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2009年5月

2009年5月31日 (日)

日比谷の「森」を再びおとなう-“この森で、天使はバスを降りた”を観る

P5301178 千秋楽前にもう一度観たくて行ってきました、シアタークリエ。“この森で、天使はバスを降りた”です。キャストは前回と変わりなく、パーシーに大塚ちひろさん、ハンナに剣幸さん、シェルビーに土居裕子さん、ジョーに藤岡正明さん、エフィーに田中利花さん、ケイレブに宮川浩さん、訪問者に草野徹さん、です。

前回観たときよりもさらに感動しました。皆さん、熱演でしたが、特に、土居裕子P5171175 さんが歌う“Wild Bird”はとても良かったと思います。土井さんの清澄な歌声がこの歌にぴったりです。剣幸さんが歌う“日が暮れたよ”も子を思う母親の気持ちが表れていて前回同様、感動しました。

人はそれぞれが心に傷を抱えながら、懸命に生きている。けれど、その深い傷も周囲の人々や自然によってやがて癒され、また希望をもつことができるのだ-そんな思いが舞台から観客にさぁっと行き渡っていくような、そんな作品です。この舞台のテーマは、パーシーが山の上で朝の光を浴びながら歌う“ひかりよ照らして-Shine On Me-”によく表われているように思います。

光 あふれ

森が輝く

夢見た 世界 ずっと

抱えてる 心の闇

底なしの 谷に似ている

わかってる あたしの罪は 償えない

消せはしない

今 広がる 朝の光

染めて 世界を金色に

どうか今

こんなあたしでも 生きてていいと

信じさせて

光よ 照らして

ねぇ 生きてていいと 信じさせて

昔から ひとりだったよ

いいことなんて 何もなかった

誰ひとり 信じられずに

諦めてた どんな明日も

今 心に届く光

染めて 世界を金色に

どうか今

こんなあたしでも 生きてていいと

信じさせて

お願い照らして

ねぇ 生きてていいと 信じさせて

光よ 照らしてShine

あたしを 照らしてShine

光よ 照らしてShine

心を 照らしてShine

Shine! Shine! Shine!

この世界に生まれた日の

心のまま 生きたい ずっと

(シアタークリエ“この森で、天使はバスを降りた-THE SPITFIRE GRILL-”プログラムより抜粋)

今日が千秋楽。この素晴らしい作品が近いうちに再演されることを願って止みません。CDDVDも発売されないかな。

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

517日の記事をご覧ください。

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2009年5月24日 (日)

ミュージカルナンバーを堪能する-河合篤子さんのファースト・ライブ

P5231177 ライブ・ビストロ音の箱で、河合篤子さんのファースト・ライブ“Atsuko Kawai HEART LIVE”に行きました。河合篤子さんは、“エリザベート”、“レベッカ”、“マリー・アントワネット”、“ダンス・オブ・バンパイア”、“ミー&マイ・ガール”等に出演していて、今や、東宝ミュージカルには欠かすことのできない女優さんです。(例えば、“マリー・アントワネット”では、マリー・アントワネットのお友達のランバル公爵夫人で出演しています。「長旅は辛いわ、ベルサイユに来るだけでもうクタクタ」といってお城を買ってもらうようなコミカルな場面でも、囚われのマリー・アントワネットを見捨てて「必ず戻ってくるわ、ちょっと外の空気を」と行って監禁されている城からでていくようなシリアスな場面でもピッタリとはまる女優さんです。)今回は、デビュー20周年を迎えてのファースト・ライブでした。ピアノ伴奏は、いつも素敵な演奏のアニエス晶子さんです。

