2011年11月 6日 (日)

LA MONTAGNE - ふるさとの山

青く澄んだ山に囲まれたふるさと
その土地を捨てて 
長いこと夢見てた都会の暮らしに 彼らは出てゆく
素朴な土のかおり のどかな陽だまり うまい水があるのに
モダンなカフェテリア 都会の秘密に
彼らはあこがれるのだろうか

 

Pb050730これは、“ふるさとの山”(作詞・作曲:ジャン・フェラ 訳詞:古賀力)の一節です。僕にとって「ふるさとの山」は新潟県にある弥彦山です。(写真は新幹線の中から撮ったので、わかりにくいですが)新潟県三条市に生まれ育った僕は、この山を見ながら育ちました。子供のころは学校の遠足でこの山に登ったり、家族でドライブしたり。高校生のころは列車に乗ってこの山のふもとの公園でデートしたり…様々な思い出のこもった光景でもあります。

 

小さな町に育った僕は、この歌のとおり、都会に出てきました。その時には「捨てる」という気持ちは意識していなかったけれど、これだけ長く都会に住んでいると、やっぱりふるさとを「捨てた」ことになるのかな、と思う今日この頃です。今も、両親が故郷に住んでいますから、こうしてたまに故郷に帰ります。ふるさとも時間の経過とともにいろいろと変わってくることが多いけれど、いつもこの山は、変わらず無言で、でも、やさしく僕を迎えてくれるのです。この歌のように…

 

今も山は美しい
ツバメの群れを眺め
今もそこに秋が来たのを
告げる山は

(“ふるさとの山” 作詞・作曲:ジャン・フェラ 訳詞:古賀力)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年9月 8日 (水)

新妻由佳子さんの“ニライカナイ”を聴いて思う…

ニライカナイ…沖縄や奄美大島群島で信じられている伝説で、遥か遠い東の海の彼方にあるとされる異界のことだとか。生者のいのちはこのニライカナイからやってきて、死者のいのちはニライカナイに帰っていくと信じられているそうです。

新妻由佳子さんの“ニライカナイ”という歌は、僕が大好きな歌の一つです。新妻さんによれば、亡くなってしまった大好きなおじいさんのことを思って作った作品だとか。

大切な人がいなくなってしまっても、朝が来て昼になり夜が来て、そしてまた夜が明ける。季節は巡り、周囲の人々の営みも何も変わらない。そんな当たり前のことが、とても不思議に思えることがあります。なぜ、あの人がいなくなってしまったのに自分のまわりの世界は変わらないのだろうと。これは、その別離の原因が死と限ったことではなさそうな気がします。自分の心に大きな部分を占めていた人が自分の前からいなくなってしまったのに、心にぽっかりと大きな穴が開いてしまったのに、なぜ、何もなかったかのように時が流れて、春が来て、夏が来て、秋が来て冬が来るのか。人々は笑い、話し、食べ、生活しているのだろうかと。

その理由がなんであれ自分が愛する人との別離は、悲しみと心の痛みを伴います。これを癒してくれるのは、つまるところ、時間しかないのかもしれません。今はザックリと口をあけている傷がやがて時の経過とともに癒えていくように、悲しみも巡る季節の中で段々と、それなりの思い出に変わっていく。そうなった時にようやく、自分が愛した人は、自分の心の中に永遠に生きることになるものなのかもしれません。

新妻由佳子さんの“ニライカナイ”はそんな気持ちを歌った歌のように思います。僕の勝手な解釈ですけれど。

「東の夜空に 光る一番星 あなたを思い なんだかせつなくなる」

僕が、この歌で一番気に入っている部分です。スカイラインにセピア色の昼の名残りがまだわずかに残っている東の空にポツンと光るたった一つの星が目に浮かび、哀しく、そして、切なくなってしまいます。新妻さんに許可をいただいたので、歌詞の全文をご紹介します。(この歌は、彼女のCD に収録されています。動画 でも聞けます。ぜひ、聞いてみてください。)

ニライカナイ(作詞・作曲:新妻由佳子)

あれから いくつの 春が過ぎて

人も街も 変わってしまって

でも昨日のことのように

ひざのぬくもり 覚えてる

今もときどき あのドアを

そっと開けて 昔のように

久しぶりと 微笑んで

帰って来る気がして

形も 言葉も 何もないけど

この目 この手 この肌で 感じてる

東の夜空に 光る一番星

あなたを 思い なんだかせつなくなる

いつも見てるよ 悲しまないでと

風が 優しく 頬を撫でる

ふいに突然 会いたくなって

でも会えなくて 途方にくれて

行き場のない 悲しみに

ただ一人 立ちすくむ

そんな時には 分かったんだ

窓を開けて 空をあおいで

静かに 目を閉じれば

いつだって 会えるから

形も 言葉も 何もないけど

この目 この手 この肌で 感じてる

うす紅色した 夕焼け雲

あなたを 思い なんだか泣きたくなる

すぐそばにいるよ 悲しまないでと

雨は 静かに 髪を濡らす

鳥は 優しく 愛を歌う


















| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年8月15日 (日)

花火パーティ

P8140303_01 昨日は、東京湾大華火大会。レインボーブリッジを見下ろす殿下のお宅に集まって、花火見物パーティがありました。お部屋を暗くして、シャンパンやワインを飲みながら、マンションの正面に打ち上げられる花火をパーティの出席者全員で見ました。花火はとてもとてもきれいでしたが、涼しい部屋で、シャンパンを飲みながら見る華麗な花火は、とても贅沢な気分を味あわせてくれました。

