誰もが通ってきたみち-“春のめざめ”を観る
自由劇場で、劇団四季の“春のめざめ”を観てきました。キャストは、ベンドラに林香純さん、メルヒオールに柿澤勇人さん,マルタに撫佐仁美さん、モリッツに三雲肇さん、テーアに浦壁多恵さん、ハンシェンに一和洋輔さん、アンナに松田祐子さん、エルンストに竹内一樹さん、イルゼに石塚智子さん、ゲオルグに白瀬英典さん、オットーに玉井晴章さん、大人の女性に都築香弥子さん、大人の男性に志村要さん、女性アンサンブルに岸本美香さん、有村弥希子さん、男性アンサンブルに加藤迪さん、南晶人さん、でした。
誰もが経験するであろう思春期のあのもやもやとした思い。自分でコントロールしきれないほど体の奥底から湧き上がってくるマグマのようなエネルギー。成長と幼さのアンバランス…そしてかつて同じような思いを経験してきたであろうにもかかわらず、すっかりそれを忘れてしまい、既成の秩序やルールを押し付けようとする大人たち。その大人たちに対する怒り、あきらめ。思春期の様々な問題が大人たちの無理解によってさらに大きな悲劇が生まれていく。時代と国・人種を超えた共通した永遠のテーマをこのミュージカルは取り上げています。
先ず、このミュージカルは音楽が素晴らしい。音楽を担当したダンカン・シー
ク(Duncan Sheik)はこの作品でトニー賞の最優秀オーケストレーション・最優秀スコア賞を獲得していますが、ロック調の音楽がこの作品の雰囲気にぴったりです。“からだの声(The Word of Body)”とか“きっと愛が(I Believe)”、“青い風(Blue Wind)”や“明日へ(The Song of Purple Summer)”が好きです。
ストーリーは、SEX、妊娠、世代対立、退学、自殺、性的虐待、同性愛等の問題が、次々と発生して、めまぐるしいストーリー展開はひところの民放某局の昼帯メロドラマをちょっぴり思い起こしたりしないではありませんが、何より嬉しかったのは、劇団四季の若手俳優さんたちが大健闘していたことです。最近、看板・中堅の俳優さんの退団が続いているようですが、若い芽もしっかりと育っているのだな、と思いました。
このミュージカルは、ステージ・シートがあります。これも楽しそうです。
☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…
時は19世紀末、場所はドイツ。思春期の子供達は、教師達から画一的な価値観をおしつけられるような学校生活を送りつつ、閉塞間の中で、自分の体や気持ちに対する戸惑いを感じながら暮らしていました。
ベンドラもそのような子供達の一人。次第に成長していく自分の体に戸惑いを隠せません。お姉さんに二人目の子供が生まれたと聞いて、母親に子供はどうして生まれてくるのか聞きますが、母親ははぐらかして教えてくれません。
メルヒオールは教師の話したこと、教科書に書いてあることをただ覚えるように要求されるような学校の授業に疑問を持っています。ある日、学校でこのことを教師に話して、体罰を受けます。
ベンドラとメルヒオールは幼なじみです。ある日、偶然に森で出会った二人は話すうちにお互いに淡い気持ちを持ち合うようになります。
モリッツは性的な悪夢に悩まされていて勉強に集中できません。成績も落下の一方。ついに学校の教師から、学校の評判を落とすと言う名目で退学を言い渡されてしまいます。
父親による虐待に悩むマルタ。そして同性の友人オットーを愛してしまうハンシェン…
これらの若者の群像を中心に様々な問題が展開していきます。
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