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2009年6月

2009年6月28日 (日)

名優の一世一代の演技に酔う-六月大歌舞伎を観る

P6141188 少し前の話になりますが、歌舞伎座さよなら公演、六月大歌舞伎の昼の部を観てきました。普段は、歌舞伎座での観劇は一幕見席と決めているのですが、今回は、仁左衛門丈の女殺油地獄の一世一代の演技ということでしたので、一等席で観ることにしました。仁左衛門丈のファンのMさんにチケットを取っていただいたので、とても良い席で観ることができました。演目と主な配役は…

正札附根元草摺は、曽我五郎時致に尾上松緑丈、小林妹舞鶴に中村魁春丈。双蝶々P6141189 曲輪日記は、濡髪長五郎に松本幸四郎丈、放駒長吉に中村吉衛門丈、山崎屋与五郎に市川染五郎丈、藤屋吾妻に中村芝翫丈。蝶の道行は、助国に中村梅玉丈、小槇に中村福助丈。女殺油地獄は、河内屋与兵衛に片岡仁左衛門丈、豊嶋屋七左衛門に中村梅玉丈、芸者小菊に片岡秀太郎丈、山本森右衛門に坂東彌十郎丈、お吉に片岡孝太郎丈、河内屋徳兵衛に中村歌六丈、おさわに片岡秀太郎丈、おかちに中村梅枝丈、です。

P6141193 どの演目も素晴らしいものでした。特に、双蝶々曲輪日記は、幸四郎丈と吉衛門丈のやり取りは大変面白く見ごたえがありましたし、染五郎丈も美しい、しかし、どこか頼りなげな与五郎を好演でした。また蝶の道行も開幕直後は暗くなった舞台を妖しく光る蝶々が舞うという幻想的な演出とともに福助丈の小槇が美しく、そして、切なく哀しかったのです。しかし、何と言っても、六月の歌舞伎座は、仁左衛門丈の与兵衛に尽きるのではないでしょうか?名優が一世一代と銘打って演ずる、見納めの仁左衛門丈の与兵衛です。

仁左衛門丈による前半の与兵衛は人の良さと頼りなさがよく出ています。これまP6141195 での積み重なる不品行によって遂に与兵衛が勘当されて家から追い出されてしまう、この場面も見せ場の一つではないでしょうか?親の心、子知らずとばかり、自棄を起こして飛び出してしまう与兵衛。しかし、その心は頼りなく、家には戻りたい、されど、潔くこれまでの不孝を詫びて家業に励むというような覚悟もない。家の方向を未練タップリに振り返りながら、花道を引き上げていく与兵衛の表情がとても良かったです。また、その様子を見ながら、徳兵衛が、与兵衛が先代と生き写しであり先代を追い出すようだ、と嘆き悲しむのですが、この姿がまた良かった。また、与兵衛が家を出た後に、母親のおさわと父親の徳兵衛が、お吉にお金を託しに別々に出かけてきて、お吉宅でばったり出会う場面もとても好きな場面です。親の情愛が溢れていながら、それをあまりに表に出さずにしようという二人の気持ちが伝わってくる場面で、涙を誘います。そして、いよいよ殺しの場面。借金をお吉に断られた与兵衛の表情にやがて邪悪が支配していきます。殺すか殺さざるかの葛藤、苦しみ…しかし、やがて表情が切羽詰っていきます。このあたりの表情の変化が素晴らしい。そして、お吉殺害。油まみれになって、すべり転びながらお吉を追い回してその体を刀で何度も差していく与兵衛の姿は、時に滑稽ではありますが、しかしその場を支配するのは凄惨な空気です。ようやくの思いでお吉を殺して花道を引き上げていく与兵衛の姿もとても印象に残る演技でした。まさに“一世一代”の舞台にふさわしい仁左衛門丈の演技でありました。

一幕見席で観ていたときは気がつきませんでしたが、やはり歌舞伎座の場内は華やかです。和服姿の女性も多いし、玄人筋だな、と思われる人もぽつぽつと見かけたりして、豪華な雰囲気を楽しみました。

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2009年6月27日 (土)

目黒にて楽しい宵が更けていく-ライブ“私たちの同窓会”

目黒のライブハウス“音の箱”で開かれた、吉岡小鼓音さん、naomiさん、広瀬真弓さんのライブ“私たちの同窓会”に行ってきました。3人は劇団四季の同期生。入団して今年で20周年の記念のライブです。ピアノ伴奏は、いつも素敵な演奏を聞かせてくれるアニエス晶子さん。3部構成で、第一ステージは「再会」、第二ステージは「追憶」、第三ステージは「未来」というテーマです。僕は、少し遅刻して第一ステージの途中から聞きました。