それにしても花火を撮影するのは難しい。手振れしまっくってしまいました。あまり良く取れなかったので、パーティに出席されていた方に写真を送っていただきました。

花火のあとは、恒例(?)の余興大会。前にも書きましたが、殿下のパーティは出席者が凄いのです。プロのシンガー、ミュージカル俳優さん、宝塚OGさんたち、ピアニスト、フラメンコ・ギタリスト、アコーデオニスト…などなど。何故、僕がここにいるの?と毎回思うようなメンバーです。その方々が、歌う歌、演奏する曲は、花火に負けず劣らず、華やかで楽しくて…どなたがいて、どなたがどんな歌を歌ってくれたかは、万が一差しさわりがあってはいけないので書きませんが、劇団四季や帝劇の舞台が目の前にあるようで、花火に負けず劣らずとても贅沢な時間でした。…図々しくも、また、僕も歌ってしまいました。しかも2曲。素敵なピアノ伴奏とアコーデオンの伴奏をつけていただき、至福の時間でありました。

殿下、そして、いつも声をかけてくれるアニエスさん、本当にありがとうございました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月17日 (木)

新妻由佳子さんの世界、また…

横浜・関内のイライザで新妻由佳子さんのライブに行ってきました。出演は、安士百合野さん、新妻由佳子さん、そして、ピアノはアニエス晶子さん、でした。いつもは2回のステージのイライザでのライブですが、今回は少し変則的で、3回のステージで新妻さんは2回目からの出演となりました。

P6160217 アニエスさんのピアノはいつ聴いても素敵です。彼女のソロの演奏は「華麗」。僕にはヴォキャブラリが貧しいので、彼女の演奏を例えるのにこれ以外の言葉を知りません。でも、そんなキラキラした音を紡ぎ出す彼女が、伴奏になると、歌い手さんにピタリと寄り添ってその歌い手さんの世界を展開していくのです。もちろん、ライブの主役はステージで歌を歌う歌い手さんでしょうが、でも、アニエスさんのピアノを聞いていると、伴奏も単なる脇役ではないんだな、と思ってしまいます。

安士さんは、洗足学園音楽大学のミュージカルコースを卒業したばかりとのこと、在学中から声優で活躍しているとのことでした。僕はそちらの方は詳しくないので、どのような役をやってこられたのかわかりませんでしたが、とてもチャーミングで、澄んだきれいな声の歌い手さんでした。オリジナル曲も歌っていましたが、僕にとっては“I Could Have Danced All Night”や“Nothing”などミュージカルのナンバーが印象に残りました。歌の間に入れるセリフがとても自然なので驚きました。やはり、声優としてのキャリアがあるからでしょうか?セリフを自然に聞かせるというのはとてもむずかしいことだと思うのですが、とても上手いので、また歌の表情も生き生きとしていたように思います。

そして、新妻さん。もう、何度もご紹介していますが、由佳子ワールドともいうべき彼女の歌の世界は大好きです。彼女がステージに立っただけで、客席が彼女の世界で覆われると言ったら大げさでしょうか?でも、そんな感じがします。今回も、“Welcome Song”“聞かせてよね”“宵待ちブルース”“ニライカナイ”“光”“悲しみの小箱”“海辺の家”“シスターズ”というおなじみのオリジナル曲とジャズのナンバーから“Born To Be Blue”(青に生まれて)を歌ってくれました。“Born To Be Blue”は今回初めて聞きましたが、これもとても良い歌です。そして何より、彼女のオリジナル曲!やっぱり、いいなぁ。最近は、「どれが特に好き」とか言えないのです。どの曲もそれぞれの持ち味というか世界があります。優しい女性の優しい、一途な愛の世界の“聞かせてよね”、強がってはいるけれど、そこにかえって可愛さを感じる女の世界の“宵待ちブルース”、ちっちゃな妹を守ろうと気張っているこれまたちっちゃなお姉ちゃんのいじらしさが目に浮かぶ“シスターズ”などなど。今回も新妻由佳子さんの世界を堪能したひとときでした。

それにしても、良い音楽にワイン。そして楽しいお話。幸せなひとときです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月14日 (月)

昭和の「流行歌」を堪能する-“SHOW-WA-SHOW”を観る

P6130216 草月ホールでタナボタ企画の“SHOW-WA-SHOW”を観てきました。出演は、岡幸二郎さん、林アキラさん、ゲストに、光枝明彦さん、和音美桜さん、高谷あゆみさん、小山みゆきさん、谷本充弘さん、村瀬美音さん、音楽は、エレクトーンが岩内佐織さん、ドラムスが相馬淳二さん、でした

とても楽しいショウでした。昭和の時代に流行った数々の流行歌(こういう表現がぴったりときます。)を芸達者たちが歌いあげるという趣向。客席からステージを観ると、ちょうどNHK等の公開録画の歌謡番組で、客席後方にあるカメラがステージをとらえて、観客の頭が画面下の方に映っていて、その頭越しにステージが見える、そんなシーンを観ているような気がしました。とにかく、あんなに笑ったのは久しぶりでした。和音さんが歌う“こんにちは赤ちゃん”に合わせて登場の赤ちゃん姿の岡さんと林さん。和服のおかみさん姿の光枝さんが歌う“買い物ブギ”と高谷さんの魚屋のおいちゃんと小山さんの八百屋さん。全員が女装して(女優さんたちもいるからこの表現はおかしいですね。男性も全てお化粧して、2人ずつおそろいのワンピースを着て)歌う、ザ・ピーナツのメドレー。何より、光枝さんの女装姿が笑えました。(それにしても、岡さんはワンピースを着ても格好良いのです。)

