)、“素敵な友達”(“人間になりたかった猫”より/吉岡小鼓音)、“時満ちて 光臨”(“美少女戦士セーラームーン~永遠伝説”より/吉岡小鼓音)、“部屋とYシャツと私”(広瀬真弓)、“我が麗しき恋物語”(広瀬真弓)、“シェルブールの雨傘”(広瀬真弓、naomi)。第二ステージは、“The Real American Folk Song”(“クレイジー・フォー・ユー”より/吉岡小鼓音、広瀬真弓、naomi)、“Yesterday Once More”(naomi)、“Angel Of Music”(“オペラ座の怪人”より/吉岡小鼓音、広瀬真弓)、“Think Of Me (“オペラ座の怪人”より/吉岡小鼓音)、“Memory”(“キャッツ”より/広瀬真弓)、“As If We Never Said Good-bye”(“サンセット・ブルーバード”より/naomi、訳詞:naomi)、“Mister Snow”(“回転木馬”より/吉岡小鼓音)。第三ステージは、“Over The Rainbow”(“オズの魔法使い”より/吉岡小鼓音)、“いつも何度でも”(“千と千尋の神隠し”より/吉岡小鼓音、naomi)、“I Move On”(“シカゴ”より/naomi、訳詞:naomi)“Unexpected Song「あなたのセンター」”(“ソング&ダンス”より/広瀬真弓、訳詞:広瀬真弓)、“糸”(広瀬真弓)、“Tomorrow”(“アニー”より/naomi)、“New York New York”(“New York  New York”より/吉岡小鼓音)、“愛をありがとう”(“夢から醒めた夢”より/吉岡小鼓音、広瀬真弓、naomi)でした。

どれが良かった、と数曲を選ぶことが不可能なくらい、全てが素敵でした。強いてあげるならば、第二ステージは本当に凄かった。何しろ、吉岡さんは四季の舞台でクリスティーヌを、帝劇でキャリーを実際に演じていたのだし、広瀬さんはグリザベラを演じていたのですから…特に、“Memory”は、吉岡さんがシラバブ役で加わり、とても感動的で、思わず涙が出てきてしまいました。また、オペラ座の怪人のナンバーの際には、三人と同期の松川裕さんがピアノ伴奏とラウル役で参加。吉岡さんもクリスティーヌが舞台で“Think Of Me”を歌うときにきる衣装とそっくりの衣装で登場。しばし、ファントムの世界に酔いました。naomiさんの“As If We Never Said Good-bye”もとても聴かせる歌でした。“I Move On”も良かったなぁ。また、同期の3人の(松川さんを入れて4人の)仲の良い雰囲気も観客席に伝わってきて、とても良い空気が漂っていました。

最初から最後まで、思わず舞台に引き込まれるような、本物を堪能したひと時でした。

この間のパーティのお仲間も多数ライブに来ていて、ライブ終了後も短時間でしたが、吉岡さん、広瀬さん、naomiさんとともに盛り上がり、楽しい夜は更けていきました。

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2009年5月24日 (日)

ミュージカルナンバーを堪能する-河合篤子さんのファースト・ライブ

P5231177 ライブ・ビストロ音の箱で、河合篤子さんのファースト・ライブ“Atsuko Kawai HEART LIVE”に行きました。河合篤子さんは、“エリザベート”、“レベッカ”、“マリー・アントワネット”、“ダンス・オブ・バンパイア”、“ミー&マイ・ガール”等に出演していて、今や、東宝ミュージカルには欠かすことのできない女優さんです。(例えば、“マリー・アントワネット”では、マリー・アントワネットのお友達のランバル公爵夫人で出演しています。「長旅は辛いわ、ベルサイユに来るだけでもうクタクタ」といってお城を買ってもらうようなコミカルな場面でも、囚われのマリー・アントワネットを見捨てて「必ず戻ってくるわ、ちょっと外の空気を」と行って監禁されている城からでていくようなシリアスな場面でもピッタリとはまる女優さんです。)今回は、デビュー20周年を迎えてのファースト・ライブでした。ピアノ伴奏は、いつも素敵な演奏のアニエス晶子さんです。

デビュー20周年ということで、これまでのキャリアを振り返るという設定でなかなか面白いプログラムでした。オープンニングは、かつてオーディションを受けたという“レ・ミゼラブル”から“リトル・コゼット”を河合さんのピアノ弾き語りで。大人が歌うこの歌を聞いたのは初めてでしたので、「へぇー」という感じで聞いていましたが、この歌、大人が歌ってもなかなか良いのですね。そして次は、ピアノをアニエスさんに交代して、これまたオーディションを受けたという“アニー”から“トゥモロー”。おばさんが作ってくれたという、例のアニーが着ていた赤いワンピースを横において歌う河合さんにミュージカルが大好きな少女、あつこちゃんの姿が重なります。そして、いよいよデビュー作品“アルゴ”から“あなたが美しいのは”。とても美しいメロディと詞の曲をしっとりと聞かせてくれました。少し感動です。そして時代は彼女の高校生時代に…よく観にいったという“キャッツ”の“芝居猫”。キャッツの中では僕が一番好きなシーンであり、どんな風に聞かせてくれるのかな、と思っていたら、なんと一人キャッツ!しかもオリジナルはガスとジェリーロラムの2人(2匹?)によるデュエットですが、河合さんの一人キャッツは、3種類の声音で楽しませてくれました。そして前半の最後の曲は、河合さんが3年間出演していたNHK教育テレビの“うたっておどろんぱ”のハナちゃんとして、“ちいさな歌のおおきな力”。その当時の番組を流して、同じ衣装で登場する河合さんは、歌手として、そしてエンタティナーとして観客を惹きつけます。後半は、ハナちゃんから一転、美しいドレス姿で名曲の数々を歌い上げます。先ずは東宝ミュージカルのデビューとなる“エリザベート”から“私だけに”を再び河合さんの弾き語りです。この歌、とてもきれいな曲ですが、特に最後の高音部で盛り上げなければならないけれど、声をあまり張り上げすぎると台無しになってしまう難しい曲だと思いますが、とても美しい“私だけに”でした。次は、“ミー&マイ・ガール”から“もしもハートをとられたら”です。恋をした乙女心を歌った歌ですが、少し大人の“もしもハートをとられたら”でした。そして、2006年の舞台“サイド・バイ・サイド・バイ・ソンドハイム”から2曲です。“悲しみのピエロ”と“私は生きている”。“悲しみのピエロ”は“リトル・ナイト・ミュージック”で歌われるバラード(本作を見たことはありませんが、ジュディ・ディンチが歌うDVDを持っています。)で僕も大好きな曲です。これを、ほんとうにしっとりと、しみじみと河合さんは歌っていました。この2曲でこれまでを振り返ることは終わりです。テーマは、彼女の未来に移ります。日本ではかつて雪村いずみによって上演されたオフ・ブロードウェイ・ミュージカルの“旅立て女たち”、これをいつか上演したい、と河合さんは夢を語ります。このミュージカルから“スマイル”と“なつかしい友”でエンディングとなりました。アンコールは“ピープル”。(どのミュージカルの作品なのか、よくわかりません。)「人は一人で生きているのではない」という彼女の気持ちが伝わってくるような歌で、聞いているこちらまで、じん、ときてしまいました。

河合篤子さんの初ライブは、トークもなかなか楽しくて、彼女の人柄がそのまま表れているような素敵な時間でした。

最後になりましたが、最後にアニエス晶子さんがソロで演奏した、ジャズ風にアレンジされた“サウンド・オブ・ミュージック”の“マイ・フェイヴァリット・スィングス”も、ミュージカルのナンバーをオリジナルに近い形でしか聞かない僕にとっては、新しい発見でした。彼女のピアノの演奏も、僕にとってはいつも新しい発見があります。

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2009年5月 5日 (火)

