2009年11月14日 (土)

河合篤子さんのライブ

Pb120027 横浜の日の出町にあるライブハウス、シャノアールで、河合篤子さんのライブがありました。題して、“河合篤子ソングライブ”。出演は、河合篤子さんに岡村佳代子さん。ピアノはアニエス晶子さんでした。岡村佳代子さんは、トロワスールのメンバーの一人ですが、今日は初のソロでの出演でした。

僕は、最初のステージの岡村さんの1曲目から聞きました。3ステージで、最初のステージは、岡村さんの“好きな人”(キロロ)、“パート・オブ・ワールド”(“リトル・マーメイド”より)、“真夏の世の夢”(松任谷由美)、そして河合篤子さんで、“踊り明かそう”(“マイ・フェア・レディ”より)、“芝居猫(ガス-劇場猫)”(“キャッツ”より)、“メモリー”(“キャッツ”より)でした。そして、2回目のステージは、アニエスさんのソロで“サンライズ・サンセット”(“屋根の上のヴァイオリン弾き”より)で始まり、岡村さんの“ステップシスターズ・ラメント”(ミュージカル“シンデレラ”より)、“いつかのメリー・クリスマス”(B’z)、“カルメンのバラード”(ステップス・ミュージカル“boy be”より)、この後は、12月にシャノアールで河合篤子さんとライブをする留守(とめもり)晃さんが“あの鐘を鳴らすのはあなた”(和田アキ子)を特別ゲストで歌って、河合篤子Pb120024 さんにバトンタッチ。河合さんは“あなた”(小坂明子)、“スマイル”(“旅立て女たち”より)、“好きだからこそ(愛した日々に悔いはない)”(“コーラスライン”より)でした。ラストの3回目のステージですが、最初のアニエスさんのピアノソロは、“ラヴァーズ・コンチェルト”(バッハ“メヌエット”より)、岡村さんが“時には昔の話を”(“紅のぶた”より)、“僕の願い”(“ノートルダムの鐘”より)、“バイ・バイ・バラックバード”(“フォッシー”より)、留守さんが“酒と泪と男と女”を、そして河合さんは、ソンドハイムの作品を3曲。“ブロードウェイ・ベィビー”(“フォーリーズ”より)、“悲しみのピエロ”(“ザ・リトル・ナイト・ミュージック”より)、“私は生きている(I’m Still Here)”(“フォーリーズ”より)。最後は河合さんがリクエストに応えて、“ピープル”、でした。

岡村佳代子さんの歌は、以前、トロワスールとして歌っているときに聴いたことがあります。とても素直で、真っ直ぐな歌声を持った人です。今回はソロでの出演となったわけですが、もともとアルトのパートを担当しているだけあって、少し低めの音域の歌は特に素敵でした。例えば、“時には昔の話を”とか“僕の願い”とか…これまでは、アルトのパートで、どちらかと言えば縁の下の力持ち的な存在なのでしょうが、ソロでも十分いける、きれいな歌声でした。

さて、河合篤子さんの歌は、どれも素晴らしかったのです。特に、僕は“踊り明かそう”やファーストライブでも聴いた一人芝居の“芝居猫(ガス-劇場猫)”、“スマイル”等が好きなのですが、今回は、3回目のステージのソンドハイムの歌には聞き入ってしまいました。特に、シャノアールにはピエロが大粒の涙を流している絵が飾ってあるのですが、その絵の前で歌った“悲しみのピエロ”はしみじみとして、とてもとても素敵でした。本当に絵のイメージとピッタリの舞台となりました。

河合篤子さんは歌がとても上手いことはもちろんなのですが、彼女の歌を聴いているとある場面が目の前に繰り広げられているような気がしてくるのです。“歌手”というよりも、やはり、ミュージカル女優さんの歌なんだなぁ、と思ってしまいます。例えば、一人でいくつもの声色を使い分けて聞かせてくれた“芝居猫”は、オリジナルのキャッツとはまた一味違った情景が浮かんできます。一方、“踊り明かそう”や“好きだからこそ(愛した日々に悔いはない)”などを目をつぶって聞くと、本当にオリジナルの舞台の情景が目に浮かんでくるのです。