プログラムは、第一ステージは、“さんぽ~となりのトトロ”(吉岡小鼓音、広瀬真弓、naomi

)、“それぞれのテーブル”(naomi)、“Goody-Goody”(naomi)、“素敵な友達”(“人間になりたかった猫”より/吉岡小鼓音)、“時満ちて 光臨”(“美少女戦士セーラームーン~永遠伝説”より/吉岡小鼓音)、“部屋とYシャツと私”(広瀬真弓)、“我が麗しき恋物語”(広瀬真弓)、“シェルブールの雨傘”(広瀬真弓、naomi)。第二ステージは、“The Real American Folk Song”(“クレイジー・フォー・ユー”より/吉岡小鼓音、広瀬真弓、naomi)、“Yesterday Once More”(naomi)、“Angel Of Music”(“オペラ座の怪人”より/吉岡小鼓音、広瀬真弓)、“Think Of Me (“オペラ座の怪人”より/吉岡小鼓音)、“Memory”(“キャッツ”より/広瀬真弓)、“As If We Never Said Good-bye”(“サンセット・ブルーバード”より/naomi、訳詞:naomi)、“Mister Snow”(“回転木馬”より/吉岡小鼓音)。第三ステージは、“Over The Rainbow”(“オズの魔法使い”より/吉岡小鼓音)、“いつも何度でも”(“千と千尋の神隠し”より/吉岡小鼓音、naomi)、“I Move On”(“シカゴ”より/naomi、訳詞:naomi)“Unexpected Song「あなたのセンター」”(“ソング&ダンス”より/広瀬真弓、訳詞:広瀬真弓)、“糸”(広瀬真弓)、“Tomorrow”(“アニー”より/naomi)、“New York New York”(“New York  New York”より/吉岡小鼓音)、“愛をありがとう”(“夢から醒めた夢”より/吉岡小鼓音、広瀬真弓、naomi)でした。

どれが良かった、と数曲を選ぶことが不可能なくらい、全てが素敵でした。強いてあげるならば、第二ステージは本当に凄かった。何しろ、吉岡さんは四季の舞台でクリスティーヌを、帝劇でキャリーを実際に演じていたのだし、広瀬さんはグリザベラを演じていたのですから…特に、“Memory”は、吉岡さんがシラバブ役で加わり、とても感動的で、思わず涙が出てきてしまいました。また、オペラ座の怪人のナンバーの際には、三人と同期の松川裕さんがピアノ伴奏とラウル役で参加。吉岡さんもクリスティーヌが舞台で“Think Of Me”を歌うときにきる衣装とそっくりの衣装で登場。しばし、ファントムの世界に酔いました。naomiさんの“As If We Never Said Good-bye”もとても聴かせる歌でした。“I Move On”も良かったなぁ。また、同期の3人の(松川さんを入れて4人の)仲の良い雰囲気も観客席に伝わってきて、とても良い空気が漂っていました。

最初から最後まで、思わず舞台に引き込まれるような、本物を堪能したひと時でした。

この間のパーティのお仲間も多数ライブに来ていて、ライブ終了後も短時間でしたが、吉岡さん、広瀬さん、naomiさんとともに盛り上がり、楽しい夜は更けていきました。

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2009年6月20日 (土)

誰もが通ってきたみち-“春のめざめ”を観る

P6131182 自由劇場で、劇団四季の“春のめざめ”を観てきました。キャストは、ベンドラに林香純さん、メルヒオールに柿澤勇人さん,マルタに撫佐仁美さん、モリッツに三雲肇さん、テーアに浦壁多恵さん、ハンシェンに一和洋輔さん、アンナに松田祐子さん、エルンストに竹内一樹さん、イルゼに石塚智子さん、ゲオルグに白瀬英典さん、オットーに玉井晴章さん、大人の女性に都築香弥子さん、大人の男性に志村要さん、女性アンサンブルに岸本美香さん、有村弥希子さん、男性アンサンブルに加藤迪さん、南晶人さん、でした。

誰もが経験するであろう思春期のあのもやもやとした思い。自分でコントロールしきれないほど体の奥底から湧き上がってくるマグマのようなエネルギー。成長と幼さのアンバランス…そしてかつて同じような思いを経験してきたであろうにもかかわらず、すっかりそれを忘れてしまい、既成の秩序やルールを押し付けようとする大人たち。その大人たちに対する怒り、あきらめ。思春期の様々な問題が大人たちの無理解によってさらに大きな悲劇が生まれていく。時代と国・人種を超えた共通した永遠のテーマをこのミュージカルは取り上げています。

先ず、このミュージカルは音楽が素晴らしい。音楽を担当したダンカン・シーP6131184 ク(Duncan Sheik)はこの作品でトニー賞の最優秀オーケストレーション・最優秀スコア賞を獲得していますが、ロック調の音楽がこの作品の雰囲気にぴったりです。“からだの声(The Word of Body)”とか“きっと愛が(I Believe)”、“青い風(Blue Wind)”や“明日へ(The Song of Purple Summer)”が好きです。

