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2009年4月

2009年4月26日 (日)

僕のミュージカル観劇の原点の一つ-“マイ・フェア・レディ”を観る

P4251143 久しぶりに帝国劇場に行ってきました。“マイ・フェア・レディ”を観てきました。主な出演者は、イライザに大地真央さん、ヒギンズ教授に石井一孝さん、ピカリング大佐に羽場裕一さん、ドゥーリトルにモト冬樹さん、フレディに姜暢雄さん、ヒギンズ夫人に草村礼子さん、ゾルタン・カーパシーに藤木孝さん、ピアス夫人に春風ひとみさん、ハリィに治田敦さん、ジェミィに渡辺隆さん、アインスフォードヒル夫人/トランシルバニア女王にちあきしんさん、です。

この作品は、ロンドンに住んでいた頃、“レ・ミゼラブル”とならんで僕を励ましてくれ、同時に、ミュージカルの魅力を教えてくれた、とても思い入れのある作品です。ロンドンで観た、あの洗練された、そして、タップダンスがたっぷりの迫力ある舞台は、あのTheatre Royal Drury Laneの歴史ある重厚な雰囲気ともに、今でも、しっかりとこの胸に蘇ってきます。ですから、どうしても、その舞台と比較してしまいます。

P4251137 この作品のテーマは、言葉とそれに密接に結びついたイギリス社会の階級です。ですから、これを英語以外で演じるとことは、単純に翻訳の問題だけでない困難がつきまとうことと思います。たとえば、コベントガーデンのシーンでイライザと彼女の仲間達が歌う“ラブリー”も言葉も文法も不正確で、まさに教育を受けていない人達の英語です。イライザがその仲間達と実に楽しそうに歌いあげます。そして、この歌は、イライザが舞踏会で成功を収めた後にヒギンズ教授の家を飛び出してやってきたコベントガーデンで仲間達にも気づかれず、もはや自分のいる場所でないことを悟ったイライザによって、その一節が歌われます。ただ、この時に歌うイライザの英語は、正確な美しい英語になっています。言葉によっても、イライザが以前暮らした世界に戻れないことを示しているのです。ちなみに、東宝のプログラムにはこの歌のタイトルを“ラブリー(It Wouldn’t Be Lovely)”としていますが、これは、“ラヴァリー(It Wouldn’t Be Loverly)”とすべきではないでしょうか。もちろん、loverlyという言葉はありません。正確にはlovelyです。しかし、先にも書いたようにこの歌は、教育のない人たちが自分達の言葉で歌う歌です。イライザも“lovely”(=素敵な)というつもりで、“loverly”と歌うのです。ロンドンで買った譜面集にもloverlyとなっています。せめてタイトルは正確に表記すべきだと思います。

今回の出演者の中では、モト冬樹さんのモト冬樹さんのドゥーリトルはとても素敵でした。ただ面白いだけの人物でもなく、破天荒なだけの人物でもない、なんとも味のあるドゥーリトルがそこにいました。案外、モト冬樹さんのハマリ役になるのではないでしょうか。

この作品は、とても洗練された素晴らしい作品だと思います。これからも、ずっと上演されていきますように…

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

舞台は、ロンドンのコベントガーデンにあるオペラハウス。舞台がはねて、外に出てきた着飾った観客達は突然の雨に右往左往しています。その中を、花売り娘のイライザは花を売っています。コベントガーデンの市場で下町英語の訛りを研究していたヒギンズ教授は、インドの言語を研究しているピカリング大佐と出会います。二人は初対面ではありましたが、お互いの研究成果を通じて良く知る仲。すぐに意気投合して、ピカリング大佐はホテルを引き払い、ヒギンズ教授の自宅に行くことになります。そこで、イライザのひどい訛りを聞いたヒギンズ教授は、「彼女でさえ、きれいで正確な英語を話せるようになれば、きちんとした花屋で花を売ることができるようになるのだ。」と言います。その言葉を聞いたイライザは、翌朝、ヒギンズ教授を訪ねて、英語を教えて欲しいと頼みます。ヒギンズ教授は、イライザを6ヶ月で貴婦人のようにできるかどうかを、ピカリング大佐と賭けをすることになります。その日から、ヒギンズ教授の特訓が始まります。ヒギンズ教授の厳しい指導。これに時に反発し、時にくじけそうになるイライザ。彼女を優しく励ますピカリング大佐。果たして、イライザは美しく、正しい英語を身につけ、貴婦人となることができるのでしょうか…

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2009年4月19日 (日)

この世の中で、“邪悪なもの”とは…-ミュージカル“ウィキッド”を観る

P4181134 劇団四季の“ウィキッド”を観てきました。主なキャストは、エルファバに濱田めぐみさん、グリンダに沼尾みゆきさん、ネッサローズに山本貴永さん、マダム・モリブルに八重沢真美さん、フィエロに李涛さん、ボックに金田暢彦さん、ディラモンド教授に前田貞一郎さん、オズの魔法使いに飯野おさみさん、でした。エルファバ、グリンダ、ネッサローズ、フィエロにボックは、CD録音にも参加しているオリジナルキャストという布陣でした。

それにしても、濱田さんの歌はすごい!とてもパワフルな歌で圧倒されました。特P4181133 に、第一幕の最後の“自由を求めて”は本当に素晴らしかったと思います。また、ネッサローズ役の山本貴永さんの歌も印象的でした。