また、河合さんのライブの魅力の一つは、ライブ全体の雰囲気にあるように思います。よく書くことですが、ライブは歌い手さんの性格が本当に良く出るように思います。ファーストライブの時もそうでしたが、河合さんのライブは、ホワッとした、なんともいえない空気が会場全体に漂います。彼女の歌、トーク、そしてあの間…それら全てに彼女がにじみ出ているように思いました。

いつも書くことですが、相変わらず、アニエス晶子さんのピアノも素敵でした。伴奏の時は歌い手さんを引き立ててその魅力を十分に引き出す演奏だし、ソロになると、ウットリするような演奏になるのです。今回も、“サンライズ・サンセット”は特に素敵でした。

アットホームな空間で、素敵な歌とピアノをお酒を傾けながら聴く。その歌声やメロディはこの世に生まれ出た瞬間に消えていってしまうけれど、それを聴くものの心にはしっかりと刻み込まれていく…そんな贅沢な時間を味わった一晩でした。

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2009年11月 7日 (土)

新妻聖子さんのエポニーヌ

Pb030010 3日に“レ・ミゼラブル”を観ました。主なキャストは、ジャンバルジャンに橋本さとしさん、エポニーヌに新妻聖子さん、ジャベールに今拓哉さん、ファンティーヌにシルビア・グラブさん、マリウスに小西遼生さん、コゼットに辛島小恵さん、テナルディエに安崎求さん、マダム・テナルディエに田中利花さん、アンジョルラスに松原剛志さん、でした。

4日が新妻聖子さんとシルビア・グラブさんの千秋楽だったのですPb030014 が、これは平日のマチネだったので、お二人の千秋楽の一日前のこの日に観劇しました。

何度も書きましたが、新妻さんのエポニーヌは本当に素晴らしいと思います。彼女の豊かな表現力はエポニーヌをとてもリアルにしています。新妻聖子という女優がエポニーヌを演じているのではなく、エポニーヌという幸薄い、しかし、ピュアな少女が新妻聖子という女優の体を借りて舞台の上でPb010005 生きている…そんな思いさえ抱かせます。彼女の歌う“On My Own”はとても感動的ですが、僕は、この歌の最後で「幸せの世界に縁などない」と歌った後、「愛してる」と始まるまでの数秒間、帝劇全体を支配する圧倒的な静寂が大好きです。エポニーヌ魅せられた観客達が、彼女の愛と人生を象徴するこの歌にぐいぐい引き込まれていき、最後のフレーズを息をつめて待つ、あの濃密な静寂の中に我が身をおくことは、CDでもDVDでも味わうことのできない、まさにライブの醍醐味なのではないでしょうか?今回のシーズンでは、もう新妻聖子さんのエポニーヌを観ることはできませんが、また次の公演で、もっと素晴らしい彼女のエポニーヌに出会えるのではないかと期待しています。

シルビアさんのファンティーヌも素晴らしかったと思います。彼女は歌がとてもPb010002 良いですね。豊かな声量があるからこそ、静かに歌う(ピアノやピアニッシモ)部分がとても良くなるのではないかと思います。彼女が歌う“I Dreamed a Dream”は何度聞いても聞きほれてしまいます。今回の公演では、橋本さとしさんの“家に帰して”もとても良かったです。

今回は、終演後、ファン感謝イベントということで、今さんが司会で、新妻さん、シルビアさん、小西さんというメンバーでトークショウが開かれました。なんとなく緩いというか、まったりとした雰囲気のトークショウでこれはこれで、なかなか良かったのですが、凄く面白かったPb030009 のは、小西さんがギターの弾き語りで“On My Own”を歌ったことです。これがとても素敵なのです!直ぐ前で聞いていた新妻さんが「CD化したら」と言ったほど。この歌、女性の歌と思っていましたが、男性が歌うとまた雰囲気が変わって、とても素敵な歌になりました。大発見です。(ちなみに、イギリスの男優さんでジャン・バルジャン、ファントム、オールド・デュトロノミー等の大役を演じたDave Willettsが歌う“I Dreamed a Dream”のCDを持っていますが、これも素敵です。)

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2009年11月 3日 (火)

新妻エポニーヌとシルビア・ファンティーヌの共演に酔う

Pb010001 “レ・ミゼラブル”を観ました。今回の主なキャストは、ジャン・バルジャンに別所哲也さん、エポニーヌに新妻聖子さん、ジャベールに今拓哉さん、ファンティーヌにシルビア・グラブさん、マリウスに藤岡正明さん、コゼットに辛島小恵さん、テナルディエに駒田一さん、マダム・テナルディエに田中利花さん、アンジョルラスに原田優一さん、です。