爽やかなハーモニーとパワフルな歌声、そして素敵なピアノで過ごすGWの一夜

P5041148 横浜の日の出町にある“シャノアール”で高谷あゆみさんのライブが行われました。シャノアールには初めて行きましたが、ライブハウスというよりはサロン風で、ソファにゆったりと座りながら鑑賞することができるとても素敵な空間です。高谷さんのパワフルな歌を聞くことと、伴奏のアニエス晶子さんのピアノをタップリと堪能してきました。今回のライブは午後7時から3回ありましたが、つい、最後まで聞き入ってしまいました。

今回は、高谷さんの歌の前に、トロワスールというコーラスユニットの歌が入りました。このユニットは女性3人のユニットで、ミュージカルカンパニーStepsに所属する清水由樹さん、山口恵利佳さん、岡村佳代子さんの3人が作っているコーラスユニットです。僕は演奏を聞くのは初めて。第1回目は緊張していたのでしょうか、正直言って「大丈夫かな?」という感じがしないではありませんでしたが、2回目からは素敵なハーモニーを聞かせてくれるようになりました。2回目は“おぼろ月夜”(“Woman~源氏物語より~”より)、“マイ・メモリー”(“冬のソナタ”より)、“サウンド・オブ・ミュージック”(“サウンドミュージック”より)を、3回目は“いつも何度でも”(“千と千尋の神隠し”より)、“メモリー”(“キャッツ”より)、“バイ・バイ・ブラックバード”(“Fosse”より)、というプログラムでしたが、女性3人のコーラスで聞くこれらの歌はとても新鮮でした。特に、“メモリー”は、最近までお芝居の一部として(ミュージカルの中で)この歌を聞いていたわけですが、その歌をライブで、しかも、女性コーラスによる「歌」として聞いたのは、とても新鮮でした。「この歌はこういう歌い方あるんだ」という驚きです。そして、美しいハーモニーにちょっぴり感動しました。このユニットは、まだまだ若く、それだけに学ぶべきことも多いのでしょうが、様々なナンバーをオリジナルとは少し違った雰囲気で聞かせてくれる素敵なコーラスユニットになっていくような気がします。

                                                                                                                              

さて、今宵の主役の“浪速のライザミネリ”高谷あゆみさん。いつもどおりの、パP5041147 ワフルで、そして、パンチの効いた歌声で、関西弁のトークとあわせて、「高谷ワールド」に引き込まれてしまいました。今回の曲目は、1回目が、“All That Jazz”(“シカゴ”より)、“Some People”(“ジプシー”より)、“I Am Changing”(“ドリーム・ガールズ”より)、2回目は、“Cabaret”(“キャバレー”より)、“May Be This Time”(“キャバレー”より)、“My Heart Belongs to Daddy”(“Leave It To Me”より)、“アマーレ・アマーレ”(“ノバ・ボサノバ”より)、“バイ・バイ・ブラックバード”(“フォッシー”より)、3回目は、“メランコリー・ブルース”、“私はチャンピオン(“We are the Champion”)”(いずれもクィーンのナンバーから)、“But The World Goes Round”(“ニューヨーク、ニューヨーク”より)と続き、ラストはやはり“New York, New York”(“ニューヨーク、ニューヨーク”より)。第1回のステージのオープニングからパワフルなステージで、高谷さんのパンチの効いた歌声を堪能しました。“New York, New York”等のライザ・ミネリの歌も魅力的なのはもちろんですが、今回は、特に、“Some People”、“I Am Changing”や“May Be This Time”に魅かれました。それから、“My Heart Belongs To Daddy”。日本語で歌われましたが、ちゃんと韻を踏んでいて(と思えたのですが)、高谷さんのパフォーマンスとあわせて楽しめました。高谷さんのような声量もあり、パンチの効いた歌声の人が、思いっきりそれを抑えた歌を歌うのも聞いてみたいと思います。たとえば、レ・ミゼラブルの“I Dreamed A Dream”など、がらりと雰囲気も変わって、きっと素敵だと思うのですが。

ピアノ伴奏のアニエス晶子さんのピアノもいつものことながら、素敵でした。リクエストをして、“君住む街”を弾いてもらったのですが、ジャズ風にアレンジされていて、思わずスウィングしたくなるような、とっても素敵な“君住む街”でした。ライブとなると歌い手さんの方にばかり目が行きがちですが、演奏がしっかりしないと盛り上がらないものですが、アニエス晶子さんのピアノはそれ自体を聞きたくなるくらいなのに、伴奏の時にはしっかりと伴奏になっている…そんな感じで、彼女のピアノを聞くこともライブの大きな楽しみです。

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2009年3月29日 (日)

新妻聖子さんの“みんなのお茶会6杯め”

今日、新妻聖子さんのファンクラブ、S-presso!の“みんなのお茶会6杯め”に行ってきました。場所は、前回同様、南青山にあるMODAPOLITICAです。回を重ねるごとに規模も大きくなってきて、今回は150人の参加者でした。

このお茶会の楽しみの一つは、毎回、開演前に出されるケーキやお菓子。今回は、ストロベリーのムースの春らしいケーキとクッキーに小さなフィナンシェ。これにアイスコーヒーを楽しみながら、開演を待ちます。

今日の新妻さんは、先日のテレビ朝日の“旅サラダ”のベトナムロケで誂えたという桜色のアオザイ。とてもきれいでした。歌は、6曲で、歌われた順に、1.“ベスト・フレンド”(キロロ)、2.“On My Own”(レ・ミゼラブル)、3.“ピエタ”、4.“The Sacred Bird”(ミス・サイゴンのロンドン初演の時のみに使えわれた歌)、5.“ライト・イン・ザ・ピアッツア”、6.“ひとつ”(新妻さんの詞に彼女のお姉さんが曲をつけた曲。なかなか素敵な曲です。)でした。その合間に、名古屋のレ・ミゼラブルの話、キムからエポニーヌへの心の切り替えの話、“旅サラダ”のロケのこと、来春に決まったライブツアーのこと、今年の舞台や映画の予定等々の話や抽選会(残念ながら、外れてしまいました!)があって、彼女の歌も堪能できて彼女のファンとしてはとても楽しいひと時でした。

彼女の“On My Own”を聞いていて、「あれっ?」と思いました。彼女のこの曲を生で聴くのは久しぶりで、多分、前回のレ・ミゼラブルの公演(2007年7月)以来なのではないかと思います。どこがどうなったと上手く表現できないのですが、どこかが変わってきたように思いました。少しやわらかくなったと言えば良いのか、何と表現したら良いのか…(こういうことをきちんと言葉で表現できたら、劇評が書けるのでしょうね。)単純に、舞台とライブでの歌い方の違いなのかもしれません。でも、人間が色々な経験を積んでその考え方を深めていくように、彼女も色々な役を経て再びエポニーヌに戻ってきた今、彼女の中のエポニーヌがさらに深化し、そして進化したのかもしれません。

また、“ピエタ”も美しい曲です。別れた男(画家なのでしょうね)と女が、それぞれの思いを歌う、という歌です。女性のパートはキイも高くなるのですが、彼女は美しいハイトーンで歌います。彼女の高音は本当にきれいになりましたね。“ライト・イン・ザ・ピアッツア”の出演の頃から、高音がぐっと美しくなったような気がします。

今回は、歌の合間に、“旅サラダ”の未公開カット部分をプロモーション・ビデオ風に編集したものが披露されました。BGMとして“愛をとめないで”と“ガラスのうさぎ”が使われていました。戦争の悲惨さを歌った“ガラスのうさぎ”を聞きながら、長い間戦乱の地であったベトナムの風景を見ていると、色々と考えさせられるものがありました。

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2008年11月16日 (日)

複雑なファン心理-ライブをハシゴして思う…

昨日は、ライブを二つかけもちという、少し忙しい一日でした。

Pb150965 まずは、新妻聖子さんのライブ“LIVE MOMENTS”に行ってきました。場所は、品川プリンスホテルにある品川ステラボールです。約15分ほど遅れての開演でした。