P6131181 ストーリーは、SEX、妊娠、世代対立、退学、自殺、性的虐待、同性愛等の問題が、次々と発生して、めまぐるしいストーリー展開はひところの民放某局の昼帯メロドラマをちょっぴり思い起こしたりしないではありませんが、何より嬉しかったのは、劇団四季の若手俳優さんたちが大健闘していたことです。最近、看板・中堅の俳優さんの退団が続いているようですが、若い芽もしっかりと育っているのだな、と思いました。

このミュージカルは、ステージ・シートがあります。これも楽しそうです。

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

時は19世紀末、場所はドイツ。思春期の子供達は、教師達から画一的な価値観をおしつけられるような学校生活を送りつつ、閉塞間の中で、自分の体や気持ちに対する戸惑いを感じながら暮らしていました。

ベンドラもそのような子供達の一人。次第に成長していく自分の体に戸惑いを隠せません。お姉さんに二人目の子供が生まれたと聞いて、母親に子供はどうして生まれてくるのか聞きますが、母親ははぐらかして教えてくれません。

メルヒオールは教師の話したこと、教科書に書いてあることをただ覚えるように要求されるような学校の授業に疑問を持っています。ある日、学校でこのことを教師に話して、体罰を受けます。

ベンドラとメルヒオールは幼なじみです。ある日、偶然に森で出会った二人は話すうちにお互いに淡い気持ちを持ち合うようになります。

モリッツは性的な悪夢に悩まされていて勉強に集中できません。成績も落下の一方。ついに学校の教師から、学校の評判を落とすと言う名目で退学を言い渡されてしまいます。

父親による虐待に悩むマルタ。そして同性の友人オットーを愛してしまうハンシェン…

これらの若者の群像を中心に様々な問題が展開していきます。

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2009年6月 8日 (月)

人間が見るものって…

劇団四季の“李香蘭”が始まりました。昭和3部作は僕も好きな作品です。作者のメッセージ性が強すぎる(簡単に言ってしまうと、お説教くさい?)と言う点が気にならないわけではありませんが、ミュージカルとしてもとても良くできた作品だと思います。というわけで、早速、3部作のDVDを買ったわけですが…

DVDを観ていると、「へぇ~、こんな場面もあったんだ」と思うことが案外多いのです。DVDのカメラワークはおそらく大多数の平均的な目線なのであろうと思います。ところが、僕の記憶に残っている場面とはかなり違う感じなのです。特に“異国の丘”が…

考えてみると、“異国の丘”で佐渡寧子さんが主演した時は、僕は佐渡さんの動きをひたすら追うわけで、だから、視線は当然舞台全体の流れと関係なく、佐渡さんのいるところだけを見ているのかもしれません。僕自身は全然意識していないのですけれど。

こういうことって、ひょっとしたら、お芝居に限ったことではないのかもしれないな、って思います。人間て、色々なものを見ているようで、結局のところ、自分が見たいものしか見ていないのかも知れません。

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2009年6月 1日 (月)

至福のひと時

この週末にとっても素敵な時間を過ごしました。場所は都内のとても豪華な超高層マンションの一室。あるホームパーティにお呼ばれしてきたのです。参加された方がすごかった。皆さんが、ミュージカルやシャンソンの舞台を中心に活躍されている方々ばかり。名前を書くと差しさわりがあるといけないので書きませんが、劇団四季に在籍されていた方々、東宝のミュージカルに出演したり歌唱指導している人たち、もとNHKの歌のお兄さんで、現在は舞台を中心に活躍しているとても素敵な男性ヴォーカリスト、タップのパフォーマンスグループの人たち、シャンソンの歌い手さんなどなど。

演劇と関係のないサラリーマンは僕一人。「何で僕がここにいるの?」っていう感じでした。でも、皆さんと一緒に美味しいお酒と食事をいただきながら、色々なお話を聞きました。そして、リビングルームで皆さんが歌ってくれる歌の数々!実際に、舞台で歌っている人たちが、目の前で、プロのピアニストさんが弾くピアノでミュージカルナンバーを歌ってくれるのです。“エリザベート”、“オペラ座の怪人”、“マイ・フェア・レディ”、“ベルサイユのバラ”などなど…いやぁ、「お金払わなくていいんですか?」っていう感じでした。「あなたも歌いなさい」と言われて、断りきれずに僕も歌ったのですが、まあ、これはご愛嬌。なかなかチャンスがないと味わえない至福の時。なんだか、丸一日たった今もその興奮を引きずっている感じです。

こんな機会を与えてくれたピアニストのアニエスさん、お家のオーナーの殿下、美味しいお酒を作ってくれたケンさん、そして、全く部外者の僕をあたたかく受け入れてくれた皆さん、どうもありがとうございました。とても、とても素敵なひと時でした。

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