僕の大好きな新妻聖子さんのエポニーヌとシルビア・グラブさんのファンティーPb010004 ヌのコンビです。シルビアさんのファンティーヌは前回以上に素晴らしかったです。迫真の演技でした。“I Dreamed a Dream(夢やぶれて)”から始まって、“ファンティーヌの逮捕”のシーン、“ファンティーヌの死”のシーンと涙腺が緩みっぱなしでした。エピローグでも、新妻さんのエポニーヌとともに美しいハーモニーを聞かせてくれました。

そして、何よりも新妻聖子さんのエポニーヌは素晴らしい!前回も書きましたが、とても表情が豊かです。見えないところや隠れたところでの細部の演技が細やかで、それが積み重なってとてもエポニーヌという存在がリアルに迫ってくるのではないかと思います。彼女の“On My Own”は本当に感動的です。もち論、彼女の声の素晴らしさということもありますが、やはり彼女の豊かな表現力によるのではないでしょうか。彼女のこの歌を聞くと、薄幸の少女エポニーヌの悲しみが胸の奥底にしみわたるような思いを抱くのは僕だけではないと思います。

今回、コゼットは辛島小恵。とても歌の上手い女優さんです。声にも清潔感があって、コゼットにピッタリです。藤岡正明さんのマリウス。相変わらずやんちゃ坊主の雰囲気が漂うマリウスでした。この人は、何を演じてもやんちゃな雰囲気がして、それがまたこの俳優さんの魅力でもあるような気がします。

新妻さんのエポニーヌとシルビアさんのファンティーヌのコンビでのレ・ミゼラブルをもう一度観て、今回の僕のレミゼ・シーズンを終えることにします。

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再び、革命の世界へ!

“レ・ミゼラブル”2回目の観劇です。今回の主なキャストは、ジャン・バルジャンに別所哲也さん、エポニーヌに坂本真綾さん、ジャベールに岡幸二郎さん、ファンティーヌにシルビア・グラブさん、マリウスに山崎育三郎さん、コゼットに菊地美香さん、テナルディエに駒田一さん、マダム・テナルディエに田中利花さん、アンジョルラスに松原剛志さん、でした。

この日は僕が最も好きなジャン・バルジャンとジャベールのコンビです。何と言っても、岡幸二郎さんのジャベールは素晴らしい。岡さんは,歌がうまいのはもちろんですが,姿が美しい(と,男の僕が言うのも変かな?)ので,酷薄さがとても出ているように思います。だから一層,自殺のシーンは,凄惨な顔になって迫力があります。そして,彼の“星よ(STARS)”は何度聞いても聞きほれてしまいます。前にも書いたかもしれませんが,僕は,基本的には男優さんに興味がなくて,どの演目でも注目することは少ないのですが,岡さんが舞台に出てくると,つい注目してしまいます。別所さんのジャン・バルジャンも僕は好きです。高い声が出るので、僕のバルジャンのイメージにピッタリです。2003年に初めて観て以来、少しずつ演技が変わってきているように思いますが、いつも楽しみです。

そして、シルビアさんのファンティーヌ。こちらも素晴らしかったと思います。歌にも迫力があって、“I Dreamed a Dream(夢やぶれて)”では、幸せだった日々が過ぎ今は不幸の中に生きなければならない薄幸の女性の嘆きが、“ファンティーヌの死”のシーンでは遠く離れたわが子を思う母の悲しみが、迫ってきて、思わず涙が出てしまいました。坂本真綾さんのエポニーヌも、柔らかな声で歌う“On My Own”が大好きです。菊地美香さんのコゼットは、いつも声もきれいで、とても可愛いコゼットです。山崎育三郎さんのマリウスは、ベガーズのシーンで、髪を触るエポニーヌを怒らない、優しいマリウスです。日本では少ないタイプだと思いますが、僕は、このシーン、怒らないマリウスが好きなのです。

作品自体も何度観ても飽きない名作、レ・ミゼラブル。日本では色々な組合せで変化を楽しめるのも良いところ。次はどんな出会いとなるでしょうか…

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2009年10月31日 (土)