P6130215ただ、聴かせるべきところはちゃんと聴かせてくれます。順不同でいえば、林さんの“もしもピアノが弾けたなら”はとても温かなものが客席にまであふれるような感じでしたし、光枝さんと和音さんのデュエットの“忘れていいの”はしっとりと聴かせてくれました。和音さんの歌で、高谷さん、小山さん、谷本さん、村瀬さんがバックダンスをつとめた“恋の季節”はピンキーとキラーズというよりもフォッシーか何かのミュージカルの舞台を思わせました。全員で歌った“見上げてごらん夜の星を”も良かったなぁ。けれども、何よりも、岡さんの“リンゴ追分”は圧巻でした。思わず聞き入ってしまいました。

最初に書きましたように、とても楽しくて、面白くて、心から笑ったショウでしたが、これも、これだけの芸達者な、歌のうまい人たちが演じたからこそ、質の高い笑いになったのだと思います。昨今のお笑い番組等に出てくる一部の芸人さんのように実力がないのに笑いだけをとろうとしても、このような笑いは生まれないのではないでしょうか。女装した男性のザ・ピーナツやピンクレディ等は下手をすれば救いようもなく下品になってしまうと思うのですが、このステージでは、決して品が落ちない。それは、本当の歌やダンスの実力に裏打ちされているからではないかと思うのです。

本物の歌とダンス、そして笑いを堪能したショウでありました。ミュージカルやお芝居もいいけれど、こういうショウも素敵です。またやってくれないかな…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月13日 (日)

幸福を探した旅の行く末は…-“キャンディード”を観る

P6120213 帝国劇場で“キャンディード”を観てきました。主なキャストは、クネゴンデに新妻聖子さん、ヴォルテール/パングロスに市村正親さん、キャンディードに井上芳雄さん、マーティンに村井国夫さん、マキシミリアンに坂元健児さん、老女に阿知波悟美さん、ヴァンデルデンデュールに安崎求さん、カカンボに駒田一さん、パケットに須藤香菜さん、でした。

P6120210 今回の作品で最も注目した点は、新妻聖子さんの歌でした。ソプラノのパートを本当にきれいに歌っていました。この作品、オペラ(オペレッタ?)としても演じられるくらいでかなり難しい曲が多いように思うのですが…ファンの贔屓目という面があるかもしれませんが、新妻聖子さんはステージ・舞台の度に新しい一面を見せてくれます。まだまだ進化中の女優さんで、これからも楽しみです。特に、今回の歌を聞くと、冬の“プライド”もとても楽しみです。また、今回、老女役の阿知波悟美さんは歌も上手いし、なかなか良い味を出していました。

☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

これは18世紀の哲学者、ヴォルテールが作り出す物語です。舞台中央でヴォルテールが考え出す人物が現われるところから物語が始まります。

ウエストファリアにあるサンダー・デン・トドロック男爵のお城にキャンディードという若者が住んでいます。彼は男爵の妹が産んだ私生児。男爵の息子マキシミリアン、娘クネゴンデ、お手伝いのパケットとともにパングロス博士から様々なことを習っていました。博士の理論は「世の中に起きることは全て最善なことである」というもの。ある日、パンクロス博士がパケットを相手に実権物理学(=男と女の営み)の授業をやっていたところを見たクネゴンデ、キャンディードとこれをやってみようと思いつきます。初心なキャンディードではありましたが、服を脱ぎ始めたところを男爵夫人に見つかってしまいます。私生児キャンディードは城を追い出されてしまいます。ここから、キャンディードの幸福を求めた旅が始まります。彼のたびの行方に待つものは?キャンディードは幸福を見つけることができるのでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月12日 (土)

あの名作が新しくなって…-“サウンド・オブ・ミュージック”を観る

P6050193_2 この間、四季劇場[秋]で、“サウンド・オブ・ミュージック”を観てきました。ご存知、作曲リチャード・ロジャース、作詞オスカー・ハマースタインⅡ世の名作。数年前からウエスト・エンドで、アンドリュー・ロイド=ウェバーのプロデュースによりリバイバルされた舞台の劇団四季版です。主なキャストは、マリアに井上智恵さん、トラップ大佐に芝清道さん、修道院長に秋山知子さん、エルザに坂本里咲、マックスに勅使瓦武志さん、シュミットに丹靖子さん、フランツに川地啓友さん、シスター・ベルテに佐和由梨さん、シスター・マルガレッタに矢野侑子さん、シスター・ソフィアにあべゆきさん、ロルフに飯田達郎さん、ルーズルに谷口あかりさん、フリードリッヒに笠原知也君(かな?)、ルイーザに増田桜美ちゃん、クルトに廣瀬孝輔君、ブリギッタには片岡芽衣ちゃん、マルタに清水乃愛さん、グレーテルに松崎美風ちゃん、でした。

P6050195 ジュリー・アンドリュース主演の映画でもお馴染みで、何度も舞台化されている名作中の名作です。もう作品自体に力があります。あの愛と笑いと涙に溢れた優しい世界の中で、耳になじんだ音楽を聴きながら、しばし現実を忘れた時間でした。