デビュー20周年ということで、これまでのキャリアを振り返るという設定でなかなか面白いプログラムでした。オープンニングは、かつてオーディションを受けたという“レ・ミゼラブル”から“リトル・コゼット”を河合さんのピアノ弾き語りで。大人が歌うこの歌を聞いたのは初めてでしたので、「へぇー」という感じで聞いていましたが、この歌、大人が歌ってもなかなか良いのですね。そして次は、ピアノをアニエスさんに交代して、これまたオーディションを受けたという“アニー”から“トゥモロー”。おばさんが作ってくれたという、例のアニーが着ていた赤いワンピースを横において歌う河合さんにミュージカルが大好きな少女、あつこちゃんの姿が重なります。そして、いよいよデビュー作品“アルゴ”から“あなたが美しいのは”。とても美しいメロディと詞の曲をしっとりと聞かせてくれました。少し感動です。そして時代は彼女の高校生時代に…よく観にいったという“キャッツ”の“芝居猫”。キャッツの中では僕が一番好きなシーンであり、どんな風に聞かせてくれるのかな、と思っていたら、なんと一人キャッツ!しかもオリジナルはガスとジェリーロラムの2人(2匹?)によるデュエットですが、河合さんの一人キャッツは、3種類の声音で楽しませてくれました。そして前半の最後の曲は、河合さんが3年間出演していたNHK教育テレビの“うたっておどろんぱ”のハナちゃんとして、“ちいさな歌のおおきな力”。その当時の番組を流して、同じ衣装で登場する河合さんは、歌手として、そしてエンタティナーとして観客を惹きつけます。後半は、ハナちゃんから一転、美しいドレス姿で名曲の数々を歌い上げます。先ずは東宝ミュージカルのデビューとなる“エリザベート”から“私だけに”を再び河合さんの弾き語りです。この歌、とてもきれいな曲ですが、特に最後の高音部で盛り上げなければならないけれど、声をあまり張り上げすぎると台無しになってしまう難しい曲だと思いますが、とても美しい“私だけに”でした。次は、“ミー&マイ・ガール”から“もしもハートをとられたら”です。恋をした乙女心を歌った歌ですが、少し大人の“もしもハートをとられたら”でした。そして、2006年の舞台“サイド・バイ・サイド・バイ・ソンドハイム”から2曲です。“悲しみのピエロ”と“私は生きている”。“悲しみのピエロ”は“リトル・ナイト・ミュージック”で歌われるバラード(本作を見たことはありませんが、ジュディ・ディンチが歌うDVDを持っています。)で僕も大好きな曲です。これを、ほんとうにしっとりと、しみじみと河合さんは歌っていました。この2曲でこれまでを振り返ることは終わりです。テーマは、彼女の未来に移ります。日本ではかつて雪村いずみによって上演されたオフ・ブロードウェイ・ミュージカルの“旅立て女たち”、これをいつか上演したい、と河合さんは夢を語ります。このミュージカルから“スマイル”と“なつかしい友”でエンディングとなりました。アンコールは“ピープル”。(どのミュージカルの作品なのか、よくわかりません。)「人は一人で生きているのではない」という彼女の気持ちが伝わってくるような歌で、聞いているこちらまで、じん、ときてしまいました。

河合篤子さんの初ライブは、トークもなかなか楽しくて、彼女の人柄がそのまま表れているような素敵な時間でした。

最後になりましたが、最後にアニエス晶子さんがソロで演奏した、ジャズ風にアレンジされた“サウンド・オブ・ミュージック”の“マイ・フェイヴァリット・スィングス”も、ミュージカルのナンバーをオリジナルに近い形でしか聞かない僕にとっては、新しい発見でした。彼女のピアノの演奏も、僕にとってはいつも新しい発見があります。

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2009年5月17日 (日)

日比谷の街で“生き直す”-“この森で、天使はバスを降りた”を観る

P5171173 “この森で、天使はバスを降りた”を観てきました。音楽・脚本はジャイムズ・ヴァルク(James Valcq)、作詞・脚本はフレッド・アレイ(Fred Alley)、演出は藤井清美さん。キャストは、パーシーに大塚ちひろさん、ハンナに剣幸さん、シェルビーに土井裕子さん、ジョーに藤岡正明さん、エフィーに田中利花さん、ケイレブに宮川浩さん、訪問者に草野徹さん、です。