佐渡寧子さんのチャペル・コンサート

先日、佐渡寧子さんのチャペル・コンサートに行ってきました。場所は、さいたま市の鉄道博物館の近くにあるインマヌエル大宮教会のチャペルでした。

メインのヴォーカルは佐渡寧子さん、ピアノ伴奏は林直美さん、そして特別出演は、ビヨン・ホギル(青井緑平)さん、でした。

オープニングは、佐渡さんのソロで韓国の讃美歌“主の栄光を見る、我等とおられる主”。次に、ホギルさんのソロで韓国の讃美歌“おお、主を知りたい”でした。そして、佐渡さんとホギルさんのデュエットで、セリーヌ・ディオンの“Prayer”と“アメージング・グレイス”を聞きました。そして、林さんのピアノソロでデュラン作曲“ワルツ”。次に、佐渡さんの歌唱指導で、来場者全員で、韓国の讃美歌“心痛む者、癒される者”を歌いました。最後は、佐渡さんのソロで“主に栄光、永遠にあれ”。本当はアンコールが1曲あったのですが、曲名がわかりませんでした。

劇団四季を昨年末に退団した佐渡寧子さんの歌を久しぶりに聞きました。佐渡さんの、とても美しい、そして清潔な歌声を再び聞くことができて、とても嬉しかったのです。考えてみると、マイクを通さない彼女の声を聞くのは初めてでしたが、生の声もとても素敵でした。そしてホギルさん。彼も既に劇団四季を退団してしまいましたが、素晴らしい声の持ち主です。ずしりと響く声です。佐渡さんとホギルさんご夫妻のデュエット2曲も、思わず聞き入ってしまいました。林さんの“ワルツ”も、程よい大きさのチャペルの規模にピッタリのサロン風の流麗な曲で、今回のコンサートにぴったりの曲です。

僕はキリスト教の信仰はありませんが、ほとんどの方が信者であろう聴衆の中に入って聞く佐渡さんの讃美歌は、周囲のアットホームな空気と相まって、とても癒されました。それにしても、讃美歌と言うとグレゴリオ聖歌しか思いつかない僕は、とても親しみやすいメロディの数々が新鮮でした。(そういえば、ブラジルの教会で聞いた讃美歌もポップスのようでした。)

それにしても、親しい友人である林さんの伴奏で、ご主人と讃美歌を歌う佐渡寧子さんはとても輝いて見えました。

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2009年10月24日 (土)

もうすぐ…

またまた、キリ番がやってきます。2222番目にご来店のお客様、どうぞ、コメントをお残しくださいね。

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またあの感動が…“レ・ミゼラブル”を観る

Pa170176 “レ・ミゼラブル”の第1回目の観劇に行ってきました。主なキャストは、ジャン・バルジャンに今井清隆さん、エポニーヌに新妻聖子さん、ジャベールに石川禅さん、ファンティーヌに山崎直子さん、マリウスに小西遼西さん、コゼットに神田沙也加さん、テナルディエに安崎求さん、マダム・テナルディエに田中利花さん、アンジョルラスに坂元健児さん、でした。

僕にとって、レ・ミゼラブルは、ザ・ミュージカルというべき作品。僕にミュージカルの魅力を教えてくれた大切な作品なのです。

今回も、新妻聖子さんのエポニーヌが本当に素晴らしかった!これまでも素敵なPa170180 エポニーヌでしたが、また一段と進化したように思います。全体を通じて表情というか、感情表現が、さらに豊かになっています。彼女が絡むシーンは、一段と舞台がキリッと引き締まるように感じました。(別に、他のシーンが引き締まっていないということではありませんから、念のため。)そして、彼女の“On My Own”。一層パワーアップした彼女のこの歌は、以前にも増して哀しく、切なく、そして、だからこそ美しい…前回のエポニーヌ以来、舞台、映画、TV、コンサート等を経て積んできた経験が花開いているのだな、と思います。新妻さんのエポニーヌの素晴らしさは、決して、ファンのひいき目ではありません。

Pa170175 山崎直子さんのファンティーヌは、2007年の公演の時よりもぐっと良くなっていたように思います。歌もとても良かったですし、表現も深まった感じで、“Dream I Dreamed ”やファンティーヌの死の場面では、思わず涙してしまいました。今井清隆さんはいつものことながら重厚なジャン・バルジャン。そして、ますます油が乗って、弾けてきた感じの安崎求さんのテナルディエも楽しかったのです。