井上智恵さんのマリア、“ソング&ダンス55ステップス”でも演じておられましたが、とても素敵なマリアでした。歌も良かったし。特に、中盤からフィナーレに向かって、トラップ大佐への愛にとまどいながらも、修道院長にも背中を押され、トラップ大佐の愛を受け入れて子供達を母として愛していく、そんな前向きな姿がとてもよく描かれていたように思います。マリアが教えた子供達の歌によって、トラップ大佐が自ら封印していた子供達への愛情や優しい心を取り戻す場面は、ほろっときてしまいました。それに、坂本里咲さんのエルザは、いかにもお金持ちの中年の女性という感じP6050194 が良く出ていて、このミュージカルのワンポイントになっていました。また、リーズル役の谷口あかりさんは、僕にとっては、キャッツの舞台で、シラバブとして澄んだ声を聞かせてくれる女優さんというイメージでしたが、今回も、大人と少女の間で揺れる16歳の女の子をとても活き活きと演じていたように思います。相変わらずきれいな声で、“もうすぐ17歳”はとても素敵でした。そして、そして、ある意味この作品の主役である子役ちゃん達。みんな歌も上手いし、ちゃんと演技していて(それも自然です)、この作品を盛り立てていました。

美しいメロディを聴き、マリアの前向きな生き方にパワーをもらって帰って来ました。

       このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

時代は、第二次世界大戦の直前。ナチスドイツがオーストリアにその手を伸ばそうとしていた時代です。ザルツブルクの郊外の修道院で修道女になろうと修行中のマリア。彼女は音楽を愛する、明るく優しい女性です。色々な問題は起しますが、修道院の誰からも愛される存在です。そんな彼女が、修道院長の指示で、海軍のトラップ大佐の家に住込みの家庭教師に行くことになります。

トラップ大佐は、愛する妻を喪ってからは、愛情や優しい感情をひたすら心の奥深くに封印して、7人の子供達にも厳格に接し、軍隊のように笛の音色によって行動をすることを求めます。一方、子供達は父親に自分達の方を見てもらいたがために、次々と家庭教師に意地悪をして家から追い出していました。マリアは、トラップ一家に愛情深く接し、彼らに溶け込もうと一生懸命つとめます。ある日、トラップ家で禁じられている歌をマリアが教えたことから、子供達は彼女に心を開き始めます。そして、そのような子供達の姿にやがてトラップ大佐も心を開き始めるのです、子供達に対して、そして、マリアに対して。トラップ大佐の心の底に流れる優しさや愛情深さに触れるにつれ、マリアは次第にトラップ大佐に魅かれていき、いつか彼を愛するようになります。しかし、トラップ大佐にはエルザという結婚を決めた恋人がいたのです。トラップ大佐に対する愛情に自分でもとまどうマリア。エルザとの婚約を祝うパーティの夜、マリアはトラップ家を出て、修道院に戻ってしまいます。自分のトラップ大佐への愛情にとまどい迷うマリアを、修道院長は「自分の道は自分で探しなさい」と諭します。修道院長の話を聞いたマリアは再び、トラップ家へと向かいます。

一方、世界の情勢は大きく転回しようとしていました。ナチスドイツの手はオーストリアにも及んでいきます。トラップ家の周囲でも、ナチスドイツを受け入れ、迎合しようとする人たちと祖国のためにナチスドイツに抗おうとする人たちが二派に別れてしまいます。その流れの中で翻弄される若き恋人達ルーズルとロルフ。

マリアとトラップ大佐の愛の行方は…?そして、トラップ一家の運命は…?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年6月 9日 (水)

ボンボンに流れる濃密な時間

銀座のシャンソンバー・ボンボンに行ってきました。出演は、福浦光洋さん、珠木美甫さん、そして荒井洸子さん、ピアノはアニエス晶子さんでした。

福浦さんや珠木さんの歌も、もちろん、とても素敵でしたが、荒井洸子さんの歌は今回もすごかった。なんだか心をガシっと鷲づかみにされて、魂が揺さぶられるような感じがします。自然に涙が出てくるような、そんな感じです。一緒に行った友人も、涙、涙…いつ聴いても、何度聞いても、「すごいなぁ」と思います。

ところで、昨日は、客席にはプロの歌い手さんたちがたくさん来ていました。歌のお兄さん、杉田あきひろさん、SKD出身の夏稀りささん、那智ゆかりさん、そして、シンガー・ソング・ライターの新妻由佳子さんが客席にずらり。そのせいか、この日のボンボンはいつも以上に盛り上がったように思います。ライブでは、聞き手の側の熱気とステージ上の歌い手さんの気持ちが相互に作用してとても濃密な空気が醸し出されるのだな、とそんな思いにかられた夜でした。

昨日は新妻由佳子さんも飛び入りでオリジナルの歌を歌ってくれました。彼女の歌の世界、ボンボンの空気にぴったりと合っていました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年6月 6日 (日)