癒しと救い、そして再生のドラマ-このミュージカルを一言で表現するならば、こういう言葉になるでしょうか。それぞれに過去に傷を負い、その傷を今に引きずっているパーシーとハンナ。そして、夫に隷属して、自分を殺し、いつも何かに怯えるように暮らしているシェルビー。こんな三人も、心に悩みを抱えながらも日々の暮らしを送っていかなければならない。劇中のパーシーの「深い傷を負ったら、それが治るときは、その傷を負った時と同じくらいの痛みを感じる」という言葉通りの人生です。しかし、そんな人生でも、懸命に生きていくことによって、人は、皆救われて、再生していくのだ…そんな思いを抱かせてくれるミュージカルです。派手さはないけれど、とても感動的な作品だと思います。歌も素敵な歌がたくさんありました。過去を告白し、悲しみを新たにするパーシーを励ます際にシェルビーが歌う“ワイルド・バード(Wild Bird)”は、土居さんの素晴らしい歌声にあいまって、とても感動的です。また、剣さんの“日が暮れたよ(Way Back Home)”は、子供を思う母親の気持ちが切々と伝わってきます。そして、ラストで大塚さんによって歌われる“ひかりよ照らして(Shine On Me)”は救いと希望に満ちていて、このドラマのフィナーレにまさにふさわしい歌といえるのではないでしょうか。

今回は、出演した全ての役者さんが良かったと思います。シェルビーの土居さP5171175 んは、演技はもちろんですが、たくさんのナンバーを美しく、時に、感動的に歌っていました。最初の夫の顔色をうかがって、おどおどしたシェルビーが、やがて、明るく活き活きと生きていく姿をとても素直に表現されていたように思います。剣幸さんは、少し頑固で、でも、とても愛情深い食堂(レストランというよりは、食堂という言葉がぴったり)の女主人をとてもリアルに演じていました。大塚さんはこの二人に同等に渡り合っていたように思います。宮川さんは、自分がかくありたいという男になろうと努力しているのになれない、というコンプレックスを持った“マッチョな”(肉体的にではなく)男を好演です。藤岡さんは、やっぱり“少しやんちゃな”保安官。(と言ったら、彼のファンに怒られるかな?)そして、田中利花さん。彼女は、レ・ミゼラブルのマダム・ティナルディしか知りませんでしたが、とても歌も演技も上手い女優さんですね。今回も、噂好きで、善意ではあるのだけれど時に人を傷つけてしまう無神経さを持っているおばさんを演じたのですが、とてもリアルティがありました。

このミュージカル、とても良い作品です。僕は東宝から何かをもらっているわけではありませんが、より多くの人にこの作品を味わってほしいと思います。

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

美しい森のある、けれど何もない小さな小さな田舎町、ギリアド。この町に、最終バスでやってきたのはパーシー、彼女はある罪を犯し、服役を終えたばかり。服役中に見たこの町の森の紅葉の美しさに魅かれて、この町で新しい人生をやり直そうとやって来たのです。彼女を迎えたのは、保安官のジョー。彼は、彼女の働き先として、この町にただ一軒の食堂、“The Spitfire Grill”を紹介します。この食堂のオーナーがハンナ、頑固なところはあるけれど愛情深い女性です。しかし、彼女は心に深い傷を負い、その苦しみを内に秘めながら生きているのです。そんなハンナの食堂の常連の一人はケイレブ。彼はハンナの甥。彼は、一見“強い男”ではありますが、彼も心のうちに強いコンプレックスを持っていました。そして、もう一人の噂好きのエフィー。彼女は、気が良くて、そして、好奇心一杯で毎日動き回りますが、それが時として人を傷つけます。ケイレブとエフィはよそ者であるパーシーを敵視します。

ある日、ハンナが足を骨折して動けなくなります。ハンナが動けない間、食堂の切り盛りを任さられるパーシー。彼女の手伝いにやってきたのがケイレブの妻のシェルビーです。シェルビーは強権的な夫に隷属していて、常に自分を押し殺し夫の顔色を窺い、何かに怯えたようにおどおどして生きています。パーシー、シェルビー、ハンナは、食堂を切り盛りしていく間にいつの間にか気持ちを通わせるようになります。ハンナの食堂を手放したいという気持ちを知ったパーシーは、一口100ドルで、食堂についてのエッセイコンテストを行い、最優秀者に食堂を譲ることを提案し、このコンテストが実施されることになります。

やがて、季節はめぐり、ハンナの食堂に全米各地からエッセイが舞い込むようになります。そのエッセイにもその作者の様々な人生が描かれているのです。そして、パーシー、ハンナにも、深い心の傷がある。それぞれにその心の闇を告白する時がやってきます。

それぞれの心の傷とは何なのか…パーシー、ハンナ、シェルビーはそれぞれの新しい人生を歩み始めることができるのでしょうか…?