“ウィキッド”(WICKED)とは、「邪悪な」とか「悪い」「不正な」「不道徳な」という意味です。この物語の中で、一体誰が邪悪なのか?ということを考えずにはいられません。善の象徴とされるグリンダも、初めはエルファバをいじめる側にいました。また、彼女の言動の端々に小ずるさが見え隠れします。P4181136 一方で、正義のために戦うエルファバは、時の権力者によって邪悪な魔女に仕立て上げられてしまいます。時の権力者やマスコミの声(=宣伝?)を無批判にそのまま受け入れて、エルファバを追い詰めていく民衆。人間の社会が抱える根の深い問題を目の前に突きつけられているように思います。それにしても、このお話の中で、もっとも不幸で、孤独なのはグリンダなのかもしれません。

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

オズの国のシズ大学にグリンダとエルファバ、そして、足の不自由な彼女の妹のネッサローズが入学してきます。緑色の肌をしたエルファバをグリンダをはじめとする周囲の人たちは好奇の目で見て、仲間はずれにします。一方、美人で要領のよいグリンダは皆の人気者。ひょんなことから二人はルームメイトになってしまいます。人気者のグリンダではありますが、一つかなわぬ願いが。それは、魔法を習うこと。学長のマダム・モリブルは、エルファバこそ魔法の才能があるのだと、彼女しか教えなかったからです。やがて、シズ大学にウィンキー国の王子、フィエロが転校してきます。少々軽いところはあるもののハンサムな彼を自分に振り向かそうとグリンダは一生懸命です。

こうして彼らが学生生活を送っている間に、世の中では少しずつ変化してきます。これまで仲良く共存してきた動物達が、人間の言葉を話すことを禁じられてしまったのです。そして、エルファバが慕っていた歴史の先生である山羊のディラモンド教授も大学を追われ、囚われてしまいます。何か得体の知れぬ変化を感じ始めたエルファバのもとに、オズの魔法使いから、エルファバに会うという知らせが届きます。この名誉に驚喜するエルファバ。エルファバは、オズの魔法使いにあったら、今のこの状況を伝えて、ディラモンド教授達を助けてもらおうと、グリンダとともにオズの魔法使いが住むエメラルドシティに向かいます。しかし、このエメラルドシティでの出来事が、エルファバとグリンダの運命を大きく変えていきます。

果たして、オズの魔法使いは、エルファバの願いを聞きとげてくれるのでしょうか…

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2009年4月 5日 (日)

少し早いですが、僕にとっての千秋楽

P4041124_01 “キャッツ”を観てきました。キャストは、グリザベラに木村智秋さん、オールドデュトロノミーにチェ・ソンジェさん、ジェリーロラム=グリドルボーンに秋夢子さん、バストファジョーンズ、アスパラガス=グロールタイガーに寺田真美さん、ジェニエニドツに小松陽子さん、マンカストラップに西門宇翔さん、ランペルティーザにチェ・ウンヘさん、ラム・タム・タガーに荒川務さん、ディミータに有永美奈子さん、ミストフェリーズに金子信弛さん、ボンバルリーナに西村麗子さん、マンゴジェリーに川東優希さん、シラバブに五所真理子さん、スキンブルシャンクスに劉昌明さん、タントミールに八鳥仁美さん、コリコバットに花沢翼さん、ジェミマに王堃さん、ランバスキャットにユ・ホンチョルさん、ヴィクトリアに千堂百慧さん、カーバケッティに齊藤太一さん、カッサンドラに蒼井蘭さん、ギルバートに入江航平さん、マキャヴィティに金久烈さん、タンブルブルータスに川野翔さん、でした。

キャストもずい分と変わり、グリザベラをはじめとして新しい人達が増えていまP4041126 した。正直言って、少し、「あれあれ…」と思わずにはいられないところもありましたが、やはり、キャッツは面白い。荒川務さんのラム・タム・タガーはますますパワーアップしいましたし、秋夢子さんは相変わらず美しく、声のとてもきれいなジェリーロラム=グリドルボーンでした。前にも書いたように、僕の最も好きな場面は、劇場ネコのガスとグロールタイガーの場面ですので、ジェリーロラム=グリドルボーンも注目の役です。そして、大好きな西村麗子さんのボンバルリーナ!彼女のボンバルリーナはセクシーで妖艶で(同じ意味か…)、ダンスも上手く、いつ観ても素敵です。今回、彼女のボンバルリーナを観ることができてラッキーでした。

キャッツの衣装は一部の例外を除いて、俳優さんたちの体の線をごまかせない衣装です。俳優さんたちの鍛えられた体の線がくっきりと出てしまうという意味では、俳優さんたちもとても厳しい衣装ではないでしょうか。そんな衣装に身を包んで鍛えられたダンスを観ることもキャッツの間隙の楽しみの一つではないでしょうか。

P4041127 延長公演のチケットは予約できず、千秋楽までチケットは完売とのことですので、今回が僕の最後の“キャッツ”(多分)ということになります。佐渡寧子さんがグリザベラで出演していたこともあって、この10ヶ月ほど、集中して観にいきましたが、いつもネコ社会の中に入り込み、楽しむことができました。そんな時間をくれたキャストとスタッフの皆さんにありがとうと伝えたいと思います。

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