この間、四季劇場[秋]で、“サウンド・オブ・ミュージック”を観てきました。ご存知、作曲リチャード・ロジャース、作詞オスカー・ハマースタインⅡ世の名作。数年前からウエスト・エンドで、アンドリュー・ロイド=ウェバーのプロデュースによりリバイバルされた舞台の劇団四季版です。主なキャストは、マリアに井上智恵さん、トラップ大佐に芝清道さん、修道院長に秋山知子さん、エルザに坂本里咲、マックスに勅使瓦武志さん、シュミットに丹靖子さん、フランツに川地啓友さん、シスター・ベルテに佐和由梨さん、シスター・マルガレッタに矢野侑子さん、シスター・ソフィアにあべゆきさん、ロルフに飯田達郎さん、ルーズルに谷口あかりさん、フリードリッヒに笠原知也君(かな?)、ルイーザに増田桜美ちゃん、クルトに廣瀬孝輔君、ブリギッタには片岡芽衣ちゃん、マルタに清水乃愛さん、グレーテルに松崎美風ちゃん、でした。
ジュリー・アンドリュース主演の映画でもお馴染みで、何度も舞台化されている名作中の名作です。もう作品自体に力があります。あの愛と笑いと涙に溢れた優しい世界の中で、耳になじんだ音楽を聴きながら、しばし現実を忘れた時間でした。
井上智恵さんのマリア、“ソング&ダンス55ステップス”でも演じておられましたが、とても素敵なマリアでした。歌も良かったし。特に、中盤からフィナーレに向かって、トラップ大佐への愛にとまどいながらも、修道院長にも背中を押され、トラップ大佐の愛を受け入れて子供達を母として愛していく、そんな前向きな姿がとてもよく描かれていたように思います。マリアが教えた子供達の歌によって、トラップ大佐が自ら封印していた子供達への愛情や優しい心を取り戻す場面は、ほろっときてしまいました。それに、坂本里咲さんのエルザは、いかにもお金持ちの中年の女性という感じ
が良く出ていて、このミュージカルのワンポイントになっていました。また、リーズル役の谷口あかりさんは、僕にとっては、キャッツの舞台で、シラバブとして澄んだ声を聞かせてくれる女優さんというイメージでしたが、今回も、大人と少女の間で揺れる16歳の女の子をとても活き活きと演じていたように思います。相変わらずきれいな声で、“もうすぐ17歳”はとても素敵でした。そして、そして、ある意味この作品の主役である子役ちゃん達。みんな歌も上手いし、ちゃんと演技していて(それも自然です)、この作品を盛り立てていました。
美しいメロディを聴き、マリアの前向きな生き方にパワーをもらって帰って来ました。
☆ このミュージカルをまだ観ぬ人へ…
時代は、第二次世界大戦の直前。ナチスドイツがオーストリアにその手を伸ばそうとしていた時代です。ザルツブルクの郊外の修道院で修道女になろうと修行中のマリア。彼女は音楽を愛する、明るく優しい女性です。色々な問題は起しますが、修道院の誰からも愛される存在です。そんな彼女が、修道院長の指示で、海軍のトラップ大佐の家に住込みの家庭教師に行くことになります。
トラップ大佐は、愛する妻を喪ってからは、愛情や優しい感情をひたすら心の奥深くに封印して、7人の子供達にも厳格に接し、軍隊のように笛の音色によって行動をすることを求めます。一方、子供達は父親に自分達の方を見てもらいたがために、次々と家庭教師に意地悪をして家から追い出していました。マリアは、トラップ一家に愛情深く接し、彼らに溶け込もうと一生懸命つとめます。ある日、トラップ家で禁じられている歌をマリアが教えたことから、子供達は彼女に心を開き始めます。そして、そのような子供達の姿にやがてトラップ大佐も心を開き始めるのです、子供達に対して、そして、マリアに対して。トラップ大佐の心の底に流れる優しさや愛情深さに触れるにつれ、マリアは次第にトラップ大佐に魅かれていき、いつか彼を愛するようになります。しかし、トラップ大佐にはエルザという結婚を決めた恋人がいたのです。トラップ大佐に対する愛情に自分でもとまどうマリア。エルザとの婚約を祝うパーティの夜、マリアはトラップ家を出て、修道院に戻ってしまいます。自分のトラップ大佐への愛情にとまどい迷うマリアを、修道院長は「自分の道は自分で探しなさい」と諭します。修道院長の話を聞いたマリアは再び、トラップ家へと向かいます。
一方、世界の情勢は大きく転回しようとしていました。ナチスドイツの手はオーストリアにも及んでいきます。トラップ家の周囲でも、ナチスドイツを受け入れ、迎合しようとする人たちと祖国のためにナチスドイツに抗おうとする人たちが二派に別れてしまいます。その流れの中で翻弄される若き恋人達ルーズルとロルフ。
マリアとトラップ大佐の愛の行方は…?そして、トラップ一家の運命は…?
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