佐渡グリザベラ復活!…ふたたび

P6060205 横浜のキャノン・キャッツ・シアターに行ってきました。もちろん、“キャッツ”を見るのが目的です。佐渡寧子さんがグリザベラに復帰したので、ぜひ観たいと思いました。キャストは、グリザベラが佐渡寧子さん、オールドデュトロノミーに青井緑平さん、ジェリローラム=グリドルボーンに朴慶弥さん、バストファジョーンズ/アスパラガス=グロールタイガーに田島亨祐さん、ジェニエニドッツに鈴木由佳さん、ラム・タム・タガーに福井晶一さん、ランペルティーザに石栗絵理さん、マンカストラップに武藤寛さん、ディミータに団こと葉さん、ボンバルリーナに西村P6060199 麗子さん、ミストフェリーズに岩崎晋也さん、シラバブに江部麻由子さん、マンゴジェリーに川東優希さん、タントミールに高倉恵美さん、スキンブルシャンクスに岸佳宏さん、ジェミマに王堃さん、コリコパットは花沢翼さん、ヴィクトリアに原田真由子さん、ランパスキャットに桧山憲さん、カッサンドラに蒼井蘭さん、カーバケッティに齊藤太一さん、ギルバートに入江航平さん、マキャヴィティに片山崇志さん、タンブルブルータスに松永隆志さん、でした。

P6060201 久しぶりに(昨年の2月以来、だと思います。)復活の佐渡さんのグリザベラですが、以前に比べてどこか違うのです。少し軽やかになったというか、肩の力が抜けたような…要するに一皮むけたような、そんな感じがするのです。それだけ演技にも自由さが出てきたというか、幅が出てきたように思うのです。佐渡さんが歌うメモリーも、歌声は以前よりも軽やかながら、歌の表情はかえって深くなってきたように思います。スポーツでもそうですが、普段余分な力が入っていない方が、本当に必要な時にグッと力が入り効果的です。うまく表現できませんが、今日の舞台の佐渡さんを観て、そんなことを感じました。素敵な、素敵な新生佐渡グリザベラでした。これからの佐渡さんに注目ですね!今回は、僕としては初のご夫婦共演の観劇でした。青井緑平(ビヨン・ホギル)さんのオールドデュトロノミーも素晴らしい声で圧倒されました。ホギルさんの他を圧倒する声は、何度かコンサートで聴いてはいましたが、こうして、キャッツの舞台でオールドデュトロノミーとして聴くと、また違った味わいで楽しめました。それにしても、グリザベラが昇天する直前のシーンで、佐渡さんと青井さんは何を思って見つめあうのでしょう?そこはプロ、やはり、グリザベラとオールドデュトロノミーとして見つめ合っているのでしょうね。

P6060206 全体の舞台は、五反田のキャッツシアターと構造の違いからくる演出の違いは若干あるものの、キャッツの楽しさは変わっていません。特に今日は、僕の大好きな西村麗子さんのボンバルリーナと高倉恵美さんのタントミールを観ることができたのが嬉しいことでした。西村さんのボンバルリーナはきれいだし、とてもセクシーです。ダンスも切れがあって、大好きです。そして高倉さんのタントミール。こちらはセクシーというよりはコケティッシュで、男を弄ぶ小悪魔的なシャム猫という感じがよく出ています。男を弄ぶといえば、グロールタイガーの破滅の原因となるグリドルボーンも同じようなタイプかもしれませんが、高倉さんのタントミールの方が、地味ながらもっと男にとっては始末が悪い小悪魔のような気がします。近づいていくと受け入れてくれそうで、でも手強い。様子をうかがって迫っていくと、手痛くしっぺ返しがあるような、そんな男にとって始末に負えない小悪魔猫が高倉さんのタントミールです。彼女のダンスも素敵です。また、朴慶弥さんも良かったように思います。ジェリーロラムとしてガスを見る目の優しさは僕が観た他のジェリーロラムと一緒ですが、グリドルボーンのグロールタイガーへの冷たさが他のグリドルボーンよりも少しだけ強いように思います。それが、二つの役の対比をより際立たせて面白かったと思います。

       このミュージカルをまだ観ぬ人へ…

このミュージカルのストーリーのさわりについては過去にご紹介していますが、この作品にストーリーの解説は必要がないように思います。とにかく、猫屋敷に足を運んで、猫の世界の独特の哲学を、そして、様々な猫の人生(?)をどうぞ無心にお楽しみください。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年6月 1日 (火)

またまたキリバンが…

またまた、キリ番が近づいてきました。最近、当店にご来店いただけるお客様も少しずつ増えてきたようで、当店のマスターとして、こんなに嬉しいことはありません。実は、当店をオープンする時には、公私共に色々なことがあり、こんなにも続けられるとは思っていませんでした。こうして続けてこられたのも、当店にご来店いただける皆様のお陰です。心から感謝いたします。記念すべき30,000人目のお客様、どうぞコメントをお残しください。

皆様、どうぞ、今後とも、よろしくお願いいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月30日 (日)

もう何回目になるのだろう…銀座のシャンソン・バーで“ミュージカルな夜”

銀座のシャンソン・バー“ボンボン”のミュージカルな夜に行きました。出演は、安福毅さん、山田麻由さん、そして、レギュラー出演の福浦光洋さん、珠木美甫さん、ピアノはアニエス晶子さん、でした。