第一部は、彼女のアルバム“MUSICAL MOMENTS”収録曲が中心で、“Seasons Of Love”、“ヴァージン・ロード”、“I’ll Never Fall In Love Again”、“青いカモメ”、“Eyes On Me”、“命をあげよう”、“I’ve Never Been To Me”、“私だけに”の8曲でした。休憩をはさんで第二部は、様々なPb150966

ジャンルからの構成。“I Want You Back”、“Home”、“I Don’t Want To Miss A Thing”、そして魅惑のスタンダードポップスメドレーということで、“Moliendo Café(コーヒールンバのラテン版)”、“These Boots Are Made For Walking”、“Can’t Take My Eyes Off Of You”の3曲。その後、“Defying Gravity”、“ピエタ”と続き、“心の声”でフィナーレ。アンコールは“愛をとめないで~Always Loving You~”と“ひとつ”という歌の2曲でした。

彼女のライブの良さは、ミュージカルの舞台で観ている彼女の世界とは全く異なる彼女を発見できることです。今回も、特に第二部の前半は、これまで彼女が歌ってきたものとは違うジャンルの歌で、しかも、それらの歌がどれも彼女の歌として消化されていて(彼女の言葉を借りて言えば、まさに彼女という「フィルターを通して」)、歌手、新妻聖子の新たな魅力を見出せたような気がします。ただ、僕は、やはり彼女の歌うミュージカルのナンバーが好きです。“Defying Gravity”もそうですし、“心の声”も良かったと思います。でも、やはり、なんといっても“命をあげよう”は最高です。やはり、キムとして過ごした時間とその役に対する思い入れの強さが、たとえミス・サイゴンのステージでなくとも彼女をキムそのものにしてしまうのでしょうか?とても感動的でした。ただ、“Seasons Of Love”の最中のしゃっくりはご愛嬌としても、“私だけに”のラストは絶叫調となってしまい、声がわれて、少し???という感じだったのが(この歌もそこまではとても良かっただけに)、残念でした。新妻さんは、本来、声に力を持った素晴らしい歌い手さんなのですから少し抑え気味に歌っても十分に魅力が出るように思いますが…

後半の“ピエタ”もとても美しく、素晴らしい歌でした。オリジナルの日本語の詞がつけられて、ある女の肖像を描いている男の気持ち(女は既に去っている)とその女が男を思う気持ちをキイを変えて歌い上げたもので、とても美しく感動的でした。また、最後の“ひとつ”は詞が新妻聖子さんで、曲がお姉さんの新妻ゆか子(すみません、漢字がわかりません。)で、新妻さんのピアノの弾き語りで披露されたのですが、これがまたしみじみとした名曲です。このライブだけのオリジナルと言わず、これからもぜひ聞きたい歌です。次のCDに入らないかなぁ…

それにしても、今回のステラボールは収容人員が約900人だそうですが、ほぼ満員。これまでは約500人強の規模の草月ホールでしたから、随分、新妻さんの人気も広まってきたのだな、と思います。ファンクラブ発足当初から入会しているファンとしてみると、とても嬉しい反面、少し、寂しさも感じさせられたライブでもありました。

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2008年10月12日 (日)

男と女の不可思議さ-“私生活”を観る

Pa110951 シアタークリエで“私生活”を観てきました。作者はノエル・カワードで、演出は、レ・ミゼラブルやベガーズ・オペラ、錦繍等でおなじみのジョン・ケアードです。出演は、エリオットに内野聖陽さん、エリオットの元の妻アマンダに寺島しのぶさん、エリオットの現在の妻シビルに中嶋朋子さん、アマンダの現在の夫ビクターに橋本じゅんさん、アマンダのパリのフラットで働くメイド、ルイーズに中澤聖子さん、です。

偶然、ホテルの隣の部屋に泊まり合わせた二組の新婚カップル。この二組の男と女Pa110947 が織りなす男と女の機微の世界。人の心の不可思議さ。それを芸達者達がテンポよく演じていきます。笑いが劇場を包む、上質なコメディです。ありえないような偶然によって生じた設定の中で、登場人物たちがとてもリアリティを持って活き活きとしていました。そんな彼らに、時に笑い、時には「そうだよな~」とうなずきつつ楽しんできました。やはりいい台本があって、それを達者な役者さん達が演じるとこういう舞台になるんだなぁという見本のような舞台だったように思います。個性的な俳優さんのそれぞれの演技を満喫して帰って来ました。

内野さんと寺島さんの時に激しく、そして、時にしっとりとしたからみもなかなか面白かったのですが、特に、第三幕の後半の中嶋さんと橋本さんの掛け合いが絶妙で面白かったです。

☆ このお芝居をまだ観ぬ人へ…

フランスの高級リゾート、ドーヴィルに新婚旅行にやってきたエリオットとシビル。二人が泊まったスイート・ルームの隣に宿泊するのはアマンダとビクター。二人もやはり新婚旅行です。アマンダはエリオットの元の妻。シビルとビクターはそれぞれの相手が気になって仕方が無い。相手に、前の相手の事を聞いて、それぞれのカップルは喧嘩をしてしまいます。相手が出て行った部屋のバルコニーに出てきたエリオットとアマンダ。そこで、二人は隣同士の部屋にいることに気がつきます。5年ぶりに再会した二人の間にたちまち恋の炎が燃え上がります。駆け落ちをすることに決めた二人は、パリにあるアマンダのフラットへ。本音で感情をぶつけ合う二人は、時に激しく愛し合いますが、罵り合いや大喧嘩もたえません。そんなところにビクターとシビルもやってきて…

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2008年8月31日 (日)

新妻さんとの“みんなのお茶会5杯目”

P8310890 今日は、青山で開かれた、新妻聖子さんのオフィシャルファンクラブ、“S-presso!”の“~みんなのお茶会5杯目~”に行ってきました。場所は、南青山のMODAPOLITECA(モーダポリテカ)でした。

前回は去年の七夕でしたから、約1年ぶりのお茶会ということになります。毎回、参加するたびに参加者も増えていくように思います。新妻さんのファンが増えて人気が出てくるのは彼女のファンとしてとても嬉しいことですが、ファンクラブ発足以前からのファンとしては少々複雑な気持ちもあるというのが正直なところです。でも、もちろん、彼女の魅力を知る人が増えるということは嬉しいと言う気持ちが一番ですけれど。

今回のお茶会は、開始前にケーキと飲み物が出され(これが毎回美味しいのです!)それを楽しみながら開始を待ちます。さて、いよいよ始まります。新妻さんのトーク(現在、公演中のミス・サイゴンについてのなかなか興味深い話もあり、芝居好きにとっては楽しい時間でした)や○×クイズをはさんで、新妻さんの歌が披露されます。歌は4曲。まずは、“Over the Rainbow”。新妻さんのCD“MUsical Moments”の中の一曲です。本当にのびのある声で、うっとりと聞きました。CDでは、以前にご紹介したとおり、少し抑え目の、それだけに新妻さんの別の魅力が出た歌い方でしたが、今日の歌は、新妻さんもとても気持ち良さそうに歌っていました。そして、それが聞いている僕にも伝わってきて、のびやかな気持ちにさせてくれます。トークを挟んで、次は“Too Much for One Heart”です。これは、ミス・サイゴンの中のナンバーとして作られたのですが、ウエスト・エンドのプレビュー初日前に不採用になった、キムがクリスのことを思って歌うソロナンバーなのだそうです。メロディーだけは採用されて、“Please”になったのだとか。これが今回は新妻さんの訳詩で“二人だけで”という曲になって披露されました。これが、また、“Please”とはまた別の曲となり、とても素敵な曲になりました。また、どこかで聞かせてくれるといいのですが…この後は、またトークがあり、その後、久しぶりに聞く“ガラスのうさぎ”。これは、しみじみと、戦争の虚しさを歌った歌で、映画“ガラスのうさぎ”の主題歌です。彼女のこの歌を聞くと、涙が滲んでくるのをとめることができません。その後、○×クイズがあり、最後の曲は、“エリザベート”から“私だけに”でした。皆さん、ご存知のように、今、とても元気なウィーンのミヒャエル・クンツェとシルベスター・リーヴァイのコンビによる、これもとても美しい曲です。これをとても美しく、切なく、歌い上げていました。特に、最近、新妻さんは高音がとても美しくなってきたので、とても感動しました。