ところで、ロンドン公演では、エポニーヌが死んでバリケードの学生達に運ばれていく時に、肩の高さまで掲げられて運ばれていくのですが、バリケードの上にいてその様子を見下ろしている一人の女性が、エポニーヌの死体の上に、小さな赤い布(多分、旗です)をすっと落とす場面があって、それがとても良かったのです。学生達が、エポニーヌを自分達の仲間として受け入れている、という気持ちが良く伝わってきました。日本の公演では、僕はこの演出を観たことがありませんが、日本ではやらないのでしょうか…

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2009年10月14日 (水)

大峯麻友さんのライブに行ってきました

Pa140173 赤坂のノーヴェンバー・イレブンスで行われた大峯麻友さんのライブに行ってきました。宝塚・宙組の初代組長の大峯さんのライブは、銀座のボンボンでのライブに続いて2回目。宝塚のナンバーがほとんどだったボンボンでのライブとはガラリと変わった内容の今回のライブ、前回とはまた違った意味で楽しいライブでした。

1回と第2回のライブ、両方を聞いたのですが、同じ曲がほとんどでありながらも全く飽きを感じさせず、楽しい時間を過ごしました。

歌われた歌の名前を全部は覚えているわけではありませんが、1回目、2回目を通して印象に残った歌を順不同で挙げれば、“GLORIOUS”(僕は知りませんでしたが、宝塚のミュージカルの中のナンバーだそうです。)、“もみじ”、“あかとんぼ”(いずれも童謡)、“手紙~親愛なる子供たちへ~”(作者不詳の詞に樋口了一さんが曲をつけた歌です。)、“命をあげよう”(ミュージカル“ミス・サイゴン”より)、“TOMORROW”(ミュージカル“アニー”より)、“サウダージ”(ポルノグラフティ)、“LOVE”(ジャズのスタンダードナンバーです。)、“YOU’RE MY FRIEND”、“伝えたい想い”(大峯麻友作詞、本園太郎作曲)といったところです。

でも、これ、ほとんど全曲のような気がします。涙を流したり、手拍子をしたり、どの曲も会場が一つになって大峯さんの世界を楽しんでいたように思います。もちろん、僕もその一人。まあ、それだけ素敵な時間だったということですね。それに、歌だけではありませんでした。1回目、2回目、それぞれに一人芝居(一人語り、かな?)のコーナーがあり、落語の“寿限無”と“愛宕山”をアレンジしたお話を、バックバンドのツボにはまった伴奏と効果音とともに、大峯さんの軽妙な語り口で聞きました。お話の内容も語り口も伴奏も面白く、笑えました。

ストーリーにしばられる芝居と違い、ライブは俳優さんの人柄がにじみ出てくるように思います。今回のライブも大峯さんの人柄を感じながら楽しんだライブでした。ライブ終了後にハプニングがありましたが、ライブの余韻を楽しみながら帰ることができました。

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2009年10月12日 (月)

アナテフカ村で父親の情愛に涙する-“屋根の上のヴァイオリン弾き”を観る

Pa100171 “屋根の上のヴァイオリン弾き”を日生劇場で観ました。主なキャストは、テヴィエに市村正親さん、ゴールデに鳳蘭さん、ツァイテルに貴城けいさん、ホーデルに笹本玲奈さん、チャヴァに平田愛咲さん、モーテルに植本潤さん、パーチクに良知真次さん、フョートカに中山卓也さん、Pa100170 ラザールに鶴田忍さん、アブラムに石鍋多加史さん、ラビに青山達三さん、巡査部長に廣田高志さん、イエンテに荒井洸子さん、シュロイムに真島茂樹さん、フルマ・セーラに園山晴子さん、ツァイテル婆さんに高塚いおりさん、でした。

考えてみると、僕が初めて舞台でミュージカルを観たのがこの作品でした。劇場は帝国劇場で、森繁久彌さんのテヴィエでした。その時は、特に今のようにミュージカルにはまっていませんでしたので、それ以降、あまりこの作品に縁がなく、今日まできてしまいました。今回は、劇場もキャストも、もちろん前回の観劇の時とは違っていますが、なんとなく懐かしい思いを持ちながらの観劇となりました。