最初のステージは、アニエスさんのピアノ・ソロで始まり、福浦さんの津軽版“わたしは一人片隅で”と珠木さんの“帰らんちゃよか”の後、いよいよミュージカルな夜。まずは、安福さんと山田さんのデュエットで、ミュージカル“アラジン”のナンバーから始まります。そして、安福さんの“カラー・オブ・ザ・ウィンド”(“ポカホンタス”より)、山田さんの“ゴッド・ヘルプ”(“ノートルダムの鐘”より)、デュエットで“サムシング・モア”(“ルドルフ”より)と“ランベス・ウォーク”(“ミー・アンド・マイ・ガール”より)で少し、休憩。二回目のステージは、アニエスさんのピアノ・ソロで始まりましたが、お客さんからのリクエストで、“ライムライト”と“スター・ダスト”と“赤とんぼ”をアドリブで1曲にアレンジして弾いてくれました。そして珠木さんのおなじみの“ジジ・ラモローゾ”。そして、ミュージカルな夜の第二部です。安福さんの“はなみずき”、山田さんの“女って”(“パイレート・クィーン”より)、安福さんの“I’ll Be There”(“パイレート・クィーン”より)、デュエットで“愛していると言えたなら”(“パイレート・クィーン”より)、山田さんの“星から降る金”(“モーツァルト”より)、そして、ラストに“アイ・ガット・リズム”(“クレージー・フォー・ユー”より)。三回目のステージは、僕のリクエストでアニエスさんが“Love Never Dies”を弾いてくれました。そして、福浦さんの“No No Thanks No”の後に、いよいよミュージカルな夜の最後のステージです。山田さんの“ナッシング”(“コーラス・ライン”より)、安福さんの“炎の中へ”(“スカーレット・ピンパネール”より)、山田さんの“オール・フォー・ローラ”(“ウーマン・イン・ホワイト”より)、安福さんの“見果てぬ夢”(“ラマンチャの男”より)、デュエットで“スターライト・エクスプレス”(“スターライト・エクスプレス”より)、そして、本当の最後、アンコール曲が“Thank You For the Music”(“マンマ・ミーア”より)でした。

いつものことながら、安福さんと山田さんの迫力がある歌声に酔った夜となりました。今回のお二人のライブでは、ミュージカルの定番のナンバー以外に、“パイレート・クィーン”のナンバーを聞くことができたのは意外でしたし、嬉しかったのです。まだ1回しか公演されていないせいか、あまりこの作品のナンバーを聞く機会がないので。こういう曲選びにお二人の工夫やチャレンジングな姿勢を感じます。もちろん、山田さんの“ゴッド・ヘルプ”、“星から降る金”“ナッシング”や安福さんの“炎の中へ”や“見果てぬ夢”などの「定番」というべき歌も素敵でしたが。安福さんは、今回、「最近のマイ・ブーム」ということで、女性の歌を歌っていましたが、安福さんのような迫力のある声の持ち主なら、思いっきり抑えた歌もきっと素敵なのではないかと思います。毎回、色々と工夫をされるお二人のライブですから、次回も楽しみです。

今回、アニエスさんが“Love Never Dies”をピアノで弾いてくれました。初めて、生の演奏でこの曲を聴きました。やはり、とても美しいメロディです。(それにしても、初見で、さらっと弾いてしまう、アニエスさんはやっぱりすごい!)早く、誰か、歌う人が出てこないかなぁ…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月24日 (月)

新橋の片隅で極上の時間が流れる-佐渡寧子さんと柳瀬大輔さんのジョイントコンサート

P5220190 新橋のアルテリーベTOKYOで、佐渡寧子さんと柳瀬大輔さんのジョイント・コンサートが開かれました。ゲストは井料瑠美さんという豪華なメンバーでした。そしてピアノは“サイドショウ”の音楽監督もつとめた宮崎誠さん。題して、“ファンタスティック・ナイト~恋はめぐる~”

オープニングは、マイ・フェア・レディの“I Could Have Danced All Night”。柳瀬さんのソロで始まり、ついで佐渡さんのソロ、そして二人のデュエット。僕の大好きなナンバーです。ついで、佐渡さんと柳瀬さんのデビュー作となった“ファンタスティックス”のナンバー。“Try To Remember”、そして、ルイザとマットの自己紹介のシーン(僕はこの作品を観たことがないので、正確ではないかもしれません。)、“雨が降る”、この後、佐渡さんは衣装を変えるために退場。柳瀬さんのソロで“魅惑の宵”(“南太平洋”より)。柳瀬さんの甘い声にピッタリの歌です。歌が終わっても佐渡さんのお色直しに時間がかかって、佐渡さんがなかなか登場しません。(これって、演出だったのかな?)仕方なく、柳瀬さんがアドリブでつなぎます。“エーデルワイス”、“My Favorite Things”をうろ覚えだという歌詞をアドリブで歌います。これが大笑い。ようやく出てきた佐渡さんは、“おしゃれは私の切り札”(“アイーダ”より)のさわりだけご披露。その後、“I Have A Dream”(“王様と私”より)、そして、第一部の最後は、やはり佐渡さんの出演作品の回転木馬から、名曲“嵐の中を歩くとき”。柳瀬さんと佐渡さんの声が会場の中に響き渡り、とても感動的でした。そして、第二部は、Andrew Lloyd=Webberの名作の一つである“Aspects of Love”を中心に展開します。ゲストの井料さんも登場し(井料さんは劇団四季在団時代に、この作品で、ジュリエッタを演じています。CDの録音もしています。)三人で、この作品の名場面の数々を演じてくれました。そして、このコーナーの最後は、柳瀬さんが歌う“Love Changes Everything”(“Aspects of Love”より)と佐渡さんが歌う“Unexpected Song”(“Steps & Songs”より)と井料さんが歌う“I Don’t Know How To Love Him”とが、やがて一つに重なり合い美しいコーラスとなって…という趣向。宮崎さんが後で解説していたので書いてもいいと思うのですが、これは、実は、もう10年ほど前にカーネギーホールで行われた、ブロードウェイで当時人気のあった女優さんだけが集まって行ったコンサートの中で同じような試みが行われています。ただ、今回は、日本語ということもあり、また、アレンジも異なり、これとは少し趣の異なるコーラスとなっていて、とても素敵でした。この後、飛び入りで佐渡さんのご主人のビョン・ホギルさんが舞台に上がり、ファントムのメドレー。素晴らしい歌声を聞かせてくれました。そして、柳瀬さんと井料さんが、四季時代に演じた“キャッツ”の歌を。井料さんがジェリーロラムの“劇場猫”、柳瀬さんがスキンブルシャンクスの“鉄道猫”でした。柳瀬さんは「モーニングティはうすめ?」というところを「焼酎のお湯割り」に変えて歌いました。もちろん、客席全員が「濃い目!!」と。そして、最後は、“マスカレード”。客席の皆が、マスカレードの際の基本の振り付けを習って、歌に合わせて自分の席で踊りながら、ファントムの世界を楽しみました。アンコールは“夢醒めて”(“ファンタスティックス”より、多分。)を佐渡さんと柳瀬さんが歌って、名残惜しさを感じつつ、ステージが終了しました。