この後は、定番の記念撮影。今回は、全体写真とグループ撮影でした。これまでは、ツーショット撮影だったので、正直なところ少し残念でした。ツーショットだと、撮影の時に少しだけ応援の声もかけられるし、ツーショット写真はとても良い記念になったのですけれど。やっぱり、俳優さんが段々と実力がついて、人気が出てくると、ファンの数も増えてくるわけで、仕方のないことなんでしょうねぇ…

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2008年8月24日 (日)

爽やかな青春ドラマ-“宝塚BOYS”を観る

シアタークリエで、“宝塚BOYS”を観てきました。キャストは、宝塚男子部部P8230879 員、竹内重雄に葛山信吾さん、星野丈治に吉野圭吾さん、上原金蔵に柳家花緑さん、太田川剛に山内圭哉さん、山田浩二に猪野学さん、長谷川好弥に瀬川亮さん、竹田幹夫に森本亮治さん、男子部の寮のおばさん君原佳枝に初風諄さん、歌劇団の男子部担当者、池田和也に山路和弘さん、です。

戦後の混乱のいまだ収まらない時期に、宝塚歌劇団に男子部は本当に誕生しました。しかし、彼らは一度も大劇場の舞台に立つことはなかった。これは史実です。このお芝居は、そんな男子部のメンバーのお話です。

P8230887 いやあ、面白かった。ただただ、面白かったのです。女の園、宝塚歌劇団に誕生した男子部。大劇場の舞台に立つべく稽古を重ねる姿に、笑って、泣いて、泣いて、笑って、また笑う…という感じでありました。特に、なかなか舞台に出る機会のない彼らに、いよいよ男女合同公演の脚本が渡され、その稽古をするシーンは、大好きです。とても笑えるのですが、涙が止まりませんでした。

お芝居に使うには変な言葉ですが、「読後感」がとても爽やかな、スカッとする、そんなお芝居です。そして、何故か、宝塚を観たくなってしまいます。

夢がかなわないことはある。いや、現実にはかなわぬ夢の方がきっと多いのかもしれない。けれども、夢に向かって懸命に生きていく姿はとても、とても、素敵に美しい…そんなことを教えてくれるお芝居です。

☆このお芝居をまだ観ぬ人へ…

時代は、第二次世界大戦が終わって間もない頃。日本ではまだ敗戦の混乱も収まらない頃です。帰還兵の上原金蔵が宝塚歌劇団の総帥、小林一三に出した手紙がきっかけとなり、宝塚歌劇団に男子部が創設されることになります。その男子部に集まってきたのは、電気屋、旅芸人の息子、宝塚歌劇団の元楽団メンバー、現役ダンサー、闇市の愚連隊などのメンバーです。そして歌劇団からは、池田和也が男子部担当として派遣されてきます。

いつか宝塚の大劇場の舞台に立つことを夢見て、歌やダンスの稽古に励みます。しかし、なかなか華やかな舞台に立つ日が来ない。そればかりか“清く、正しく、美しく”がモットーの宝塚に男を登場させることに対する反対の声が増すばかり。そんな逆風の中、くじけそうになる気持ちを互いに励ましあって、夢を追いかけていく部員たち。そんな彼らを見守り、励ますのは、池田と寮のおばちゃんの君原佳枝。そんな彼らに、やがて、待ちに待った男女合同公演の脚本が渡されます。張り切って、稽古に励むメンバー達。果たして彼らの夢の行方はどこなのか?

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2008年8月 2日 (土)

MUSICAL MOMENTS

もう2週間ほど前になりますが、7月16日に、新妻聖子さんのミュージカル・アルバム“MUSICAL MOMENTS”が発売されました。

100 収録曲は…1.SEASONS OF LOVE(「レント」より)2.命をあげよう(「ミス・サイゴン」より)3.OVER THE RAINBOW(「オズの魔法使い」より)4.I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN(「プロミセス、プロミセス」より)5.THE LIGHT IN THE PIAZZA(「ライト・イン・ザ・ピアッツア」より)6.THE VOICE IN MY HEART(「マリー・アントワネット」より)7.私だけに(「エリザベート」より)8.ON MY OWN(「レ・ミゼラブル」より)9.MEMORY(「キャッツ」より)10MAKE OUR GARDEN GROW(「キャンディード」より) です。

彼女の歌は舞台やライブで沢山聞いています。が、彼女のミュージカル・アルバムは初めてですので、早速、購入して聴いてみました。CDの録音なので当然なのかもしれませんが、ライブや舞台で聞くよりも、少し抑え気味に、そして、より丁寧に歌っているように思います。(ライブや舞台での彼女が丁寧に歌っていない、と言う意味ではありません。)舞台では、その役に没入し感情を込めて歌うわけで、だからこその感動があるわけですが、このCDでは彼女の別の魅力が良く出ているように思います。特に、“命をあげよう”はピアノだけのシンプルな伴奏で、舞台との違いが良く出ています。今、お気に入りのCDです。

それにしても、新妻さんは、以前から、美しく、かつ、力強い声で、歌が上手いと思っていましたが、最近、特に高音がとてもきれいになってきたように思います。以前、彼女がご自分のブログに「ライト・イン・ザ・ピアッツアの舞台のときに高音の練習にかなり苦労している」というように書いていたように思います。だからでしょうか…

皆さんもチャンスがあれば、ぜひ、手に取って聴いてみてください。素敵な歌が沢山入っています。

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2008年7月 7日 (月)

あなたにとって大切な思い出とは?-思い出を売る男を観る

この間、自由劇場で“思い出を売る男”を観てきました。出演は、主人公の思い出を売る男に田邊真也さん、広告屋に味方隆司さん、GIの青年に金田俊優秀さん、乞食に日下武史さん、黒マスクのジョオに芝清道さん、花売娘に大徳朋子さん、街の女に野村玲子さん、恋人ジェニイに西珠美さん、シルエットの女に斉藤美絵子さん、でした。

一言で言って、しみじみとした佳作です。決して派手さはないけれど、心に浸み込むような作品のように思います。劇団四季のストレートプレイでは、好きな作品の一つです。

日下さんの演技を観ると感じるのは、その存在感の大きさです。なんだか、そこにいるだけで舞台が引き締まるような気がします。今回も、陽気で自由で楽天的な乞食を好演です。日下さんの舞台をそんなにたくさん観たことはありませんが、観るたびにその大きな存在感を感じます。また、野村玲子さんが演じる、愛する男に捨てられたと思っている(?)街の女もなかなか良かったと思います。また、西珠美さんが歌う“金髪のジェニー”も美しく、GIの青年が郷愁と故郷に残してきた恋人への思慕を駆り立てられるのも、何だか同じ気持ちを共感させます。最後に登場する黒マスクのジョオの悲しい人生、そして、その悲しみに街の女の哀しさがオーバーラップして、何ともいえない幕切れを迎えます。終戦直後の焼け跡を舞台にした、否、それを舞台にしたからこそ、郷愁や人生の悲しみなどが入り混じった、しみじみとした思いにとらわれる舞台でした。

それにしても、田邊さんも芝さんもサキソフォーンがとても上手で、ひょっとしたら吹き替えかもしれませんが、それもどちらか判別が付かないくらい演奏が板についていました。