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2009年5月10日 (日)

中世の男の美学に酔う-ミュージカル“シラノ”を観る

P5091166 ミュージカル“シラノ”を観ました。世界初演、エドモン・ロスタンの名作“シラノ・ド・ベルジュラック”のミュージカル版です。作曲は“ジキル&ハイド”や“ルドルフ-ザ・ラスト・キッス”のフランク・ワイルドホーン(Frank Wildhorn)、台本・作詞は、“ジキル&ハイド”でワイルドホーンとコンビを組んだレスリー・ブリッカス(Leslie Bricusse)、日本版の演出は山田和也さんです。主なP5091164 キャストは、シラノ・ド・ベルジュラックに鹿賀丈史さん、ロクサーヌに朝海ひかるさん、クリスチャン・ド・ヌーヴィレットに中河内雅貴さん、ル・ブレに戸井勝海さん、ラグノーに光枝明彦さん、ド・ギッシュ伯爵に鈴木綜馬さん、です。

愛を語るということが美しい言葉を紡ぐということだった時代に生きたシラノといP5091163 う誇り高き男がつらぬいた一人の女への愛を描いたミュージカルです。まさにダンディズム、やせ我慢の美学といでもいえるようなシラノの生き方を鹿賀丈史さんが好演していました。鹿賀丈史さんは、誰を演じても「鹿賀丈史の」という言葉がついてしまうように思いますが、今回はピタリと嵌まっているように思います。どんなに愛の言葉を紡いでも、その対象であるロクサーヌは、その言葉をクリスチャンの言葉と考えて、クリスチャンへの愛を深めていきます。そのことを知りながら自らの愛をつらぬき、ロクサーヌへの愛を語るシラノの姿はとても格好いいのですが、同時に、時に涙も誘います。しかし、もっとも悲しい姿はクリスチャンなのかもしれません。ロクサーヌがいかに自分を愛しても、本当に彼女が愛しているのは自分の口を借りて愛を語るシラノなのだという思いに直面せざるを得ないのですから…

シラノという男の美学に酔える舞台です。音楽も美しいメロディの曲が多く、楽しめました。また、鈴木綜馬さんも印象に残る演技でした。

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

時は17世紀、愛を語ることが美しい言葉を紡ぐ時代であった頃、文武ともに秀でた才人であったシラノ・ド・ベルジュラックはいとこのロクサーヌを愛していました。しかし、シラノは、自分の醜く大きい鼻を恥じて、ロクサーヌにその愛を告げられません。一方、ロクサーヌはシラノと同じ中隊に勤務するクリスチャンに恋をして、シラノに取次ぎを頼みます。涙を呑んでその言葉をクリスチャンに伝えるシラノ。しかし、外見は美しいものの口下手のクリスチャンは、ロクサーヌに愛を語ることができません。そこで、クリスチャンはシラノの言葉を借りて、ロクサーヌへ愛を語りかけます。やがて二人は恋に落ちていくのです。

やがて、シラノの中隊は戦地に赴くことになります。その直前に、ロクサーヌはクリスチャンと結婚します。

激しい戦闘が行われる戦場でもシラノはロクサーヌへの愛を綴った手紙を出し続けます。しかし、クリスチャンの名前で。いよいよ戦闘は激化していきます。シラノとクリスチャンの生死は?そして、シラノの愛の行方は…??

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2009年5月 6日 (水)

バックステージものの舞台裏

P5061156 映画“ブロードウェイ♪ブロードウェイ-コーラスラインにかける夢-”(原題“Every Little Step”)のDVDを見ました。タイトルが示すとおり、2006年にブロードウェイで再演された“コーラスライン”のオーディションをテーマにしたドキュメンタリー映画です。いわゆるバックステージ物の名作中の名作であるコーラスラインのバックステージにスポットライトをあてるというミュージカル好きにはたまらない映画です。この間とりあげた“ブロードウェイ 夢と戦いの日々”の作者である高良結香さんもコニー役として出演しています。

ただオーディション風景を追うだけではなく、初演の際の出演者の話や映像、そして今回のオーディションを受けている人々のインタビューなども入って質の高いドキュメンタリーになっています。初日から最終選考まで8ヶ月という長く、厳しいオーディションを丁寧に追っています。