実力派俳優3人が紡ぎだすミュージカルの世界をドイツ料理のレストランで(70人くらいしか入らない、程よい広さのスペースで)堪能したひと時でした。開演前にシーフードのオードブル、幕間にメインの肉料理をいただきながらのコンサート。とても良質な、そして、幸せな時間に身をおいたような気がします。

実は、今回のコンサートは個人的にもとても嬉しいことがあったのですが、まあ、それはここでは僕の秘密ということにしておきます。ただ、音楽も素敵でしたが、佐渡寧子さんがとても楽しそうに歌っていたのがとても印象に残りました。色々な舞台での佐渡さんを見ましたが、あんなに楽しそうに歌っている佐渡さんを見たのは初めてであったように思います。なんだかこちらまで幸せな気分になりました。

小さな空間で、美味しい料理をいただきながら、極上の雰囲気の中で時の過ぎるのを忘れてしまう…そんなコンサートでありました。またやってくれないかな…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

雨の帝劇で、最後のシルビア・ダンヴァース夫人を観る

“レベッカ”を観てきました。シルビア・グラブさんの帝劇、千秋楽。彼女のダンヴァース夫人の見納め(大阪公演がありますから、あくまで僕にとっての)の日でした。キャストは、ダンヴァース夫人にシルビア・グラブさん、わたしに大塚ちひろさん、マキシム・ド・ウィンターに山口祐一郎さん、フランク・クロウリーに石川禅さん、ジャック・ファベルに吉野圭吾さん、ベンにtekkanさん、ジュリアン大佐に阿部裕さん、ジャイルズにKENTAROさん、ベアトリスに伊東弘美さん、ヴァンホッパー夫人に寿ひずるさん、主なアンサンブルメンバーに河合篤子さん、さけもとあきらさん他、でした。

シルビアさんの千秋楽、全体でも、帝劇公演は残すところあと1回、ということで、キャストの皆さんも、いつもより一層気分が入っているように思いました。その気迫が客席にも伝わってくるような舞台だったように思います。それにしても、何度聞いてもシルビアさんのダンヴァース夫人は素晴らしいと思います。“レベッカ”、“何者にも負けない”とか、何度かダンヴァース夫人の歌があるのですが、毎回、その歌の表情が変わるのです。次第に、マンダレーにやってきてレベッカに代わろうとするわたしに対する憎悪が増していき、それが、第二幕の冒頭に歌う“レベッカ”で最高潮に達します。そして、マキシムを守るために強くなったわたしと立場が逆転し、終盤の“レベッカ”に至ります。この歌には、病気だけを気にしていたというレベッカが末期癌に侵されていたことを知り、しかも、わたしによってマンダレーの空気が一変されてレベッカのマンダレーでなくなろとしている…その悲しみ、悲痛な叫び、そんな思いが込められているように思うのです。シルビア・ダンヴァース夫人…最後に心ゆくまで堪能しました。そして、その思いはこの日の帝劇の観客全てに通じる思いだったようです。カーテンコールでの彼女のに対する拍手の大きさに表れていました。

これまで書きませんでしたが、大塚ちひろさんも素晴らしいと思いました。この2ヶ月の帝劇公演で、最も進境著しかった人ではないかと思います。回を重ねるたびに演技がのびのびとしてきて、歌にもより魂がこもって、今日は彼女の歌に本当に引き込まれてしまいました。

前にも書きましたが、この作品は脇役陣が本当に充実しているように思います。ソロもとても素敵な伊東弘美さん、前回の舞台以上にはじけた魅力を見せてくれた寿ひずるさん、そして、個性的なファベルの吉野圭吾さん、フランクの石川禅さん、皆さん、実力派のいぶし銀の上手さを十分に発揮しています。主役クラスの人たちだけではなく、河合篤子さんのような素敵なアンサンブルの人たちがしっかりと土台を支え、その上で脇役陣がしっかりと固める。そうでないと良い舞台はできないのだな…そんなふうに感じさせられる舞台だったように思います。