このお芝居をまだ観ぬ人へ…

舞台は、戦後の焼け跡。きっと東京のどこか。サキソフォーンを持った男が、「思い出を売ります」という看板を掲げて立っています。彼のところを色々な人が通り過ぎて行きます。まだ思い出を持ったことがない-だから思い出を買う必要もない-無邪気な花売り娘。そして、したたかな広告屋、故郷に愛しい恋人を残してきたGIの青年、陽気な乞食。思い出を売る男は彼らのリクエストに応えてサクフォーンを吹きます。すると、彼の後ろにあるなんでもない壁にはそれぞれの思い出が浮かび上がってくるのです。そして、サクソフォーンを吹き自分を愛してくれた恋人、しかし、自分のもとから去っていった恋人、そんな彼との思い出を大切に思い続ける街の女。彼女は彼との思い出の曲、“巴里の屋根の下”をリクエストし、思い出を売る男はそれに応えてサクソフォーンを心を込めて吹きます。すると彼の後ろにある壁には彼女の幸せだった思い出が蘇ってきます。女はこの蘇った思い出を生きる糧にするかのように、また街の中に戻っていきます。そして、やがて街は騒がしくなります。街の顔役の黒マスクのジョオが人を殺して警官に追われているのです。彼も重手を売る男のところにやってきます。彼は、思い出を売る男のサクソフォーンを借りて彼の思い出の曲を吹き始めます。彼は、戦争で、その前の記憶を全て失ってしまっています。彼が吹いた曲は?そして、彼の運命は?彼の失われた思い出とは一体なんだったのでしょうか???

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2008年7月 5日 (土)

スタンディング・オベイションについて考える

前回書いたように、ミュージカル異国の丘の千秋楽はとても素晴らしい舞台でした。それで、カーテンコールの時に、スタンディング・オベイションで舞台の上の俳優さんたちに拍手を送っていると、後ろから背中をトントンと叩かれ、後ろを振り向くと、すぐ1列後ろのお客さんから「見えないから座ってください。」と言われてしまいました。以前にも同様なことがありました。(前回も四季のミュージカルでの出来事でした。)今回は、後ろのお客さんはかなり年配の方で、おそらくは、ミュージカルファンというよりも、シベリア抑留のお話を見に来られたのだと思います。とりあえず、座ったのですが…

僕は、良い舞台を観たときにはそれに対する賞賛の気持ちをできるだけ率直に俳優さんたちに伝えたいと思います。そのためには、盛大な拍手を送ることであり、さらに大きな讃辞を送る時にはスタンディング・オベイションということになります。自分の気持ちを熱演した舞台上の俳優さんたちに伝えたいと言う気持ちがあることはもちろんですが、それとともに、素晴らしい演技をした俳優さんたちに観客の熱い思いを伝える拍手が、何よりも俳優さんを育てることにもなると思うのです。僕は、他の人をあまり気にせず、自分が良いと思えば周囲のお客さんが立たなくても立ちますし、また、逆もあります。また、タイミングも、ある俳優さんが素晴らしいと思えば、その俳優さんが出てきたときに立ちますし、何回目かのカーテンコールで俳優さん全員が出てきたときに立って拍手を送ることもあります。この行為は劇場ではごく自然な行為だと思っています。ところが、劇場のお客さんの中にはこの習慣を知らない人もいるわけで、そのようなお客さんにとっては、自分の視界をふさぐ無作法な行為になってしまうわけです。とはいえ、いちいち後ろの列のお客さんを気にして、立つかどうか決めるわけにもいかないし…

結局、異国の丘のときには、いったん座りましたが、その後、すぐに周囲の人のほとんどが立ち上がったので、僕もまた直ぐに立ち上がってしまいました。(おじいちゃん、ごめんなさい。)

最近、少し、悩ましく感じています。

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2008年6月 8日 (日)

コンボイ・ショウを観る

081 青山劇場で、“THE CONVOY SHOW-うみわたれ”を観て来ました。コンボイのファンのきょりんさんのお勧めで行ってきました。キャストは、児玉昌に今村ねずみさん、志茂田洋一に瀬下尚人さん、谷山浩志に石坂勇さん、妻木純に舘形比呂さん、三宅太郎に徳永邦治さん、木村和男に黒須洋壬、櫻田知恵蔵にすまけいさんでした。

ドラマ仕立てで、そこにダンスと歌がからみ、コンボイのメンバーの各々の魅力が出082 ていて、コンボイファンの人たちにはたまらないショウなのだろうと思います。このショウの中で、すまけいさんの存在感は大きく、コンボイのメンバーを動とすれば、静の存在として、とても重みのあるすばらしい演技だったと思います。最後のシーンの彼のセリフがとても印象的でした。

「息をしていれば、いくらでもチャンスはあるのです。」

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2008年4月 6日 (日)

笑って、笑って、ポロポロ泣いて・・・

063MIDSUMMER CAROL~ガマ王子vsザリガニ魔人~”を観ました。キャストは、入院患者では、傲岸で人嫌いの企業オーナー、大貫に吉田鋼太郎さん、入院患者で純真な心と脳に障害を持つ少女パコ志村玲那さん、かつての天才子役、現在低迷中の役者で自殺未遂の常習犯の入院患者室町に笠原浩夫さん、拳銃で撃たれた関西の暴力団員龍門寺に山内圭哉さん、消防活動中の事故で大怪我を負った消防署員滝田に中山祐一朗さん、事故の賠償額をつり上げるため入院し続ける主婦、木之元に楠見薫さん、いたずら好きの堀米に春風亭昇太さん、病院の医師浅野に岡田浩暉さん、仕事熱心ではあるけれども言葉も態度も悪い看護師、光岡に新妻聖子さん、看護師で浩一の妻、雅美に月船さららさん、雅美の夫で大貫の甥、浩一と雅美と浩一の息子浩二(二役)に戸次重幸さん、でした。

浩二のところに堀米が訪れて、大貫の話を始めたところから話しが始まります。とある総合病院が舞台です。傲慢で人間嫌いの大貫はその言動故に病院中の嫌われ者です。一方、パコは交通事故で両親を失い、自らも脳に障害を負ってしまい、一晩寝ると前日の記憶が消えてしまうという少女。あるとき、ひょんなことから大貫は彼女の頬を叩いてしまいます。病院中の非難を受ける大貫。しかし、パコは、翌朝、頬に触れた大貫の手の感触を覚えていました。このときから大貫は変わり始めるのです。そして、彼の提案で入院患者と病院のスタッフで、パコのために芝居をすることに。芝居は、パコが母親から誕生日のプレゼントとして贈られ毎日読んでいる絵本、“ガマ王子vsザリガニ魔人”。病院中が一つになって、パコのために芝居をするのですが…

このお芝居、とにかく笑えます。セリフの面白さに加えて、登場人物の人物設定が絶妙なので声を上げて笑えます。けれども、特に最後は、涙がポロポロ出てきて、止まりませんでした。特に吉田さんの大貫は絶妙の演技だったように思います。彼の号泣する場面は、これまでのコミカルな場面から一転、観客席にすすり泣きが広がっていきました。彼の演技なくしてこのお芝居の良さは語れないのではないでしょうか。そして、新妻聖子さん。彼女のお芝居も観る度に進化していくように思うのは、僕が彼女のファンだからでしょうか?彼女がセリフを話す時は心なしか力が入りすぎてしまうように思うのですが、今回は、その点も自然に近くなってきて、ぶっきらぼうではあるけれども本当は優しい看護師、光岡という難しく大切な役を好演していました。

劇中、とても素敵なセリフがありました。大貫が浅野医師からパコの障害のことを聞いて号泣する場面です。記憶だけで書いているので正確ではないかもしれませんが…

大貫「先生、教えてくれ。これ(涙)はどうしたら止まるんだ。子供のときから泣いたことがなかったから、どうしたら止まるか、わからんのだ。」

浅野「簡単です。たくさん泣けばいいんです。」

このお芝居、DVDも発売されるとのことですが、楽しみです。

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2008年3月 2日 (日)