この作品は、長い間迫害され続けてきたユダヤ民族の悲しみを縦糸に、テヴィエの父親としての娘への愛情を横糸にして紡ぎだされる、笑いとペーソスに満ちた物語です。

Pa100169 この作品の見所は、何と言っても、テヴィエの三人の娘に対する情愛ではないでしょうか。結婚相手は親が決めるもの、そんなしきたりを守って生きてきたテヴィエ。ところが長女のツァイテルは幼なじみである貧乏な仕立て屋のモーテルと結婚したいと言ってくる。次女のホーデルは革命に情熱をかける貧乏な学生と恋に落ち、三女のチャヴァはあろうことかユダヤ人と対立するロシア人の若者と恋に落ちてしまう…テヴィエは、その度に、とまどい、怒り、悲しみ、しかし、結局、娘への愛情を最優先させていきます。そのテヴィエの姿がとても良いのです。森繁テヴィエもとても味のある演技ではありましたが、市村さんのテヴィエは、森繁テヴィエとはまた一味もふた味も違った父親テヴィエを演じていました。特に、ホーデルがパーチクを追って、アナテフカの村を去っていく時のテヴィエとのやり取りは、本当に涙を誘います。ユーモアがあって、少し頑固で、とても愛情深いテヴィエを好演されていました。

この作品で、好きな場面は、ツァイテルとモーテルとの結婚式の場面です。おめでたい席でありながら、この場面は、この先のアナテフカ村の住民の運命を予感するような哀愁を帯びた“サンライズ・サンセット”で始まります。列席者全員がロウソクを手に持ち、この歌を歌うシーンは涙が出るほど美しいのです。そして、その場面が終わると、やがて、華やかなボトルダンスのシーン、楽しい宴が続きますが、しかし、その喜びも長くは続かないのですが…

このお祝いの場面の歌には手拍子が入ります。この手拍子は、独特な形で、手を前に押し出すようにして手拍子をします。これ、かつて倍賞千恵子さんが出演していたときにインタビューで「私たちの幸せをお客様に差し上げると言う思いを込めて、手を前に押し出すように拍手しているんです。」と話していたのを今も覚えています。その当時と変わらぬ拍手でした。

この舞台、市村さんはやはり素晴らしい。頑固で、けれども愛情深い父親像をとても活き活きと描き出していました。そして肝っ玉お母さんともいうべき鳳蘭さん、このお二人のコンビはとても素敵です。また、三姉妹もとても良かったように思います。長女の貴城けいさんはとてもきれいでしたし、笹本玲奈さんは相変わらず達者な演技でした。そして、平田愛咲さん。とても今回がミュージカル初出演とは思えない演技、これからが楽しみな女優さんです。また、高塚いおりさんのツァイテル婆さんは、とても可愛い、チャーミングなお婆ちゃんでした。高塚さんは今回の公演で、この作品に400回連続出演を達成するとのこと。おめでとうございます!15年の間、同じ作品に出演し続けると言うことはとても凄いことだと思います。こういう俳優さんの存在があるからこそ、長く作品が続くのですね。

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

1905年、帝政時代のロシアの寒村、アナテフカ村。その村に住むテヴィエは、酪農を営みながら、25年連れ添った妻、ゴールデと5人の娘と暮らしています。この村は、ユダヤ人が穏やかに暮らしている村ですが、ロシアではユダヤ人迫害が頻繁に行われており、近くの町にまでそれは及んできていました。しかし、今はまだ平穏なアナテフカ村。

ここで、テヴィエ達村人が長い間暮らしてくることができたのは、彼らが“しきたり”を守ってきたからこそ、とテヴィエは考えています。全てに、“しきたり”、“しきたり”!これがあるからこそ、屋根の上のヴァイオリン弾きのように危なっかしい場所でバランスをとって暮らしていけるのだと。

テヴィエには三人の年頃の娘がいます。“しきたり”では、結婚は仲人が仲立ちをして、父親が許すもの。しかし、ツァイテルは幼なじみのモーテルという恋人がいて、次女のホーデルは革命に情熱を傾ける学生と、三女のチャヴァは敵であるはずのロシア人の若者と、それぞれ恋に落ちてしまいます。“しきたり”と娘への愛情に苦悩するテヴィエ。この三人の娘の愛の行方は…??そして、アナテフカ村の住民の運命は…?