本編が素晴らしいのはもちろんですが、特典DVDに収録されているバックステージツアーがとても良いのです。高良結香さんが案内役となって、劇場の楽屋や舞台裏を紹介するものですが、ちょうど千秋楽の日で、プロデューサー、演出家、振付師のキャスト達に対するスピーチが収録されています。このスピーチがとても感動的なのです。自分達がともに作り上げてきたショウに対する愛情と誇り、そして、厳しいオーディションと稽古を経て、今ここにいるキャスト達への愛情、感謝、そして敬意…そんな気持ちが画面のこちら側にも伝わってくるような、そんなスピーチでした。このスピーチを聞いた俳優が演じた最後のステージは、きっと、とても充実した素晴らしいものであったに違いありません。

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2009年5月 5日 (火)

爽やかなハーモニーとパワフルな歌声、そして素敵なピアノで過ごすGWの一夜

P5041148 横浜の日の出町にある“シャノアール”で高谷あゆみさんのライブが行われました。シャノアールには初めて行きましたが、ライブハウスというよりはサロン風で、ソファにゆったりと座りながら鑑賞することができるとても素敵な空間です。高谷さんのパワフルな歌を聞くことと、伴奏のアニエス晶子さんのピアノをタップリと堪能してきました。今回のライブは午後7時から3回ありましたが、つい、最後まで聞き入ってしまいました。

今回は、高谷さんの歌の前に、トロワスールというコーラスユニットの歌が入りました。このユニットは女性3人のユニットで、ミュージカルカンパニーStepsに所属する清水由樹さん、山口恵利佳さん、岡村佳代子さんの3人が作っているコーラスユニットです。僕は演奏を聞くのは初めて。第1回目は緊張していたのでしょうか、正直言って「大丈夫かな?」という感じがしないではありませんでしたが、2回目からは素敵なハーモニーを聞かせてくれるようになりました。2回目は“おぼろ月夜”(“Woman~源氏物語より~”より)、“マイ・メモリー”(“冬のソナタ”より)、“サウンド・オブ・ミュージック”(“サウンドミュージック”より)を、3回目は“いつも何度でも”(“千と千尋の神隠し”より)、“メモリー”(“キャッツ”より)、“バイ・バイ・ブラックバード”(“Fosse”より)、というプログラムでしたが、女性3人のコーラスで聞くこれらの歌はとても新鮮でした。特に、“メモリー”は、最近までお芝居の一部として(ミュージカルの中で)この歌を聞いていたわけですが、その歌をライブで、しかも、女性コーラスによる「歌」として聞いたのは、とても新鮮でした。「この歌はこういう歌い方あるんだ」という驚きです。そして、美しいハーモニーにちょっぴり感動しました。このユニットは、まだまだ若く、それだけに学ぶべきことも多いのでしょうが、様々なナンバーをオリジナルとは少し違った雰囲気で聞かせてくれる素敵なコーラスユニットになっていくような気がします。

                                                                                                                              

さて、今宵の主役の“浪速のライザミネリ”高谷あゆみさん。いつもどおりの、パP5041147 ワフルで、そして、パンチの効いた歌声で、関西弁のトークとあわせて、「高谷ワールド」に引き込まれてしまいました。今回の曲目は、1回目が、“All That Jazz”(“シカゴ”より)、“Some People”(“ジプシー”より)、“I Am Changing”(“ドリーム・ガールズ”より)、2回目は、“Cabaret”(“キャバレー”より)、“May Be This Time”(“キャバレー”より)、“My Heart Belongs to Daddy”(“Leave It To Me”より)、“アマーレ・アマーレ”(“ノバ・ボサノバ”より)、“バイ・バイ・ブラックバード”(“フォッシー”より)、3回目は、“メランコリー・ブルース”、“私はチャンピオン(“We are the Champion”)”(いずれもクィーンのナンバーから)、“But The World Goes Round”(“ニューヨーク、ニューヨーク”より)と続き、ラストはやはり“New York, New York”(“ニューヨーク、ニューヨーク”より)。第1回のステージのオープニングからパワフルなステージで、高谷さんのパンチの効いた歌声を堪能しました。“New York, New York”等のライザ・ミネリの歌も魅力的なのはもちろんですが、今回は、特に、“Some People”、“I Am Changing”や“May Be This Time”に魅かれました。それから、“My Heart Belongs To Daddy”。日本語で歌われましたが、ちゃんと韻を踏んでいて(と思えたのですが)、高谷さんのパフォーマンスとあわせて楽しめました。高谷さんのような声量もあり、パンチの効いた歌声の人が、思いっきりそれを抑えた歌を歌うのも聞いてみたいと思います。たとえば、レ・ミゼラブルの“I Dreamed A Dream”など、がらりと雰囲気も変わって、きっと素敵だと思うのですが。