名作、“放浪記”を観る

053 シアタークリエで“放浪記”を観てきました。主役の林芙美子には森光子さん、彼女と競う詩人であり、作家でもある日夏京子に黒柳徹子さん、芙美子を姉のように慕うカフェの女給悠起に有森也美さん、芙美子の詩人仲間で人の良い白坂五郎に米倉斉加年さん、芙美子と同棲する詩人、福地貢には大出俊さん、芙美子に嫌われながらも生涯彼女を愛し続ける安岡信雄に山本學さん、芙美子の最初の恋人である香取恭助に中島久之さん、菊田一夫に斎藤晴彦さん、といったところが主なキャストで054 す。

物語は、大正13年、本郷の下宿、大和館から始まります。生活のためにカフェの女給をやっている芙美子は普段より早く帰ってきたのですが、そこに同棲している俳優の伊達晴彦が恋人を連れて帰ってきます。芙美子は押入れに隠れますが、やがて別れる決心をします。林芙美子の愛と別れと波乱に満ちた半生が描かれます。

47年間にわたって上演され続けているだけあって、やはり素晴らしいお芝居だと思います。森光子さんと脇を固める上記のようなベテランの名優達が、実に良いお芝居を見せてくれました。笑いあり、涙ありで、5幕もののお芝居という長さを感じさせませんでした。僕は、特に、第三幕で、尾道に帰った芙美子が、行商人親子を見て自分の子供時代を思い出し、親子を自宅に上げてご飯をふるまってあげるシーンと初めての恋人と別れた後の芙美子が一人彼を見送るシーンが好きです。

森光子さんの舞台を初めて観ました。やはり、名優です。林芙美子の情感が客席にしみじみと伝わってきていました。ただ、率直に言って、やはり20代・30代の女性を演ずるには少々無理があるのでは、と思います。もちろん、20代の女性の哀しみや喜びはしっかりと表現されており、だからこそ観客(僕も含めて)が笑い、涙を流すわけです。しかし、20代の女性そのものを演ずるにはやはり年齢的・肉体的な限界はあるのではないか、と考えてしまいました。もっとも、これは森光子さんが名優であるということを否定するものではありません。むしろ、森光子さんの年齢を考えると、このお芝居を演ずるということは凄いことだと思います。ただ、誰にでも(俳優さんたちに限らず)年齢的な限界というものがやってくるのだな、ということ考えさせられたのです。

観劇当日は菊田一夫氏のお誕生日で生誕100周年にあたる日だったそうで、終演後に森光子さんによるご挨拶がありました。森光子さん自身も感極まってしまう時もあり、感動的なスピーチでした。

シアタークリエには初めて行きましたが、新しいこともあり、きれいで、観やすい劇場です。ただ、ロビーでトイレの案内や売店などの呼び込みの係りの人たちの声が大きく、同じ場所で飲み物を飲んでいた僕には少し落ち着かない感じがしました。

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2008年2月24日 (日)

シャンソンバーで“ミュージカルナイト”

銀座4丁目に“ボンボン”というシャンソンバーがあります。小さな、そして、アットホームな雰囲気のバーです。ここでは、マスターの福浦光洋さん(津軽弁のシャンソンも味があって素敵です。)や珠木美甫さんをはじめとして、ゲストのシャンソン歌手の皆さんの素敵なシャンソンを、お酒を飲みながら、聴くことができます。

そんなボンボンで“ミュージカル・ナイト”と称して、naomiさんと安福毅さんのライブが行われました。お二人の歌を聴くのは初めてでしたが、“ミュージカル”の名前に惹かれて行ってみました。アニエス晶子さんの素敵なピアノ伴奏でお二人の迫力ある歌声を堪能した一晩でした。naomiさんは、“その目に”(“ジキル&ハイド”-本当は、ルーシーとエマのデュエットですが、naomiさんは全部一人で歌っていました。)、“メモリー”(“キャッツ”)などの美しい歌い上げる曲はもちろんですが、“Naughty Baby”(“クレイジー・フォー・ユー”)等の曲もなかなか味のある歌い方で、聞かせてくれました。安福さんは“What I Do for Love-愛した日々に悔いはない”(“コーラスライン”)や“Seasons of Love”(“レント”)等のミュージカルナンバーだけでなく“ヘイ・ジュード”や“千の風になって”等をその伸びのある声で歌ってくれました。また、お二人で歌ってくれた、“汽車の中で”(“アスペクツ・オブ・ラブ”)や“TangoMaureen”(“レント”)等も思わず聞き入ってしまいました。また、お二人のオリジナル曲の“雪月花”(naomiさん)、“星をみて”も素敵な歌でした。

寒い冬の夜の素敵なひと時でした。

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2008年1月 6日 (日)

魅惑のスタンダード・ポップス

今日は、目黒にあるBlues Alley Japanというライブハウスで行われたある番組の公開収録に行ってきました。番組の名前は“魅惑のスタンダード・ポップス”というNHKBS2の番組です。出演は、ミッキー・カーチスさん、ささきいさおさん、田辺靖男さん、Rag Fair、渡辺真知子さん、森口博子さん、Runaさん、などなどです。そして、司会は井上順さんと新妻聖子さんでした。エルビス・プレスリーの曲をはじめとする1950年代、60年代のポップスが次々に歌われて、とても楽しい番組です。どれも素晴らしい歌でしたが、特に、ミッキー・カーチスさんの歌った“テネシー・ワルツ”は圧巻です。これを聞くだけでも番組を見る価値があると言っても過言ではありません。新妻さんは、司会は今回が初めての経験ということでしたが、特に後半は落ち着いて素敵な司会ぶりでした。

この番組、119日(土)20002130までNHKBS2で放映予定です。皆さん、ぜひご覧ください。

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2007年11月 4日 (日)

散歩道楽という劇団の家族愛

新宿にあるサンモールスタジオで、散歩道楽という劇団の“西国分寺物語”というお芝居を観てきました。突然父親を失った家族の喪失感と再生の物語です。父親に名取幸政、母親に山本与志恵、長男に前田こうしん、長女にザンヨウコ、次男に郷志郎、次女に石川美帆、祖母と父親の姪に辻川幸代、長男の妻に竹原千恵、長女の恋人に斉藤佑介、近所の住人コンちゃんに菊池美里、同じく篠田に山本珠乃、父親のかつての教え子山田に天野幹也、同じく野々村に鉄炮塚雅代といったキャスティングでした。

頑固な元教師の父親が突然自宅で殺されてしまいます。大きな喪失感と父親の死は自分のせいではないかとなやむそれぞれの家族。その中で、母親が近所のマンションの建設の反対運動に参加していきます。その行動は常軌を逸していきます。その理由が分からず家族は皆とまどうのですが、やがて、その理由が明らかに…そのマンションが建ってしまうと、父親が「あのホテルの屋上のチャペルからなら自分が生まれ育った家が見れるから長女の結婚式を挙げたい」と言っていたホテルから自宅が見えなくなってしまうという理由だったということが分かり、家族たちは…

全体的に軽妙なタッチでコメディの雰囲気で展開していきますが、しかし、テーマは人間の家族愛と喪失感。かなり重いはずですが、でもコメディタッチのせいかとても楽しめます。ほろっとしたり、感動したり、とても素敵なお芝居だったと思います。小劇団にありがちな「私たちはこれだけ頑張っています」というような自己満足も伝わってこず、ついお芝居にのめり込んでしまいました。2時間で休憩なしということだったので、どうなることかと思いましたが、最後まで楽しめました。でも、普通は人間の集中力には限度があります。2時間で休憩なしというのは少し辛いかもしれませんね。

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2007年10月23日 (火)

秋の“真夏座”公演

037 銀座のみゆき館劇場という小さな劇場で、真夏座第112回公演を観てきました。演目は“留守”と“世帯休業”です。どちらも岸田國士の作品です。“留守”はお八重さんには河野智香さん、おしまさんに山本万里さん、八百屋さんには篠塚直弘さんという配役でした。そして、“世帯休業”の出演者は、夫役には羽藤雄次さん、妻役には岩崎幸代さん、下宿人の詩人には池田一臣さん、妻の母役には斎藤智子さん、詩人に言い寄られる若い女鴨子には佐野陽子さん、夫の友人茶木には高藤香織さんでした。