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2009年10月 4日 (日)

古き良き時代のパリの下町に生きる人々-“幸せはシャンソニア劇場から”を観る

映画“幸せではシャンソニア劇場から”(“Faubourg 36”)を観てきました。監督・脚本はクリストフ・バラティエ(Christophe Barratier)、音楽はラインハルト・ワーグナー(Reinhardt Wagner)、作詞はフランク・トマ(Frank Thomas)。主なキャストは、ピゴワルにジェラール・ジュニョ(Gerard Jugnot)、ミルーにクロヴィス・コルニアック(Clovis Cornillac)、ジャッキーにカド・メラッド(Kad Merad)、ドゥースにノラ・アルネゼデール(Nora Arnezeder)、ラジオ男にピエール・リシャール(Piere Richard)、ギャラピアにベルナール-ピエール・ドナデュー(Bernard-Pierre Donnadieu)、ジョジョにマクサンス・ペラン(Maxence Perrin)、でした。

1936年のパリの下町。シャンソンにまだエイトビートのリズムも入らず、時間が現代よりもゆったりと流れていた時代の人情に満ちた物語です。貧しさゆえに離れ離れになってしまった父子の情愛、男と女の愛、そして周囲の人たちの優しさ、人情。それやこれやが観るものの心にしみいってくるような映画でした。

ブロードウェイのミュージカル、というか、ハリウッドの黄金時代のミュージカル映画を思い出させるようなシーンもあり、また、かつての“パリ祭”などの名画の雰囲気を味あわせてくれるようなカット割りもあり、素敵なミュージカル映画(ミュージカルと呼んでよいと思いますが)です。

資金難で閉鎖された劇場を、元妻に預けられている息子を引き取りたい一心で再興しようとするピゴワル。劇場で働いきつつ、労働運動に熱心なミリューと売れないボードビリアンのジャッキーが中心となり仲間が彼の劇場再興を助けていきます。この中で、色々なドラマが描かれるのですが、特に、母親のもとに身を寄せていた息子、ジョジョが帰ってくるシーン(ある夜、ピゴワルが一人寂しく住んでいるアパルトマンの窓辺にジョジョが良く弾いていたアコーデオンの音色が流れてきます。ピゴワルが窓の外をのぞいてみると、ミリューとジャッキーがジョジョのテーマソングとも言うべき歌を歌っている。それを見ていると、暗がりからアコーデオンを弾きながらジョジョが出てくるのです。ピゴワルは急いで階段を下りて外に出て、ジョジョと再会を果たします。そして、彼は、ミリューとジャッキーと三人でジョジョのアコーデオンに合わせて大声で歌うのです。)や再興なったシャンソニア劇場のステージでジョジョのアコーデオンと共演するピゴワルのシーンは胸が熱くなりました。

大掛かりな宣伝もなく、いささか地味な扱いではありますが、粋で、心がほのぼのとし、そして少し切なくなる名画です。フランス映画好きだけでなく、シャンソンやミュージカルを好きな方にはお勧めしたい作品です。

☆ この映画をまだ観ぬ人へ…

1936年、パリの下町。小さな劇場であるシャンソニア劇場は、資金難のために町の不動産屋、ギャラピアのために閉鎖されてしまいます。劇場で働いていたピゴワル、ミリュー、ジャッキーらは皆、失業してしまいます。ピゴワルの息子ジョジョは、20年間も自宅を出ないラジオ男にアコーデオンを習うのが楽しみ。父親を少しでも助けようとアコーデオンを街で弾いて稼ぎますが、やがて、警察に補導されてしまいます。そして、父親に定職がないため、父親のもとを去った母親に引き取られることになってしまいました。

息子を呼び戻すためにも何とかして定職につこうとするピゴワルは、ジャッキーが閉鎖された劇場を自分で開けて、近所の人を相手にショウをやろうとしているところを見て、シャンソニア劇場を再興しようと考えます。奮闘するピゴワルに仲間達も集まってきます。

ピゴワルはギャラピアと交渉して、1ヶ月間、試験的に劇場を開けることができるようになります。早速、オーディションを行います。応募者の中には、ギャラピアが推薦するデゥースも。デゥースに思いを寄せるギャラピア。しかし、デゥースとミリューは、段々とお互いに魅かれていきます。

シャンソニア劇場は無事に再興されるのか?息子ジョジョはピゴワルの元に戻れるのか?そして、デゥースとミリュー、ギャラピアの関係は…?そんな思いを抱かせながら、映画は進んでいきます。

                                                                                                                                 

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