ピアノ伴奏のアニエス晶子さんのピアノもいつものことながら、素敵でした。リクエストをして、“君住む街”を弾いてもらったのですが、ジャズ風にアレンジされていて、思わずスウィングしたくなるような、とっても素敵な“君住む街”でした。ライブとなると歌い手さんの方にばかり目が行きがちですが、演奏がしっかりしないと盛り上がらないものですが、アニエス晶子さんのピアノはそれ自体を聞きたくなるくらいなのに、伴奏の時にはしっかりと伴奏になっている…そんな感じで、彼女のピアノを聞くこともライブの大きな楽しみです。

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2009年5月 3日 (日)

イーストウッドの“グラン・トリノ”を観る

映画“グラン・トリノ(Gran Torino)”を観ました。監督・主演(ウォルト・コワルスキー)はクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)、ウォルトの隣家に住むモン族の家族の少年タオ・ローにビー・バン(Bee Vang)、その姉スー・ローにアーニー・ハー、ヤノビッチ神父にクリストファー・カーリー(Christopher Carley)ウォルトの友人の床屋の主人マーティンにジョン・キャロル・リンチ(John Carroll Lynch)、といったところが主なキャストです。

とても感動的な映画でした。人生の終盤を迎えた男が、出会った少年のために何かを行うことによって、少年が救われ、また、彼の再生にもつながっていく(たとえそれが物理的には「死」であったとしても…)という点で、僕の大好きな“セント・オブ・ウーマン”に似た雰囲気をもっている映画です。(もちろん、背景もストーリーも違っていますが。)この映画の場合は、どこがどのように感動的だったのかを具体的に書くとネタバレになるので、あえて書きません。が、人間の気高さとか、死を通じて「生きる」ということを考えさせてくれる映画です。ただ、エンディング・クレジットで流れるイーストウッドの歌がなんとも味があって良い歌です。ぜひ、皆さん、ご覧になってください。

☆ この映画をまだ観ぬ人へ…

朝鮮戦争に従軍経験のあるウォルトは偏屈な老人です。自分の妻の葬儀に参列した人々には「(葬儀後のパーティの)ハムを食べに来ただけだ。」と一刀両断、懺悔を勧める若い神父には「頭でっかちの童貞」と毒づくしまつです。そんな彼は、定年までフォードの自動車工を勤めていて、1972年に自分でステアリング・コラムを取り付けたというグラン・トリノの名車が唯一の宝物です。

彼の隣家の住人はモン族の家族。家族の長男のタオは、学校にもいけず、仕事もなく、家でブラブラするだけ。彼は、不良グループの従兄弟に命令されて、グラン・トリノを盗みに深夜ウォルトの家に忍び込みますが、見つかってしまい、銃で追い払われます。翌日、ウォルトは、自分の家の芝生にまで入り込んでタオをいたぶっている従兄弟達に逆上して追い払ってしまいますが、それが結果的にタオを助けることになり、家族から感謝されることに。たまたま、黒人の不良グループに絡まれているスーを助けたこともあり、次第に、ウォルトとタオの一家の交流が始まっていきます。ウォルトも「どうにもならない身内よりもここの連中がまだましだ。」とつぶやくまでになっていきます。

ウォルトはブラブラしているタオに仕事を与えようとしますが、従兄弟達の不良グループがそれを邪魔して、タオを自分達の仲間に加えようとします。何とか、不良グループをタオから引き離そうと、ウォルトは、不良仲間の一人を叩きのめし、タオにつきまとうな、と言います。これに怒った不良グループの報復がタオ家族に対して行われます。卑劣な彼らに対するウォルトの怒り。そして、彼のとった行動は…?

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