キャストの皆さん、アンサンブルの皆さん、オーケストラの皆さん、そして、スタッフの皆さん、この2ヶ月間、とっても幸せな時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月16日 (日)

シルビアさんのダンヴァース夫人、三たび-“レベッカ”を観る

“レベッカ”を観て来ました。主なキャストは前回と同じく、ダンヴァース夫人にシルビア・グラブさん、わたしに大塚ちひろさん、マキシム・ド・ウィンターに山口祐一郎さん、フランク・クロウリーに石川禅さん、ジャック・ファヴェルに吉野圭吾さん、ベンにtekkanさん、ジュリアン大佐に阿部裕さん、ジャイルズにKENTAROさん、ベアトリスに伊東弘美さん、ヴァンホッパー夫人に寿ひずるさん、アンサンブルには河合篤子さん、さけもとあきらさん、等でした。

今回も、シルビアさんのダンヴァース夫人に圧倒され、魅了されました。これまでは、わたしに憎悪をぶつけるように歌う場面の迫力に圧倒されていましたが、今回は、最後の“レベッカが歌う”にとても感動しました。レベッカの死の直前の病状を知り、彼女が既にマンダレーの主人ではないことを悟った悲しみと自分が崇拝する主人に殉じようという悲しい決意と覚悟、そんな気持ちが伝わってきて、その前までのダンヴァース夫人の歌よりもより深いものを感じました。

今回、ある人に、「サスペンスのストーリーもわかっているのに、繰り返し見て、飽きませんか?」と聞かれました。考えてみると、確かに、何故だろう?と、考えてみました。(今まで、あまり意識していなかったけれど。)先ずは、この作品がミュージカルであることです。ミュージカルは、お芝居としてだけでなく、音楽としても楽しめます。そして、ライブなわけですから、プロとして毎回同じ水準のパフォーマンスは保たれるにしても、毎回、変化はあるわけで(演ずる側も、観る側もコンディションが毎回異なるわけですから)、それを楽しむことも観劇の喜びの一つでもあります。しかしそれにも増して、今回は、シルビアさんのダンヴァース夫人に魅せられて、彼女のダンヴァース夫人を観たくて劇場に通っているのです。ファンの特定の役者さんを観に行くのではなく、「この役者さんが演ずるこの役」を観に行くというのは、僕にとっては、ウエストエンドで観たSophia Ragavelasさんのエポニーヌ(“レ・ミゼラブル”)以来のことです。こうなってしまうと、何度観ても飽きることはないという事になります。次は、どんな演技になるんだろう…という気持ちがわいてくるのです。ですから、何度観ても飽きがくることはありません。

“レベッカ”の帝劇公演もの頃あとわずか。名残惜しい気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月12日 (水)

男と女が最後に飲むコーヒー、その味は?-あみさんの“El ultimo cafe”

銀座のシャンソン・バー、ボンボンに行きました。銀座4丁目のビルの地下1階にある小さなお店です。でも、とても素敵な空間です。この日の出演は、レギュラーの福浦光洋さん、珠木美甫さん、そして、ゲストのあみさん、ピアノは今野勝晴さん、でした。

あみさんは、シャンソンだけでなく、タンゴやオリジナルの曲も素敵な歌い手さんです。“人魚の泪”“遥かな想い”“胡蝶の夢”“私のピアノ”“Home Sweet Home”“プリマベーラ”等のオリジナル曲も好きですし、“アマポーラ”、“白い道”、“想いの届く日”、“セ・シ・ボン”等のカバー曲も聞くたびに「いいなぁ~」と聞きいってしまいます。けれども、最近の僕のお気に入りの1曲は、“最後のコーヒー(El ultimo cafe)”です。あみさんが歌う歌詞はスペイン語なので全ての意味はわかりませんが、歌の前の説明を聞くと、男と女の別離の場面、最後に二人で飲むコーヒー、その甘さと苦みは愛を想わせる…といったテーマの歌です。歌を聞きながら、この場面をつい想像してしまいます。僕が勝手に思い描く場面は、ブエノスアイレスにある白い壁の天井の高いカフェ。天井には大きな扇風機がゆっくりと回っているような、そんなカフェです。(って、ブエノスアイレスには行ったことがないけれど。)その片隅にあるテーブルに男と女(男も女もそれほど若くはない、でも、まだ、初老と言うほどではない。)が座っていて、そのテーブルだけが周囲の喧騒からポツンと取り残されている。二人はお互いを見ることもなく、うつむき加減に自分のコーヒー(エスプレッソです、絶対に。大きなカップのカフェ・オ・レでは感じが出ない。)をすするようにして飲んでいる。やがてコーヒーを飲んだ女は、ただ「さよなら(「アディオス」かな?)」とだけ、呟くように言って席を立ち、振り返ることなく店を出て、雨の中を去って行く。男はそれを見送りながら、カップに残った最後のコーヒーを飲み干す…

歌を聞かずにこの文章を読むと、なんだか笑ってしまいますが、そんなシーンを聞く人に思わせるほど、あみさんの歌はロマンチックで美しいのです。ところで、あみさんは、歌だけでなく、ブログも素敵です。その文章は、日記というよりもエッセイを読んでいるよう。僕の好きな歌い手さんの一人です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«一度に二つの世界を味わう贅沢-新妻由佳子さんと山田麻由さんのジョイント・ライブ