“留守”は、女中お八重が主人夫婦の留守中に隣家の女中のおしまを家に上げて、お茶を飲みながら四方山話をやっていったところ、お八重の秘密(この家の主人との不倫?)が明らかになりそうになってしまいます。そこに八百屋の御用聞きがやってきて話に加わり、ややこしい展開になってしまいますが、最後は仲良く3人で海苔巻き寿司をほおばるというお話です。この話も悪くはありませんでしたが、“世帯休業”がなかなか面白かったので、こちらのお芝居のお話をします。

このお芝居は、倦怠期を迎えた夫婦が、新鮮な想いを取り戻すために一週間だけ夫婦であることを止めよう(“休業しよう”)という約束を取り交わし、各々、好きなことをやろうとします。しかし、下宿人である詩人や夫や妻の友人、妻の母親等が絡んで様々な騒動が起きます。果ては、妻が伯父の遺産を相続するという話も出て、夫婦は取らぬ狸の皮算用とばかりに、「お金をもらったらどうするか」等を話し合ったりしてしまいます。(結局、伯父さんは呆けていて、誰にでもこういう話をしていることが明らかになってしまいますが…)こういう騒ぎの中で、夫婦は“休業”してみたり、また、夫婦に戻ってみたりを忙しく繰り返す…というコミカルなお芝居です。岩崎幸代さんのテンポの良いお芝居を夫役の羽藤さんがふわっと受け止めているような感じが、観ていてとても良かったように思います。特に、岩崎さんの妻は、悪口を言いながらも本当は夫が大好きな可愛い妻のように感じました。

この2作品は、昭和初期の作品です。こういうお芝居や小津安二郎の映画を観るといつも思うのですが、昔の人は-普通の人でも-とても綺麗な日本語を話していたのですねぇ。

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2007年10月 8日 (月)

劇団6番シード“ミキシングレディオ”を観る

昨日、107日、池袋のシアターグリーンに劇団6番シードの第33回公演、“ミキシングレディオ”(R side)を観てきました。小さな劇団ながら、なかなか熱気もあり、しかし、熱気だけでなく、とても面白く、テンポもよく、しかし、少しホロリとさせる芝居でありました。

生放送の深夜番組のラジオ局のスタジオ。いつものように放送の準備をするDJの秋山真希(宮岡あづさ)と放送作家(鈴木智晴)やスタッフ達。しかし、そこにこの放送のディレクターが交通事故にあって病院に運ばれたという知らせが。ここから歯車が狂い始め、番組は、通常では想像できないようなハプニングが続きます。聴取率調査の日だからとアイドルをゲストに呼べば、その狂信的な(?)ファンが乱入、アイドルの秘密を暴いてしまいます。この騒ぎに乗せられたかのように、番組のスタッフが一騒ぎ。それがようやく収まって、通常のペースに戻れるかと思ったのもつかの間、今度はリスナーの電話人生相談に自殺予告が!こんなとんでもないことが次々と起こるのに、DJの秋山真紀は矢継ぎ早に発生するハプニングにあきれ、怒り、頭を抱えながらも、なんとか処理して番組を進行していきます。(このプロ根性!!)彼女の番組への愛情とプロ意識が、観客の笑いを誘い、そして、涙をさそいます。秋山真紀役の宮岡あづささんはこの根性のすわった、姉御肌のDJ秋山真紀を好演していました。また、道路交通情報センターの成瀬さん役の佐藤紗子さんもとぼけた味でとてもよかったと思います。

開演前は2時間20分の長丁場を休憩なしに演ずるというので、退屈するかなと思いましたが、テンポ良く、それが長く感じられない舞台でした。

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2007年10月 7日 (日)

新妻聖子さんのセカンドライブ

昨日は、青山にある草月ホールで、ミュージカル女優の新妻聖子さんのライブに行ってきました。2006年の2月にファーストライブがあって以来のセカンドライブでした。曲目は、第一部が“煌めきの未来へ”“音楽はぼく”“100万のキャンドル”“夢の翼”“Go the Distance”“あの人の手紙”“命をあげよう”“Time To Say Good Bye”そして、第二部が“It’s all coming back to me now”“会いたい”“ともにいてアルゼンティーナ”“青いカモメ”“I’m Every Woman”“うちへ”“愛をとめないで~Always Loving You~”。アンコールに“Light in the Piazza”“道化師のソネット”“糸”と、色々なジャンルの歌が楽しめました。

ライブで聞くと、あらためて「新妻さんの声には力があるのだなぁ」と思いました。僕は、どちらかといえば、やはり彼女の歌うミュージカルのナンバーが好きです。特に、というか、やはり、というか、ミス・サイゴンの“命をあげよう”は、彼女自身も感情移入をしてしまうと語っていましたが、その彼女の気持ちがこちらにも伝わってきました。あの歌の時には、彼女は新妻聖子ではなく、キムとなって、幼子タムに歌っていたのだと思います。また、一部の最後の“Time To Say good Bye”には圧倒されました。第二部の“ともにいてアルゼンティーナ”も素敵でした。劇団四季の井上智恵さんとはまた一味違ったエビータでした。アンコールの“Light in the Piazza”は12月に出演予定の同名のミュージカルのナンバーですが、これもきれいな歌で、12月の舞台が楽しみです。前日のライブで歌われたというアイーダの“迷いつつ”も聞いてみたかったなぁと思います。

彼女の歌である“愛をとめないで~Always Loving You~”もとても良い歌です。彼女の歌声にもピッタリなのではないでしょうか?ポルトガルのファドやフォークソングがあったり、でも、それがオリジナルのコピーではなく、彼女の歌になっていて、彼女の別の魅力を発見したようなひと時でした。

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2007年9月 2日 (日)

6週間の…

今日は博品館で“6週間のダンスレッスン”を観てきました。出演は草笛光子さんと今村ねずみさん。今日が千秋楽でした。ダンスを習おうとする老婦人とダンスのインストラクターが初めは互いに反発しながらも、ダンスを通して、互いに気持ちを通わせあっていき、お互いの心の傷を告白する。そこにはそれぞれの人生の苦悩があるのですが、それを知ったことによってさらに結びつきが強くなるという、コメディータッチでありながら、しみじみとした佳作でした。特に、老いることへの孤独・不安を草笛さんが好演していました。

老いていく女性の孤独や寂しさが中心のお芝居で、それだけに女性のお客さんがとても多かったのですが、男の僕にも久しぶりに“生きる”ということに静かに思いを馳せさせてくれた作品でした。

今日は、特に予定していたわけではなかったので、当日券。今日が千秋楽ということもあり、チケットは完売でしたので、立見席で観ていました。立見席でお芝居を観るというのは今回が初体験でありました。

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2007年6月 3日 (日)

下町の庶民の人情が…

昨日、文京区シビックホールの小ホールで、現代劇センター“真夏座”の第111回公演を見てきました。長谷川伸原作の「江戸の虎退治」と「掏摸の家」の2作品です。いずれも庶民の人情を描いた作品で、特に、「掏摸の家」は印象に残るお芝居でした。東京の下町に 住む職人気質のスリとそのスリに惚れきっている女房を中心に物語は進みます。久々の仕事にうな丼の上を食べようと浮かれますが、スリを働いた相手の窮状を知ると、逆にその相手を助けようと全財産を投げ出して夜逃げをしなければならなくなってしまう、そんな少々短気で人の良いスリとその女房にホロリとさせられます。今はもう人々が失くしてしまったかもしれない“こころ”を感じさせてくれるお芝居でした。

たまには、こんなお芝居もいいかも…

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2007年6月 2日 (土)

ホリプロお笑いジェンヌライブ

表参道でお笑いライブに行ってきました。“ホリプロお笑いジェンヌライブ”というホリプロ所属の女性のお笑い芸人さん達のライブでした。お笑いのライブは初めての体験。テレビでしか見たことがありませんし、まあ、正直言ってあまり関心がありませんでした。だから、全員一度も見たこと無し。正直のところ、あまり期待せずに行きました。結果は…なかなか面白かった。かなり笑えました。中には、勢いだけでやっていてから回りという人もいたけれど、なかなか本格的なコントもありました。

中でも、金魚ばちのコントはなかなか面白かったと思います。動きの面白さで笑いをとるのではなく、ネタできちんと勝負していこうという誠実さを感じさせます。“お天気お姉さん”と“おセンチお姉さん”とかけて言葉遊びから始まり、お天気お姉さんが実は失恋したばかりで、その心象風景を天気模様にかけて語っていくという、ネタとしては目新しいものでも奇抜なものでもないと思いますが、笑えました。キャスター役の“静”とお天気お姉さん役の“動”のコントラストも良かったのかもしれません。

最後の出演者全員の合同コント“雨やどり”も面白かった。

“お笑い”を少し見直した夜でした。

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2007年5月30日 (水)

“解ってたまるか!”-う~ん、よく解らない

昨日、529日に、自由劇場で“解ってたまるか!”を観てきました。1968年に、犯人が静岡県の旅館に宿泊客を人質にしてライフルとダイナマイトを持って立て篭もったいわゆる“金嬉老事件”をモチーフにした福田恆存作の戯曲です。ダイナマイトを投げつけ、時にライフルを撃ちまくる犯人村木に迎合する新聞。社会の公器といいながら、一方で、特ダネを得ようと血眼になる記者たち。そして、同様に村木に迎合して、一様に、彼の心情を理解したかのように吹聴する“文化人”たち。彼らに次々に痛烈な皮肉を浴びせて、やっつけていく。そのシーンは確かに面白く、似非文化人たちの欺瞞を暴きだして、痛快な感じがしました。

けれども、全体としては、あまり楽しめたとは言えませんでした。それにダンスの名手である加藤敬二さんが出ずっぱりで出ているのに、ダンスを全く見れないことももったいない気がします。どうも劇団四季のストレート・プレイで、「あ~ぁ、面白かった」という経験ができず、残念です。

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2007年5月10日 (木)

オンディーヌ

今日、自由劇場で“オンディーヌ”を観てきました。フランスのジャン・ジロドゥ作の幻想的なストレート・プレイです。水の精であるオンディーヌは遍歴の騎士ハンスに人目で恋に落ちてしまいます。しかし、水界の王は、人間の世界に行くのならば、「もしオンディーヌが裏切られたら、ハンスは死に、オンディーヌは記憶を全て失ってしまう」という約束をさせられます。オンディーヌとめでたく結婚したハンスではありますが、ハンスはやがて元の婚約者のベルタのもとに…

主演の水の精オンディーヌには野村玲子さん。騎士ハンスには石丸幹二さん。水界の王に日下武史さん、ベルタに坂本里咲さん。石丸さんは相変わらず、整ったお顔で、男の僕が見ても美しいと思ってしまいます。また、坂本さんは、“壁抜け男”以来でしたが、とても素敵で、凛としたベルタを好演していました。

それにしても、このお芝居。どうも僕には合わないようです。どうもいけません。自由劇場は比較的好きな劇場なんですけれど…

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2007年3月21日 (水)

今度は落語の初体験

今日、池袋演芸場に柳家小里ん師匠の独演会を聞きに行ってきました。落語をライブで聞くのは生まれて初めてでした。最初は前座の女性落語家、助演の柳家鱗太郎さんの後に、小里ん師匠の登場です。最初の演目(というのかどうかよくわかりませんが)は“花見の仇討”。花見の余興に仇討を演じて、衆目の注目を浴びようとする長屋の住人3人が、手違いがあったり、本物の助太刀があらわれたりして、冗談が冗談で無くなり命からがら逃げ出してしまうというお話です。休憩を挟んでの次なる演目は、“明烏”。堅物の跡取り息子に少し幅を持たせようと、町内の遊び人二人に息子を吉原に連れて行ってくれと頼む父親。この父親の意を受けて、堅物の息子を、「お稲荷さんに行こう」とだまして吉原に連れ出すものの、「こんな悪所にはいたくない」と泣き出す息子。そんな息子を、無理やり寝室に放り込んでみると…というお話でした。

いつも見ているミュージカルや芝居と違い、舞台装置も音楽も無い高座で、表情と仕草はあるものの、小里ん師匠は、話芸ひとつで江戸の長屋や郭の世界を生き生きと客の前に活写していきます。演芸場全体が、師匠の話術によって、長屋になり、桜が満開の上野のお山になり、また、吉原の郭に変わります。そして、その中で、観客は、心の底から笑い転げます(人間って、当人が真面目であればあるほど、はたから見ると面白いんですね)。僕がいつも見て馴染んでいる演劇の世界とはまた別の、しかしおもしろい世界がそこには広がっていました。

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2007年3月18日 (日)

フラメンコ初体験

昨日(317日)、オーチャードホールで、アントニオ・ガデス舞踊団の“カルメン”を観てきました。本格的なフランメンコを観るのは初めての体験です。開演から最後の幕が下りるまでずっと舞台に引き込まれてしまいました。

音楽は、ビゼーのオペラ“カルメン”(録音)と生演奏のギターと歌です。最初はビゼーのカルメンの前奏曲から始まります。舞台では、ダンサーたちが練習をしています。そしていつのまにかカルメンの世界へ。舞台で歌われる歌はどこか土の香りがし、また、哀切に満ちています。しかし、ギターは激しいリズムをきざみます。赤いドレスを身にまとったカルメンを演じるのはステラ・アラウソ。彼女の踊りは、情熱的で、そして官能的です。特に、ドン・ホセ役のアドリアン・ガリアとのデュエットではカルメンの熱情と官能がほとばしり出るような踊りでした。カルメンを愛するあまりにドン・ホセは軍人としての自分の将来を捨て、カルメンの夫を殺し、そして最後は他の男に走ろうとするカルメンをも殺してしまいます。このカルメンに翻弄される破滅的な情熱をアドリアン・ガリアは見事に踊りきっていました。さらに付け加えるならば、カルメンが惚れてしまう闘牛士(アントニオ・イダルゴ)がカッコいいのです。まず姿が良い。そして、男の色気をムンムンと発して、これならカルメンもなびくだろうな、というものでした。最後に、ドン・ホセのナイフに貫かれた後に崩れ落ちるカルメンの姿がとても美しかったのです。

フラメンコの真髄に触れたように感じたひと時でした。

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2007年2月 4日 (日)

月面半魚人

今日は、池袋の東京芸術劇場小ホール1に、宇宙食堂という劇団の“月面半魚人”を観てきました。この劇団についての予備知識が全くなかったので、小劇団系の独りよがりのお芝居とあまり期待せずに行ったのです…予想に反し、なかなか良いお芝居でした。2069年という未来のお話で、月で生まれてとても純真な心を持ったルナという少女が地球人であるワタルに恋をして、自らの命を削って彼に会い、最後には、彼と月に住む人々を救うために、テロリストが月面空港に衝突させようとしている人工衛星に自ら飛び込み命を絶つというストーリー。舞台が月である事を除けば、「愛する人のために、あるいは他者のために自らを犠牲にするものの美しさ」とはよくあるストーリーではありますが、少し笑わせて、そして最後はホロリとさせるお芝居でした。コミカルなところは少し空回りという感じがしなくはなかったけれど、舞台に熱気が感じられました。

メジャーな劇団に比べると、舞台も手作り感一杯で、また、テクニックも完成度といった点では敵うべくもありませんが、役者さん達の熱気と熱意がそのまま観客席に伝わるお芝居に好感が持てました。久しぶりにこのようなお芝居を観たような気がします。

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